◆2007年フィールド日誌


12月30日(晴れ時々曇り、一時雪) 朝から精力的に用事をこなし、一段落した午後2時からフィールドに出る。 時々横殴りの雪が混じる強風のなか、低山の尾根筋を歩く。 気温は低いがアップダウンを繰り返しているうちに汗ばんでくる。 山の中に時々現れる大きな凝灰岩の路頭は当地独特の風景である。 2時間たっぷり歩いたのち撤収する。〔東播磨地方〕

12月23日(雨のち曇り、時々晴れ) 雨があがった午前10時過ぎから晴れ間がのぞく。 正午前からフィールドに出る。湿度は高いが風も無く穏やかな天気。気温も高く3月終わり頃のような雰囲気である。 南向き斜面の畑にヒメアカタテハを見る。活発に飛び回り、ホトケノザで蜜を吸う。 タンポポにやってきたのはモンキチョウ♂。 ダイコンの葉にとまり日向ぼっこするウラギンシジミ♀を見る。 ヤマトシジミ♂もまだ生き残っている。 新鮮なキチョウを見る。 ベニシジミ、モンシロチョウを期待したが姿を見せず。〔東播磨地方〕 

12月16日(曇り時々晴れ、一時にわか雨) ようやく本格的な寒さがやってきた。 くるくる天気が変わり時雨のようなにわか雨が落ちる。 いつもの撮影ポイント、雑木林の縁を回るがチョウはただの1頭も飛び出さない。 モンキチョウ、キチョウ、ベニシジミなどはまだ生き残っているはず、どこかに潜り込んでいるのだろう。早々に引き上げる。〔東播磨地方〕

12月9日(晴れ後曇り) 昨日と同じような空模様。 早朝から「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」の定例活動の一環、生息地である雑木林の整備を行う。 作業はヒメカンアオイの生育を促すため、暗くなりすぎた林の整備であるが、具体的には、イヌツゲ、ソヨゴ、ヒサカキなど常緑樹の間伐である。 落葉を踏みしめノコギリでギーコギーコと小木を切り倒していく作業はなかなか心地よい。思い起こせば30年以上前、家の手伝いでこんなことばかりやっていた。 2時間もやっていると汗が吹き出てくる。 皆で楽しくワイワイと3時間、あっという間に終了する。〔東播磨地方〕 

12月8日(晴れ後時々曇り) 風は冷たいが朝から青空が広がる。好天に誘われ近郊の山を歩く。標高は300mに満たないが、アップダウンもあり、尾根筋の縦走は本格的な登山である。 凝灰岩が露出している尾根筋でテリを張るウラナミシジミ♂を見る。新鮮からボロまでさまざま。 縦走2時間、歩数1万、足はガクガクとなりホウホウの体で山を降りる。 一息入れたのちチョウを求めて南向きの畑を巡る。 1週間経つごとに見かけるチョウの総数は減ってきているが、それでもまだ種類は多い。 ウラナミシジミは鱗粉も剥げ落ちているが、元気にヤマトシジミを追いかけている。 日向ぼっこ中のキタテハを見る。 田んぼを直線的に飛ぶのはモンキチョウのオス。 モンシロ♀はボロばかりだが、植栽の菊で吸蜜したり、ハクサイに産卵したりと忙しい。 サヤエンドウを固定するための笹の葉にとまるツマグロヒョウモン♀を見る。驚くほど新鮮。しかも敏感。当地では本種は3月から12月まで見かける。 ランタナで蜜を吸うヒメアカタテハを見る。 植栽のガーベラで蜜を吸っていたのはベニシジミ、ヤマトシジミ、ウラナミシジミの3種。このウラナミ、極端に小さくヤマトと同じ大きさであった。菊で吸蜜するセセリによく似た昼行蛾を見るが同定できず。〔東播磨地方〕 

12月1日(晴れ後曇り) 今日から12月、例年に比べ今のところ季節の移りは遅い。 午後から雲が広がるとの天気予報を信じて、今日は早め10時スタートでフィールドに出る。 コナラ、クヌギを中心にした当地の雑木林は今が紅葉の盛りである。 いつもの畑に向う。 やや気温が低く、風があるため飛ぶチョウの姿はない。畑の中を歩き回ると、モンシロ、ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモン、ベニシジミ、キタテハが飛び出す。地面にとまり温度が上がるのをじっと待っている感じか。 翅表のブルーが大きく広がった低温期型のヤマトシジミ♀を見る。かなり弱っている様子。 撮影地を変える。田んぼのあぜではヨモギの葉を綴ったヒメアカタテハの幼虫の巣が多い。 溝に広がるコセンダングサの花株に多くのチョウが吸蜜に集まっている。ウラナミシジミが4〜5頭、モンシロチョウも同じくらい、モンキチョウは更に数が多い。ヒメアカカテハ1頭も混じっている。 モンシロ、モンキの逆光下での吸蜜シーンを狙う。〔東播磨地方〕

11月25日(快晴) 連日の快晴、午前9時半から近郊の低山を歩く。標高は100mから200m程度だが、凝灰岩の急峻な岩場も多く、10分も上ると汗が吹き出る。尾根筋は爽やかな風が吹き抜けている。南に向っての眺望も良く、遠くに瀬戸内海が銀色に輝いている。 尾根や山頂には必ずウラナミシジミ♂がテリを張っている。新鮮から超ボロまでさまざま。 タンポポで蜜を吸うチャバネセセリを見る。チョウの出現時期と開花時期が大きく異なっているため、めったにお目にかかれない珍しいシーンであろう。 キタテハ、ツマグロヒョウモン、キチョウ、モンキチョウ、ヤマトシジミ、ベニシジミと秋の定番種を見る。〔東播磨地方〕

11月24日(快晴) 別件もあり早朝から但馬に向う。朝は相当に冷え込んだようで、午前9時でも日陰は霜が融けていない。 所用終了の午前11時からハチ高原を散策する。数日前の降雪で高原は真っ白、スキー場の準備は着々と進んでいる。尾根筋の吹き溜まりでは積雪50cmであった。 気象観測地点の雪上でキタテハを見る。 たっぷり、ウスイロ生息地や山の写真を撮影し午後1時に下山する。ふもとの棚田で、モンキチョウ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、ウラナミシジミ、キタテハを見る。雪山を背景に広角で撮影を試みるが、どのチョウも一度も思う位置にとまってくれず。 モンキチョウは明らかに探雌飛翔、羽化直後のメスを探すために草の上ギリギリに飛び回っている。〔但馬地方〕

11月23日(晴れ時々曇り) 朝は冷え込んだが日中はまずまずの天気。気温が上がった11時からフィールドに出る。 一ヶ月前多くのムラサキシジミがいたアラカシの生垣に今日はなぜか1頭もいない。 3週連続で山すその畑に向う。先週に比べ見かけるチョウの数が減っている。 ヒメアカタテハ、キタテハは1頭を見るのみ。モンシロ、チャバネ、ヤマトはそれでもまだ多い。 植栽のマリーゴールドの花で蜜を吸うキチョウを見る。 咲き始めたビワの花で蜜を吸うチャバネセセリを見る。ビワの花は普通、真冬に咲くため、チョウの吸蜜シーンは珍しい? 田んぼのあぜでテリを張るツマグロヒョウモン♂を見る。同種のオスが接近すると盛んに追いかける。マメ科の小さな葉(スズメノエンドウ?)に産卵するモンキチョウ♀を見る。産卵が一段落すると地面にとまり体を倒し日向ぼっこ。 モンシロ♂の求愛と♀の交尾拒否を見る。 田んぼの溝に咲くコセンダングサの大きな株にモンキチョウ、ベニシジミ、キタテハ、ウラナミシジミが集まっている。 自宅近くの狭い道路、カイヅカイブキの垣根からはみ出したエノキの幼木に多くのゴマダラ幼虫を見る。その数12頭。緑、黄緑、薄茶色、体は緑で頭と背中突起は薄茶色といろいろなタイプの幼虫が混在している。まもなく地面に降りるのであろう。〔東播磨地方〕 

11月18日(晴れ) 昨日に続き好天だが、今日は西風が強く肌寒い。 友人からの誘いで、兵庫県が新たに計画している里山遊歩道ルートを歩く。正確には、“歩く”といった生易しいものではなく、道などまったく無いブッシュの中をひたすら“藪漕ぎ”する。それでも尾根筋に出ると吹く風が心地よく、眺望を楽しむ。途中、ヒメヒカゲが生息している可能性のある斜面を見つけたが、寄り付きの森が深く、5月6月のシーズン中なら、余程の覚悟がないと行き着けないであろう。 岩場に咲くヤマラッキョウで蜜を吸うウラナミシジミ、チャバネセセリを見る。陽だまりの中ではキタテハが多い。 友人と別れ、一週間前と同じ山すその畑に向う。 今日もいるいる!といった感じで、チョウの多さに心躍る。 ヒャクニチソウにヒメアカタテハが多い。一箇所の花株に5頭集まっている。ファインダーの中にようやく3頭まで入れることが出来た。同じ花で吸蜜ポジション取りでチャバネセセリと争う。 気が向いたときのみオスはメスに求愛するが、執拗さはまったくなく拒否されるとすぐ吸蜜に戻る。淡白そのものである。 地面にとまりテリを張るツマグロヒョウモン♂を見る。 依然としてヤマトは数が多い。〔東播磨地方〕

11月11日(晴れ時々曇り) 久々にフィールドに出る。晴れ間が広がっているが西風が強い。 薄暗い雑木林の中でクロコノマチョウを見る。とまっているところが大体分かっていても、落ち葉に同化しているため見つけられない。この辺りかと近づくと、突然、足元からバタバタ飛び立ち、数10m移動する。とまった地点を見失うとまた同じ事を繰り返すハメになる。 南向きの畑にチョウが多い。 植栽のキク、ヒャクニチソウ等にキタテハ、チャバネセセリ、イチモンンジセセリ、ヒメアカタテハを見る。 ダイコンやブロッコリーの葉に産卵するモンシロを見る。 モンシロお気に入りの花はコセンダングサ。 ダイコンの葉にとまり開翅するウラギンシジミを見る。 ヤマトは最盛期。 ウラナミシジミも活発に飛び回る。 キチョウ多い。〔東播磨地方〕

10月28日(快晴) 昨日とは打って変わって朝から快晴、青空が広がる。先週に続き西播磨に向う。現地着10時半、ノコンギクやセイタカアワダチソウにテング、キタテハが群れている。今日のトータル目撃数は両種とも100頭は越えている。 渓谷沿いの道にアカタテハを見る。 高原の集落の中、日当たりの良い休耕田の草地にオオウラギンスジヒョウモンのメスを見る。枯れ草にも潜り込んでいるところをよく見れば、どうやら産卵しているようだ。腹を曲げクリーム色の卵を丁寧に1卵づつ産んでいくのを確認する。産卵した枯れ草はツユクサであった。 日当たりの良い斜面の畑跡に咲くノコンギクの花株にチョウが群れている。わずか数平方メートルの面積に、キチョウ、モンシロ、スジグロシロ、モンキ、テング、キタテハ、ベニシジミ、ウラナミシジミなど30頭以上が集まっている。チョウだけでなくハナアブやハチ、ハエも無数にいて壮観である。 うち1頭、期待通りスジボソヤマキのオスが混じっていた。残念ながら、遠目にはキチョウと区別がつかないほど小さかったが、先週に続き、シャッターチャンスの到来に心躍る。 スジボソヤマキに限らず、シロチョウの撮影に関して個人的には順光より逆光を好むため、カメラのポジション取りには気を遣う。 スギボソヤマキの撮影中に先刻のオオウラギンスジが飛来し、隣で蜜を吸い始める。 休耕田のススキの穂の先端にとまるヒョウモンを見る。何をしているのかとしばらく観察すれば、どうやらテリを張っている様子。同定しようと近づくが逆光でよく分からない。望遠で撮影し、その場で画像を拡大すればクモガタのオスであった。この時期にテリを張るとは知らなかった。しばらくするとセイタカアワダチソウに移動し、テリを張りつつ蜜を吸い始める。 その他、ルリタテハ、ツマグロヒョウモン、ヒメジャノメ、ヤマト、ウラギンシジミを見る。 とにかく今日は天候に恵まれ、チョウがいっぱいであった。〔西播磨地方〕

10月27日(雨:但馬) 悪天候の中、「兵庫ウスイロヒョウモンモドキを守る会」秋の活動のためハチ高原に向う。現地着10時、雨は強くなったり弱くなったりするが止むこことはない。新素材のレインウエアに長靴、手袋に多くのナイロン袋持参の完全装備で入山する。尾根筋は強風と雨と深いガスの中。体を動かしていれば寒さは気にならないが、ひとたび休止すると体が冷えていくのがよく分かる。 皆で手分けして、保護活動の看板の片付け、トランセクトルートとポールの確認、オミナエシの種の採取、気象観測計器の冬仕様への変更など手際よく片付けていく。逆に言えば、手際よくやらないと寒くて仕方がない。 一連の作業のなかで来シーズンの改善点が次々見つかる。 ここ数年のトランセクト調査や気象観測など貴重なデータが集まっている。この辺りで一度、これまでの成果を発表する時期に来ていると皆考えが一致した。乞うご期待! 〔但馬地方〕

10月21日(晴れ時々曇り) 友人からの情報を元に、今ホットなクロマダソテツシジミを見に行く。 現地着10時、気温が低いながらまずまずの天気。 誘い合わせたわけではないのに、なぜか知った顔ばかりが集合する。さっそくカメラ屋チームに入り、ソテツを求めて散策する。 数ヵ所目でようやく発見、葉の奥まったところにひっそりとまっていた。残念ながらボロ個体。 更に出遭った友人に幼虫ポイントを案内いただく。真っ黄色の終齢幼虫が5つ、6つ、葉を丸かじりしていた。 聞くところに寄れば、沖縄からのソテツの苗に付いてきて、夏ごろから周辺に広がった、でも薬剤散布と多くの採集者によって今は激減してしまった、とのこと、真偽の程は判らないが・・・。 更に2時間周囲を散策するが、出会うのはネットを持った人ばかり。 アカタテハ、ヒメアカタテハ、ナミアゲハ、アオスジアゲハを見る。 チャバネセセリ、ウラナミ、ヤマト、ベニの各シジミ、モンシロは数が多い。〔県東部〕 

10月20日(曇り時々晴れ) 午前9時半、西に向う。自宅を出たときは快晴だったのに千種川を北上するうちに雲が広がってくる。10時半でも気温は14℃しかない。 マイ撮影ポイントである岡山県境近くの集落に到着。 アザミやセイタカアワダチソウ、コスモス、その他キク科の花々は咲いているが訪れているチョウはいない。わずかにホウジャクを見るのみ。 分厚い雲の下、セイタカアワダチソウの花穂で翅を閉じて休むヒョウモンを見る。そっと近づけば、何とウラギンスジヒョウモンのメス!14年目、西播磨で初確認である。撮影中、急に雲が切れ、強い日差しが降り注ぐ。数分後、力強く飛び立ち、蜜を吸い始める。 夢中になって撮影しているその横に、突如スジボソヤマキが飛来する。翅がまったく破損していない綺麗なメス。目的の被写体の突然の登場に心が躍る。カメラのレンズがどれだけ寄っても無関心、最高の被写体である。 スジボソヤマキに飽きたらウラギンスジ、ウラギンスジに飽きたらスジボソヤマキと交互に撮影する。 秋の陽光に誘われてチョウが一斉に活動を始める。テング、ヒメアカタテハ、キタテハ、キチョウ、モンシロ、ウラナミシジミ、ベニシジミ、ヒメジャノメを見る。 30分後、再び雲が厚くなりチョウの活動が鈍る。 帰り道、久しぶりに西播磨のクロツの活動を確認する。〔西播磨地方〕 

10月14日(曇りのち晴れ、更に曇り) 朝起きて天気予報サイトを見れば、但馬地方は正午のみ晴れマーク。天気予報を信じて北に向う。 午前11時半、ウラジロガシの谷に到着。無風快晴、気温は20℃をわずかに越えたあたりか。絶好の条件である。 注意深く、ウラジロガシの樹冠を見回っていく。一周りして二周り目に入ったところ、樹冠をちらちら飛ぶゼフ♀をついに発見!葉にとまったかと思うとしばらく動きを止めている。被写体までの距離6〜7m、潜り込んで休眠芽に産卵しているのかどうかは葉に隠れて確認できない。数分後、再び飛び立ち、一気に数m移動する。 またしても葉に隠れ動きが確認できない。*とまったと思われる辺りを集中的に撮影し、帰宅後じっくり画像を見ればV字に開翅する姿が映っていた。 目撃・撮影データとして、時間11時54分、気温20〜22℃くらい、無風快晴、ウラジロガシの樹の高さ8m、行動場所の高さ6m、とまった方位は樹の南東側・南側・南西側、目撃回数計8〜10回、活動確認時間約10分。 総合的に判断するとたぶんヒサマツミドリシジミのメスであろう。 今日目撃した場所は2年前にヒサマツの卵を確認した樹の同じ方位、同じ高さであった。 更に1時間粘るが二度と姿を見せず。 谷の明るいところに咲くノコンギク(?)にヒメアカタテハが多い。低標高地の集落に咲くミゾソバの群落にキタテハ、ヒメアカタテハが群れている。キタテハの頭数は10頭以上。 民家の庭先に咲くヒャクニチソウに新鮮なキアゲハ♀を見る。午後1時半、一気に雲が厚くなり撤収する。〔但馬地方〕

10月13日(曇り) 終日曇り空、さほど気温は上がらず、風もある。 正午過ぎから1時間フィールドに出る。キセルアザミは今が開花の最盛期、多くのキチョウに混じって1頭ウラギンスジヒョウモンが蜜を吸う。メスの大破個体。サワヒヨドリに移っても蜜を吸っていた。 ツマグロヒョウモン、ツバメシジミ、シルビアシジミを見る。〔東播磨地方〕

10月8日(雨のち曇り、午後から晴れ) 晴れ間が見え始めた午後2時半からフィールドに出る。 咲き始めたセイタカアワダチソウで蜜を吸うメスグロヒョウモン♀を見る。背景がゴチャゴチャの花にばかりとまるため、好いポジション取りが出来ない。 同じ場所でメスグロのボロ♂、ツマグロヒョウモン♂、♀を見る。 ハギの花に集まっているのはツバメシジミ、キチョウ、ウラナミシジミ、チャバネセセリなど多数。 キチョウの飛翔撮影を試みるがスカばかり成果なし。 ボロのシルビア♀を見る。〔東播磨地方〕

10月7日(晴れ後曇り) 昨日に続き朝から気持ちよく晴れる。 午前9時半から1時間限定で自宅周囲を散策する。 当地は今が稲刈りの最盛期、家族総出で田んぼに出ている光景を見るとかつての自分が思い出される。当地では、稲刈り時期=ヒメジャノメ最盛期であり、田んぼのあぜに多い。日差しが強いと日陰を好んでとまる。 見かける数から言えばキチョウは更に多い。 コスモス花壇に多くのチョウが集まる。チャバネセセリ、イチモンジセセリ、モンシロは当然として、他にキタテハ、ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモン、ナミアゲハが入れ替わり立ち代りやってくる。今日は風が強く、コスモスの花自体が大きくなびくため、ピント合わせが難しい。 チョウ撮影に夢中になっているそのそばでオオスカシバ(昼間に活動するガ)を発見!すぐにこちらに切り替える。本種のすばらしい飛翔能力は何回見ても見飽きることは無い。〔東播磨地方〕 *一旦帰宅後大阪に向かい、日本鱗翅学会近畿支部主催の公開シンポジウム「里山の蝶を守る」に参加する。

10月6日(快晴) 朝から秋らしい快晴の空が広がる。本来なら終日フィールドに出ているところであるが、あいにく今日は仕事の日。二日酔いで頭ガンガン、睡眠3時間、重い足取りで職場に向かう。 仕事もそこそこ、大急ぎで帰宅し、午後3時、フィールドに向かう。 池の土手のヒヨドリバナにメスグロヒョウモン♂、ウラギンスジヒョウモン♀を見る。 オミナエシで蜜を吸っていたのはツマグロヒョウモン♀、青い空と黄色く色づいた稲をバックに撮影を試みるが、うまく納まってくれない。 零れ落ちんばかりのハギの花に多くのウラナミシジミ、ツバメシジミ、キチョウが集まっている。 この時期のツバメシジミは本当に小さい。個体によってはホリイコなみの小ささである。 あわただしく撮影し、陽が大きく傾いた午後4時に撤収する。〔東播磨地方〕 

9月29日(曇り時々雨) 夜も明けやらぬうちに起きだし西に向かう。昼前に現地着。 草原にオオウラギンヒョウモン♀を見る。個人的には9年ぶりの“再会”である。気温が低く、分厚い雲の下ではまったく活動を停止している。 歩き回ってようやく出遭ったメスを集中的に撮影する。 兵庫県では約20年生息が確認されず、絶望視されているが、かつては但馬各地で見られたとのこと。 当地の草原環境の豊かさに驚嘆しつつ、時間の制約もあり、後ろ髪引かれる思いで撤収する。〔某所〕 

9月24日(曇り時々雨) 太陽は隠れたがそれでも蒸し暑い。 午後からフィールドに出る。 池の土手のサワヒヨドリにキタテハ秋型を見る。新鮮。 同じ花で蜜を吸っていたのはキマダラセセリ。 放置畑の溝に咲くヒヨドリバナにメスグロヒョウモン♂を見る。ボロなので撮影意欲が湧かない。注意深く周囲を見渡せば、隣の花株にウラギンスジヒョウモン♂が蜜を吸っていた。敏感なため接写できる距離まで近寄らせてくれないが、花に執着しているため、一旦飛び去ってもすぐに戻ってくる。残念ながら翅縁は細かく破損していた。 突然、新たなヒョウモンが飛来する。よくよく見ればウラギンスジのメス!それもまったく欠けていない完品個体。追い掛け回し集中的に撮影する。全国的に激減している本種であるが、ご多分にもれず兵庫県においても見られるのは当東播磨の一部のみである。低地の草原環境に依存している本種の将来は真っ暗、オオウラギンの後を追うのは間違いなく本種であろう。 アカメガシワの葉にとまるアサマイチモンジを見る。 一時間後雨が降り出し撤収する。〔東播磨地方〕

9月23日(晴れ後曇り) 昨日より1〜2℃低いようだがそれでも暑い。 今日も西播磨に向かう。 ナラガシワ林にキマダラモドキを見る。出始めの時期は樹の幹にとまることが多いが、秋になると下草にもよくとまる。人の気配に敏感でなかなか近寄らせてくれない。 同じ生息環境にヒカゲチョウ、サトキマダラヒカゲ、ヒメジャノメを見る。いずれの種も大破個体ばかり。唯一新鮮だったのはクロヒカゲの1頭のみ。 今シーズン初めてゴイシシジミを見る。新鮮なメス。ササの茂みをチラチラと飛んでいた。 栗林の陽だまりにオオチャバネを見る。鱗粉は剥げ落ちていたが元気に飛び回る。 栗の葉にとまるキタテハ夏型を見る。夏型としては終盤であろう。 栗林の中を飛び回っていたのはメスグロヒョウモン♂。 その他イチモンジチョウ、アカタテハ、ルリタテハを見る。〔西播磨地方〕  

9月22日(晴れ) 今日も朝から暑く、厳しい残暑が続く。 午前8時自宅発で西播磨に向かう。 林道わきにポツポツとアザミが咲き始めているが、ヒョウモンの姿はない。 コミスジ多い。新鮮な個体は少ないがとにかく良く見かける。車に轢かれたサワガニの汁を吸っている2個体を目撃する。 カラムシの周囲を飛ぶのはアカタテハ。 民家の庭先、植栽のレッドブレアにミドリヒョウモン、オオウラギンスジヒョウモンを見る。ミドリヒョウモンはオス、メスとも吸蜜。そのうち、メスに気が付いたオスが求愛行動を始める。メスは拒否、交尾は成立せず。別の場所ではミゾソバで吸蜜していた。 サワヒヨドリで蜜を吸うサカハチを見る。 キチョウは数を増している。 今シーズン初めてウラナミシジミを見る。 その他、テング、クロアゲハ♀、ダイミョウセセリ、ウラギンシジミを見る。 ようやくヒガンバナの開花が始まる。例年より1週間遅れ。 〔西播磨地方〕

9月17日(東播磨海岸部:晴れ  東播磨内陸部:曇り) 連日、気温・湿度とも高く、とても9月後半とは思えない気候が続く。 自宅でゴロゴロしていても仕方がないので、10時からフィールドに出る。 内陸部の花公園は厚い雲の下、今にも雨が降り出しそうで、しかも強風が吹き荒れている。いかなる理由か分からないが、園内の手入れは行き届かず、荒れ放題の花壇もある。これで従来どおりの入場料徴収は納得できない。時期的なものもあるだろうが全体的に花が少なく、従ってチョウも少ない。目撃種はナミアゲハ、ツマグロヒョウモン、イチモンジ、チャバネのセセリとウラギンシジミのみ。 30分で切り上げ、市街地内の丘に向かう。 ユキヤナギの植栽にホシミスジを見る。なかなか良い構図に治まらなかったところ、運よく隣りのササの葉に移動してくれた。 アラカシの垣根にムラサキシジミが群れている。ボロばかりのようだが、総数は30頭以上か。 曇りから晴れになる一瞬だけV字に翅を開く個体を見る。 無理やり飛ばせて飛翔を狙うがタイミングが難しく1カットも成功しなかった。 ナガサキアゲハ♂、アオスジアゲハ、キアゲハを見る。〔東播磨地方〕    

9月16日(午前:曇り時々晴れ一時雨、午後:雨) 朝から湿度が高く蒸し暑い。 「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」の定期活動、ヒメカンアオイ自生地の下草刈りを行う。夏過ぎに行うこの活動が一番シンドイともっぱらの評判。今日は地元の高校生4人と先生1人の応援があり、いつものメンバープラスでわきあいあいと現地に向かう。 竹やぶそばの薄暗い雑木林、蚊の攻撃に耐えながら、高校生パワー全開で一気に片付けていく。いつものロートル軍団のみではこうはいかない。3時間の予定のところ1時間半で終了する。みなさんご苦労さんでした。また来てください。 公園の植栽のアベリアで蜜を吸うナミアゲハ、メスグロヒョウモン♂を見る。メスグロはようやく夏眠から覚めたもよう、ようやく里の秋の始まりである。 他のポイントに移動する。ここでもヒヨドリバナで吸蜜するメスグロ♂を見る。この個体は後翅を大きく破損していた。 田んぼの土手にシルビアが多い。今シーズン、もっとも密度の濃い発生地であろう。地面近くを飛ぶメスを観察していたところ、急にオスが飛来し猛スピードで追跡を始めた。約1分、必死で逃げ回るメスを追いかけるオス、その後、下草にとまったと思えば交尾が成立していた。ベニシジミやヤマトシジミのようにメスの後方からオスが翅を震わせて迫るような紳士的な求愛ではなく、強引極まりない求愛の仕方に驚く。 日中、活発に飛ぶヤママユガを見る。〔東播磨地方〕

9月15日(曇り時々晴れ、北播磨は一時雨) 今日はゆっくりスタート、昼前に家を出る。 気温は32℃、涼を求めて北播磨の高標高地に向かう。 途中、クロツ生息地に立ち寄る。一ヶ月前はまったく飛んでいなかったのに、今日はポツポツ飛んでいる。 石や草にとまっていることが多く、近づくと慌てて飛び立つ。 新鮮からややスレまで、いろいろな鮮度である。 ツメレンゲの花穂は伸び始めているがまだ花は付けていない。 標高1000mの高地はやはり涼しい。風が強いため体感としてはむしろ寒いくらい。頭の上すぐ近くを雲が猛スピードで流れていく。暗くなってきたと思えば突然の雨、こうなれば飛ぶチョウはいなくなる。 北播磨各地を150kmドライブして帰宅する。〔北播磨地方〕

9月9日(曇り時々晴れ、朝にわか雨) 午後からフィールドに出る。先週の日曜日と同じコースを回る。 ウラギンスジ、メスグロともまだ姿を現さない。田んぼのあぜにシルビア♀を見る。たぶん1週間前と同じ個体であろう。ミヤコグサへの産卵を見る。 畑の一角、ヒャクニチソウの花壇にアゲハ、キアゲハが群れている。今日は特に数が多い。合わせて10頭以上か。 被写体まで距離3m、105mm中望遠、シャッタースピード1/2000で飛翔撮影の練習を行う。どうやら近寄りすぎないのコツのようだ。ヒャクニチソウの花を良く見れば、中心部は小さな筒の集合体になっていて、両種とも実に丁寧に自分のストローを差込み蜜を吸っている。キアゲハは自分の触角に花粉さえ付けている。 ホウジャクの飛翔をカメラの機能MAXの1/4000で撮影してみるが、それでも翅の先端はブレていた。 自宅近くの堤防に生えるオオアブラススキにジャノメチョウ類の幼虫を見る。同定できないので持ち帰り飼育してみることにする。〔東播磨地方〕

9月8日(曇り時々雨:但馬 標高700m以上は雲の中) 3週間ぶりに但馬に向かう。 ウラジロガシの渓谷にヒサマツ♀を探すが姿を見せず。カラスザンショウの樹冠を飛ぶ黒系のアゲハを見るが同定できず。 ウラジロガシの樹液を吸っていたのはミヤマクワガタ♀、スジクワガタ♂と小型のススメバチ。 キチョウ、ウラギンシジミを見る。 ヒサマツを諦めハチ高原に向かう。 標高700以上は雲の中。しかも絶えず小雨が降っている生憎の天気である。気温は20℃を越えていないくらいか?下界と比べ別天地のように涼しい。 ガスがかかり暗く見通しはきかないがススキやオミナエシ、ハギ、オタカラコウ、シシウド、ヨツバヒヨドリ、アキノキリンソウ、ウメバチソウなど秋の花々が咲き誇っている。 3週間前に確認したウスイロヒョウモンモドキの幼虫の巣の現状を確認する。 一つの巣で見られる幼虫の数は減っているが、幼虫自体の体長は約10cmと3週間前に比べ二周り大きくなっている。すでに越冬準備が出来た巣も見つかる。 ススキ草原を飛ぶのはジャノメチョウ♀。 ルリシジミ、ツバメシジミは数が多い。交尾中のルリシジミ2ペアを見る。 時々ヒョウモンが風に流されていくが同定できない。 草原の縁で新鮮なイチモンジチョウ、コミスジを見る。〔但馬地方〕 

9月2日(曇りのち晴れ) 昨夜遅く出張から戻る。朝起きても体がだるい。 体調を整え10時からフィールドに出る。池の土手ではサワヒヨドリ、オミナエシ、ツリガネニンジン、ワレモコウなど秋の花々が咲き始めている。でもウラギンスジヒョウモン、メスグロヒョウモンはまだ夏眠から目覚めていない。当地のオミナエシは但馬のオミナエシと別種の感がある。地表部の葉に肉厚があり、葉自体が小さい。但馬ウスイロ幼虫は他の地のオミナエシを好まないとの話を聞いたことがあるが、実際に葉の違いを見ると「さもありなん」である。 田のあぜの10mほどの範囲を飛び続ける青いシジミを見る。たぶんシルビア♂の探雌飛翔だろうと見当をつける。辛抱強く追いかけること10分、ようやくメスが出てきて求愛行動に移ったところをじっくり見ればやはりシルビアであった。。求愛行動は基本的にヤマトと同じ、オスはメスの後方から翅をV字に開き、小刻みに震わせ近寄っていく。メスが飛び立つと可能な限り追尾するがセセリのような執拗さはない。このペア、オス・メスとも新鮮、でも交尾は成立せず。 雑木林の縁を緩やかに飛ぶナガサキアゲハ♀を見る。大破個体ながら、白い部分が大きく、遠方から見ると白い紙が風に舞っている雰囲気があった。撮影は失敗。 ヒャクニチソウの花壇に来ていたのは、ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモン、イチモンジセセリ、チャバネセセリ、めずらしくクロアゲハなど。 正午を過ぎ、気温の上昇に伴いフィールドを後にする。〔東播磨地方〕 

8月26日(晴れ) 一日所用をこなし、一段落した午後3時半からフィールドに出る。 今日はチョウ観察というより撮影テクニック向上のための試し撮りが目的。ASA400、シャッタースピード1/1500、F4.0、105mm中望遠レンズ、マニュアルフォーカスで飛翔シーンがどの程度撮影できるかの確認である。こうなるといつもチョウが群れているヒャクニチソウの花壇に行くしかない。でも暑いためか今日はアゲハが少ない。 キアゲハ、ヒメアカタテハ、チャバネセセリ、モンシロ、ヤマトくらいしか見かけない。セセリの飛翔は極めて難しいが、仕方なくチャバネの吸蜜から連続する飛び立ちシーンを追いかけているうちにオオスカシバが登場する。個人的にはこの種(ガ)が大好きであり、被写体としても最高の対象だと常々意識しているため、俄然気合が入る。数十カット撮影する。オオスカシバとキアゲハを撮影してみて、当初の目的に対する回答はだいたい得ることが出来た。 車の運転中、アオスジアゲハの求愛飛翔、ナガサキアゲハ♀の優雅な飛翔を見る。〔東播磨地方〕

8月25日(晴れ) 先週に続き暑い。 播磨北部、標高1000mの高原を歩く。高高度のためか日陰はエアコンが効いているように涼しい。 木漏れ日が差す雑木林の中をヒョウモンが飛んでいる。ミドリヒョウモン、オオウラギンスジヒョウモンは確認したが、他の種がいたかどうかは不明。当地では標高が高いため夏眠することなく、継続的に活動しているのかもしれない。 ススキ草原ではジャノメチョウが多い。 雑木林に中の小路でスミナガシを見る。今シーズンの撮影チャンスはこれで5回目。今年は当たり年なのかもしれない。 森の中の遊歩道を進むこと2km、すばらしい高地湿原に出遭う。管理されること無く、自然状態のままの保たれている。6月頃に是非訪ねたい。 チョウはさておき、何といっても見かける回数が多いのは野生のシカ、2時間で計6回目撃する。一番接近したのは5m以内。これほど多いと新芽を食べつくすシカの害も相当であろう。 〔東播磨北部地方〕

8月19日(晴れ後曇り、午後雷雨) 「兵庫ウスイロヒョウモンモドキを守る会」の活動の一環、ウスイロヒョウモンモドキ幼虫調査のために但馬に向かう。 集合までのわずかな時間を使って、カシワ林でハヤシミドリのメスを探す。日陰側の枝をたたくと簡単に飛び出す。再びとまる位置は日の当らない葉の奥まったところが多い。翅裏の鱗粉は全体的に落ちているが、大きな破損は見当たらない。時間をかけて撮影する。 草原にコムラサキ♂、キタテハを見る。 午前10時メンバー皆でウスイロ幼虫調査に入る。昨年、一昨年なみに巣が確認でき皆ホッとする。黒ではなく薄緑色の孵化したての幼虫が多いことから、例年に比べ産卵時期がかなり遅かったことが窺える。卵塊の抜け殻の痕跡を残す葉も見られる。昼食を挟んで計2箇所を調査する。午後2時、空が一点にわかにかき曇り、ゴロゴロと雷が鳴り出す。急遽撤収し解散。 以降、豪雨&すざまじい雷声がとどろく中、ほうほうの体で運転、帰路に着く。*後で知ったのだが、同時刻、播但有料道路の北部は落雷のため通行止めであったそうな…〔但馬地方〕

8月18日(晴れ) 今日も朝から暑い!こんなに暑くてもフィールドに出ないとイライラするので、涼しく歩けるところを目指し、西播磨北部の渓谷に向かう。途中、道路わきの温度計は35℃を示している。渓谷着正午。 谷が深く林道には木漏れ日しか差さないため、やはり涼しい。体感的には28℃といったところか。 道路上にとまるスミナガシを見る。今年は当たり年なのか、見かける回数が多い。薄暗い路上にとまっているため、気付かずに近寄り、飛び立たれて、やっとスミナガシと判る。 今日もミヤマカラスが多い。ときにカラス♂やオアスジ、クロも混じるが、見かける総個体数の95%以上はミヤマ♂である。10頭以上の集団吸水を撮影するべく、驚かさないようにそっーと近寄るが5mが限界、突然一斉に飛び立ってしまう。黒&青の輝く紙が舞うような姿は壮観。 吸水地点に近寄ってくる飛翔中の個体を撮影する。特に動きがとろく、大型で、完品な被写体を選んで撮影する。とても贅沢な気分。 テング、アカタテハを見る。 目の前を飛んでいるカミキリムシを叩き落としたところ、ルリボシカミキリであった。〔西播磨北部〕

8月17日(晴れ) 連日の猛暑。これだけ暑いと出かけられる場所は限られる。5日前に同じ、樹液酒場に向かう。 今日は珍しくコムラサキが来ている。ゴマダラは4頭、いずれも破損個体。気温が高いせいか今日はまったく逃げない。カナブンの隙間を狙って黄色いストローを伸ばす。ときどきカナブンの追い払われ、おとなしく次のチャンスを窺っている。「そこのけ、そこのけ」のオオムラサキの横柄な態度とは大違いである。 サトキマダラヒカゲは新鮮からボロまで幅広く&数多く飛んでいる。 夏型キタテハはボロ個体。 笹の葉に落ちた鳥糞の汁を吸うイチモンジセセリ♀を見る。〔東播磨地方〕

8月14日(晴れ) 猛暑の中、但馬の渓谷に向かう。 山奥深い林道でスミナガシを見る。これまでの数年間、年に一度くらいの頻度で見かけるが、シャッターチャンスはまったく無かった。でも今年はこれで2回目の接近遭遇となる。今日の個体は路上の獣糞の汁を吸っていたようだ。 ウラジロガシ大木の樹液酒場でルリタテハを見る。とりわけ翅裏が綺麗だったので時間をかけて撮影したところ、すぐ足元にとぐろを巻くマムシに気が付かなかった。幸い長靴だったため、パニックに陥ることなく無事やり過ごす。他の樹液酒場に大型ミヤマクワガタ♂2頭、♀1頭、コクワ1頭、スズメバチ2頭、アブ多数を見る。なぜかカナブンは集まっていない。 渓谷の陽だまりにコミスジが多い。メスは大型でなかなか迫力がある。薄暗い林床にスジグロシロを見る。 各地を廻るが本日の目的、ヒサマツ♀は姿を見せず。〔但馬地方〕

8月13日(晴れ) 友人に誘われ、奈良県に遠征する。 カシを中心とした照葉樹の森の中、薄暗い小川で吸水するモンキアゲハを見る。 獣糞に群がるオオセンチコガネの集団を見る。エメラルドグリーンが多いが中にはやや赤みかかった個体も混じる。総数は50頭以上か。 薄暗いシリブカガシの森の中にいたのはムラサキツバメ、数は多い。圧倒的な光量不足、おまけに被写体は人の気配に敏感で近寄らせてくれない、やぶ蚊にバンバン刺される、等等最悪の撮影環境に苦労する。 その他、雑木林の周囲を旋廻・滑空するオオムラサキ♀を見る。〔奈良県〕

8月12日(曇り時々晴れ) 昨日から夏季休暇に突入、でも猛暑のため気力は充実せず活動は低調。午前中、所用をこなし、午後からフィールドに出る。 まずはこの時期いつも訪ねる樹液酒場へ。車を降りたとたんクヌギ樹液の発酵した匂いが漂う。期待に違わずいるわいるわの虫集団、数ヵ所合計ででゴマダラ3〜4頭、ルリタテハ3頭、サトキマダラヒカゲ10頭以上、カナブン無数、大きなカブトムシ♂も混じる。その他、スズメバチ、ゲジゲジなども集まっている。 クヌギの大木を背景にゴマダラを撮影する。ここはやぶ蚊の密集地、あっという間に数ヵ所刺されてしまう。 撮影地を移動する。草原ではジャノメチョウ♀ボロがフワフワと飛んでいる。オスは見かけない。 ヒメウラナミジャノメは新鮮。 イヌザンショウの周囲を飛ぶナミアゲハ♀を見る。 更に撮影地を変える。 民家の周囲のヒャクニチソウの花壇にナミアゲハ、キアゲハ、チャバネセセリ、ツマグロヒョウモン、オオスカシバを見る。〔東播磨地方〕

8月5日(晴れ時々曇り) 西播磨の各地を回り順次北上する。先日から探し求めているのはクロヒカゲモドキとオオヒカゲ。当地ではどちらも極めて少なく、ここのところ確実な記録が無い。オオヒカゲに至っては20年以上未確認である。過去の記録を元にかつての生息地を順に回っていく。時々いそうな雰囲気があるポイントに出くわすがいずれの地でも姿を見せない。 高原の山すその水源地を廻るオオヒカゲ探索は宝探しのようで楽しい。食草のカサスゲの群落はいたるところにあるが、飛び出すのはジャノメチョウやナミヒカゲばかり。 出遭うのに何年かかるか分からないが7月中頃から8月前半のライフワークとして今後も続けよう。 柳の葉にとまるコムラサキを見る。 田んぼのあぜのススキの葉に産卵したのはチャバネセセリ。葉の中央に産み付けられた卵は白かった。 雑木林の樹冠を旋回するオオムラサキを見る。〔西播磨地方〕  

8月4日(曇りのち時々晴れ) 先週に続き西播磨の渓谷を歩く。二日前の台風の跡が残り、林道には折れた枝や葉が散乱している。 石の上の落ちた鳥糞の汁を吸うウラギンシジミ♂を見る。新鮮。 薄暗い林道でテリを張っていたのはスミナガシ。気付くのがカメラを構える間もなく遅れ飛び去られてしまう。 路上で吸水するミヤマカラスが多い。1週間前より数を増しているが破損個体も混じっている。5頭前後の集団はアチコチで見られ、最多で15、6頭の集団を確認する。 驚かさないようにソーッと近寄るが、どうしても気付かれ、一斉にパッーと飛び立たれてしまう。10頭以上が同時に舞うと実に壮観。 息を潜めそのままの姿勢で数分待っていると、次々に舞い戻ってくる。 ベタッと翅を広げると翅表の青が輝き、たいへん美しい。じっくり時間をかけて撮影する。 その他、コムラサキ、テング、クロコノマ、スジグロシロ、コミスジを見る。〔西播磨地方〕

7月29日(晴れ時々曇り、午後一次雨) 今日のスタートは昨日より更に遅れ、9時半。今日の目的地を西播磨の渓谷に定め、大急ぎで出発する。 11時前現地着。 車を降りて渓流沿いの林道を歩く。 早速、カラスアゲハ♂の吸水を見る。 路上の陽だまりで吸水していたのはコムラサキのオス。この個体、カメラに注意を払わないため20mmまで近寄っても逃げない。さすがにレンズの先端が前翅に触れると飛び立つ。 車に轢かれてペッチャンコになったミヤマカラスのオス2頭のすぐそばで吸水する新鮮なオス2頭を見る。V字に開翅する際、翅表の青が輝く。よく見れば、吸水しながらお尻の先端から勢い良く水分を放出している。いわゆるポンピングと称する行動である。 無理やり飛び立たせたり、クローズアップを狙ったりと、じっくり時間をかけて撮影する。 薄暗い林道の片隅で新鮮なクロアゲハ♂2頭が何かの汁を無心に吸っている。 薄暗い林道を弱弱しく飛ぶ黒っぽいアゲハを見る。道端のヤマゴボウの葉にとまったところ、ミヤマカラスのメスであった。残念ながら両前翅先端が羽化不全、とりあえず撮影する。 路上で吸水するミスジチョウを見る。石ころの上では“絵”にならないが、これもとりあえず撮影する。 渓流の奥の奥、薄暗い木陰をバタバタ飛ぶクロコノマチョウを見る。 その他の目撃種はウラギンシジミとテング。〔西播磨地方〕 

7月28日(晴れ時々曇り) 朝5時起床のはずが、目覚めれば7時。近頃、緊張の糸が切れているのか、はたまた疲労なのか、とにかく起きられない。 気を取り直して大急ぎで支度し7時半に家を出る。一路但馬へ。9時半高地草原着。風はやや強いが日差しは強くコンディションはOK。 早速ススキ草原に分け入る。 ホソバセセリやコチャバネセセリ、オオウラギンスジヒョウモンが目の前を横切る。 オカトラノオの花で蜜を吸っていたのはダイミョウセセリ。 本日の狙いはホシチャバネセセリ。ここ数年、兵庫県内で撮影するべく、何日も費やしているがいまだに成功していない種である。1週間前の目撃情報を頼りに探すが見つからない。炎天下、頭までの高さの深いススキ草原を進むことは思いのほか疲れ、汗が滴り落ちる。探索開始1時間、ようやくテリを張るホシチャに出遭う。ハエやアブのように小さく、黒いため、一旦飛び立つと目で追うのは容易ではない。このポイントでは計3頭のオスがテリを張っていた。自分のテリトリーに対する執着は強く、同種のオス意外にも近寄るいろいろな虫にスクランブルをかける。同種のオスが相まみえると、垂直には約10m、水平には約30mの空間を追い駆けあう。占有行動中はカメラが近づいてもあまり気にしない。 被写体まで10cmくらいまで近寄れるが、背景が明るいとオートフォーカスではピント合わせが難しい。 約1時間じっくりと撮影する。 目的達成のため但馬は早々に切り上げ、西播磨に向かう。 午後2時着。 道路わきのナラガシワの樹の下の水溜りで吸水していたのは、新鮮なオナガアゲハ♂、ウラギンシジミ♂、コチャバネセセリ、キチョウといったところ。 雑木林の周囲でコミスジ、オオチャバネセセリ、チャバネセセリを見る。チャバネは今シーズンの初見。 薄暗いナラガシワの樹液食堂で食事中はサトキマダラヒカゲ。見かける個体はどれも新鮮である。 薄暗い林に中、肌色のチョウ影を見る。よくよく見れば大ボロのウラナミアカであった。 クロヒカゲ、キマダラモドキ、ヒメジャノメを確認する。 今日もクロヒカゲモドキは姿を見せない。雰囲気からして生息している感じがまったくしない。 撮影地を移動する。 明るいクヌギ林を俊敏に飛ぶオオムラサキを見る。 草地にジャノメチョウを見る。〔但馬地方→西播磨地方〕

7月22日〜24日:家族旅行で北海道へ。 日頃、家族を省みることなく好き勝手にフィールドに出ていることへの罪滅ぼしでもないが、とりあえず一足早い夏休み、北に向かう。
22日(曇り時々晴れ:札幌) 正午、市郊外の藻岩山へ。山頂では多数のキアゲハがテリを張っている。兵庫県産に比べ心なしか黄色が濃いように感じる。飛翔撮影を試みるがうまくいかない。 ミズナラの高枝でテリを張る大型のヒカゲを見るが同定できず。近くを通過するキアゲハにも敏感に反応して飛び立つ。 青いシジミが目の前を通過していくが同定できない。 林縁の笹の葉にとまるのはオオモンシロチョウ。数年前に一度見かけているが、改めてじっくりみると、モンシロとの違いは歴然、一回り大きく、前翅の黒紋は表裏一体で鮮やか、でもグロテスクである。 カラスアゲハ、ヒメウラナミジャノメ、ヒメキマダラヒカゲ、コキマダラセセリを見る。
23日(晴れ時々曇り、夕方雨:旭川→富良野) 午前8時、日本一の動物園の開園前のわずかな時間を捉え周囲を散策する。 ブタナ草原にテリを張るコキマダラセセリ♂を見る。但馬ハチ高原産に比べ1.5回り小さい。 シロツメグサにとまりV字開翅するのは新鮮なツバメシジミ♀、兵庫県産3月に現れるような低温型の翅表に驚く。 道路沿いに咲き始めたヒヨドリバナで蜜を吸うのはクジャクチョウ。とても新鮮。 動物園内、シロクマの周囲を飛び排泄物で汁を吸うコムラサキを見る。 わずかな草地でテリを張っていたのはスジグロチャバネのオスか? 旭川は午前中で切り上げ富良野へ向かう。立ち寄った途中のラベンダー畑ではモンシロ、オオモンシロ、モンキが多数群れ飛んでいた。 とりあえず観光地巡りは2時で終了し、一人で渓谷の林道に徒歩で分け入る。同時に空模様も晴れから曇りに変わる。思った以上に渓谷内は暗い。 しかしながらものの数十メートルも進まないうちに多数のチョウが現れる。 林道の地表近くを低く飛ぶのはキバネセセリ、とにかく数が多い。 下向きに咲くアザミに多くのヒョウモンが群がる。一花に必ず一個体が蜜を吸っているような密度の濃さである。一番多いのはメスグロヒョウモン♂、続いてミドリヒョウモンの順、ギンボシ(ウラギン?)も集まっていた。 エゾスジグロシロに混じってひときわ大きなシロチョウが蜜を吸う。日頃見かけないのタイプなのですぐに頭(記憶)が反応しない。しばらくしてエゾシロチョウだと気が付く。なかなか敏感で近寄らせてくれない。不用意に近づくとフワフワと高く飛び上がるが、草むらに身をかがめ息を潜めているとすぐに舞い戻ってくる。シャッターチャンスながら如何せん暗すぎる。触角の白い先端がとても印象的。時間をかけて十数カット撮影する。 ショウマの仲間の花にはキバネセセリ、コチャバネセセリ、メスグロ♀が集まっている。 ひと際暗いところに咲くアザミでホソバヒョウモンを見る。ここまで暗いと自然光での撮影は無理、止む無くストロボを使う。 カラスアゲハも薄暗いところで蜜を吸っている。どの種もなんでこんなに暗いところにいるのか不思議な感じがする。 やや明るく開けた林道の地面でテリを張っていたのはボロのキベリタテハ。越冬明けの個体が今まで生き残っていたことに驚く。近づくとすぐに舞い上がる。しばらくすると汗臭い衣類や頭髪に惹かれたのか、離れず纏わり付かれる。 獣フンに群がるキバネセセリとコムラサキを見る。当地のコムラ♂も長野県産に同じく翅表の青紫の輝きは強烈!兵庫県産のくすんだ輝きとは大きく違う。 林道を飛ぶミスジチョウを数頭見るが、飛び回るばかりでとまらない。今日もシャッターチャンスなし。兵庫でも北海道でも変わらず、どうもこの種にはトコトン嫌われているようだ。 森を抜け明るいコンクリート製の水門に多くのチョウが舞う。 コンクリート劣化箇所に集まっていたのはキバネセセリ約40頭、ミドリやメスグロのヒョウモン類が10頭。 少し離れた水溜りではエゾスジグロシロばかり約30頭。なかなか壮観である。 ヤナギの周囲を飛ぶルリタテハを見る。約1時間半、シャッタースピードと戦いながら多くのチョウを撮影する。 夕方5時半、雷雲迫る夕闇の中、ラベンダー畑ではまだオオモンシロが群れていた。
24日(晴れ:富良野→夕張→千歳)
朝4時半起床で宿の周囲を散策する。昨晩の雷雨で草木はしっとり濡れている。 1時間半歩き回るが、モンシロとメロン捨て場にいたカブトムシを見るのみ。チョウの姿がないのは寂しいが、代わりに植物相を観察するのは結構楽しい。カシワやミズナラ、ハルニレなど兵庫県では標高600m以上でないと生えていない樹が低地でも普通に見られることに緯度の高さを実感する。 午前8時、夕張国道沿いの明るい小さな谷で卍飛翔をするゼフを見つけ急停車。輝きからどうやらアイノのようだ。兵庫県産に比べ一回り小さい。 市街地に咲くラベンダーの花にオオモンシロを見る。 午前10時、レンタカー返却。レンタカー屋の周辺は大きなカシワの森が広がっている。散策したいところだがタイムアップとなる。〔北海道各地〕    

7月16日(曇りのち雨) 天気予報を信じて早朝から但馬に向かう。 午前7時から、濡れた高地草原を歩く。 オカトラノオで蜜を吸っているのはオオウラギンスジヒョウモン。オスもメスも新鮮。 やや小さめのヒョウモンはミドリ♂。 ウラギンヒョウモン♂はスレている。 イチモンジセセリ、ダイミョウセセリ、ホソバセセリは活発に飛び回っている。 ミズナラの幼木から飛び出したのはミズイロオナガのボロ。 カワラケツメイに産卵するツマグロキチョウを見る。オスは一旦飛び立つと地表近くを延々と飛び止らない。求愛、交尾拒否行動を見る。ネジバナでの吸蜜を確認する。 午前10時、東鉢伏高原に向かう。地元集落の皆さんが主催するラベンダーフェスティバルのお手伝いにと思ったが、あいにく雨が落ちてくる。 小雨のうちに草原を歩くがウスイロは飛び出さない。 新鮮なキマダラセセリを見る。 オカトラノオの群落にチョウが集まる。オオウラギンスジヒョウモンのメス2頭、オス2頭、新鮮なアカタテハ、新鮮なコキマダラセセリ2頭、その他イチモンジセセリのボロなど。 雨が強くなり一旦テントに戻り雨宿りタイムとなる。 雨が小止みなったのを見計らってラベンダーに集まるチョウを撮影する。集まっていたのはヒメアカタテハ、アカタテハ、ウラギンヒョウモン、モンキチョウ、モンシロチョウ、イチモンジセセリ。ラベンダーの紫を背景にするとなかなか面白く写せそうだが、再度雨が強くなり残念ながら撤収する。 結局、本日の目的、ホシチャバネは姿を見せず。〔但馬地方〕 

7月15日(曇り時々晴れ) 台風一過、午前9時、西から晴れ間が広がり始める。即、西に向かう。 雑木林が迫る里山の周辺を歩く。イノシシやシカの侵入を防ぐための柵を出たり入ったりで探索するのに余分な時間を取られる。 渓谷沿いの薄暗いところで夏型クロコノマを見る。前翅先端の突起が緩いため一瞬ウスイロコノマかと思ったが良く良く見れば残念クロコノマであった。数十メートル離れたウメの樹に秋型クロコノマ(越冬後、春に産卵してまだ生き残っているメス)を見る。後翅には鳥に啄ばまれた痕がくっきり残っている。それにしてもこの時期まで良く生き残っているものだと感心してしまう。 クヌギの樹の下にとまるウラナミアカシジミを見る。これまた鳥のくちばし痕が残っていた。 撮影地を移動する。ナラガシワの大木の樹液を吸うキマダラモドキを見る。他に薄暗い「樹液食堂」に集まっていたのはカナブン、オオスズメバチ、一番数が多かったのが陸生の細長い巻貝の仲間。 明るいクリ林の林床をフワフワ飛ぶのはジャノメチョウ。とまっても簡単に翅を開く。 ススキ草原にホソバセセリを見る。 見かけるオオチャバネセセリはメスばかりで、鱗粉は剥げ落ちている。吸蜜に忙しい。ネムの花の周囲を緩やかに飛び蜜を吸っているのはカラスアゲハ♀か? 更に撮影地を変える。雑木林の縁でジャコウアゲハ♂を見る。すでに破損していた。 西播磨の雑木林の縁の探索は3時間以上、目的のクロヒカゲモドキには出遭えず。 午後2時半、気を取り直して東へ100km、六甲山に向かう。午後4時過ぎオオムラサキのポイント着。西播磨と違いまだ雲が厚く、風が強い。こんななかでも期待通りオス1頭がテリを張っている。時々進入する他のオスを追いかけていくが、如何せん撮影には暗すぎて何を撮ってもモノにならない。とまる位置も高く&遠くで、1時間粘ってもシャッターチャンス無し。午後5時過ぎ撤収する。〔西播磨地方→神戸市内〕

7月8日(晴れ後曇り:但馬) ハチ高原、夏のチョウ観察会の日。“夏のチョウ”と銘打ってはいるが、主目的はウスイロヒョウモンモドキである。地元の皆さんや全国から集まったチョウ愛好家など約70名が集合し、事前説明のあと、生息地に向かう。 「充分堪能した」「ウスイロは地元の宝である」・・・などの言葉を聴くと感無量だ。午後3時無事観察会は終了。 観察会と同時に行われたマーキング調査2日目も滞りなく終了する。〔但馬地方〕

7月7日(曇り時々晴れ:但馬) ウスイロヒョウモンモドキ保護活動の一環、今日はマーキング調査の日。調査は正午からだが、もろもろの撮影のため早朝から但馬に向かう。 毎年アイノがテリを張るポイント着7時半。曇り空で気温はあまり上がっていないが、1頭がテリを張っていた。他の個体がテリトリーに侵入しないためスクランブル回数は少ない。わずかに一度長時間の卍飛翔を見せる。2時間粘ったがガスが出始め止む無く撮影地を変える。 標高の低い草原にはウラギンヒョウモンが多い。 新鮮なコキマダラセセリ♂を見る。 撮影はひとまず終了し、ウスイロのマーキング調査に向かう。今シーズンから無届採集は罰せられるようになったため気持ちに余裕がある。密猟の心配をしなくても良いと思うと昨年まで心の重石がとれたようですがすがしい。 本日の調査は2時間で終了、発生は遅れ気味だが、まずまずの結果に仲間の会話が弾む。 午後4時からカシワ林に向かう。空が曇っているため、ハヤシの活動は鈍い。夕日を浴びて開翅するシーンや卍飛翔は少ない。 テリを張るアカタテハ、ルリタテハを見る。 午後6時撤収し宿に向かう。そのあと日付が変わるまで宴会は続いた。〔但馬地方〕

7月1日(雨:但馬) 天気予報を信じて朝から但馬に向かう。生野峠を越えた辺りからポツポツ雨が降り出す。高標高地は雨&ガスの中、しかも気温が低く飛ぶチョウはいない。3時間仮眠しながら様子を見るが変化なし。止む無く標高を下げる。 雨の中、ハルニレの大木の高枝をたたくとカラスシジミが落ちてくる。近くで見ればとても新鮮。じっくり撮影する。 雨の中、その後も各地を廻るが成果なし。 午後2時半、カシワ林でキマダラルリツバメにようやく出遭う。ススキの葉にとまったところを、カメラの濡れに気遣いながら大急ぎで撮影する。午後3時撤収する。〔但馬地方〕

6月30日(晴れのち曇り、一時雨) 午前中は仕事でその間、ずっと晴れ。午後フィールドに出ようとした瞬間に大粒の雨が落ちてくる。ついてない・・・。昨年のこの時期訪ねた六甲山に向かう。 先刻の雨で草も樹もびしょ濡れ。 クヌギの森のなか、目の前をアカシジミが横切り、クヌギの葉にとまる。良く見ればアカではなくウラナミアカ。しばらくするともぞもぞ動き始め、葉から小枝へ移動する。更に良く見れば、腹を曲げ産卵する仕草を見せる。頭上2mと距離があったため、実際産卵したかどうかは確認できず。 午後3時、分厚い雲が切れ、薄日が差すと、期待通りオオムラサキが勇姿を見せる。クヌギの樹幹を滑空する姿は貫禄充分。天気がイマイチなためかテリを張る位置が安定しない。とまっても高い位置ばかりで、翅表を拝ませてはくれない。また来年、である。 活発に飛ぶミズイロオナガを見る。アゲハではボロのクロ、モンキ、第2化個体のアオスジ、ミヤマカラスを見る。〔神戸市〕

6月26日(曇り) 休暇を取って朝から但馬に向かう。今日は6時半自宅発といつもより遅いスタート。天気予報では曇りだが北に上がるにつれ雨が振り出ししかも次第に強くなる。現地着9時半、なんとか雨はあがったが、当然草木は濡れたまま。 まずは山麓のウラジロガシの谷へ。森を歩いていると突然足元からゼフメスが飛び出す。飛翔は頼りなく、フラフラ・ヨタヨタ。すぐ目の前を横切ったときに鮮やかな青い模様がはっきり判る。「ヒサマツのメス!下草にとまれ!」との願いもむなしく、とまったのははるか高所。しかも突然差し込んだ朝日に翅を広げ、体が温まった数分後には飛び立ち視界から消えた。諦めきれず周囲を歩き回ったが結局2匹目のドジョウは現れず。 気を取り直してオスの撮影に向かう。高標高地はガスの中。当然、まだ草木は雨露をたっぷり乗せていて飛ぶチョウの姿は無い。ようやくクリの花で蜜を吸うウラクロシジミを見る。11時を過ぎると気温が上昇し、ウラギンヒョウモン、ミヤマカラスアゲハが活動を始める。正午きっかり、所定の場所にヒサマツ♂が飛来する。日差しが無くても雲が薄く、明るければV字に翅を開いてくれる。とまるところはほぼ決まっていて、半径1mの円内である。10分に一度の間隔で飛び立ち、自分の縄張りをパトロールに行くが10秒もしないうちに帰ってくる。雲が厚くなったり、ガスがかかったりすると、しっかり翅を閉じ動きを止める。諸般の事情により、今日は超接写できる位置にカメラが置けない。近寄っても精々1mである。翅を開くと、標本で見慣れたヒサマツ本来の明るい金緑色ではなく、フォボニウスのような青色に輝く。午後3時まで、2台のカメラを使い約100カット撮影する。 3時を過ぎるとまたもやガスがかかる。ガスのなか、テリトリーを張るスミナガシを見る。この時期の個体にしては破損が少ない。実はこの3年間、ただの一度も本種のシャッターチャンスがなかったため、ある意味、ヒサマツ以上に緊張する。望遠、広角とあらゆる焦点距離、構図でじっくり時間をかけて撮影する。更に暗くなった午後5時撤収する。〔但馬地方〕

6月24日(雨) 天気予報が外れることを願って、朝4時自宅を出て但馬に向かう。家を出た頃からポツポツと落ちていた雨は、但馬に着く頃になると土砂降り状態。どうしようか迷ったが、ここまで来て帰るのももったいないので、雨対策完全装備でフィールドに出る。ウスイロヒョウモンモドキ生息地の尾根筋では今日も強風が吹き荒れている。蛹探索のため這いつくばって、シラミツブシに探すが結局見つからず。土砂降りの中では20分が限度であった。午前8時半、帰途に着く。〔但馬地方〕

6月23日(晴れ) ゼフシーズン、グッドタイミングでの週末の晴れ、でも今日は仕事。 イライラしながらようやく3時過ぎに仕事を終え、大急ぎでフィールドに向かう。 午後5時、湿地にわずかに生えるハンノキの根元で延々と卍飛翔を繰り返すミドリシジミを見る。ファインダー越しでも2頭とも新鮮なのがよく判る。広角接写&ストロボで飛翔を狙う。 5時半、青空をバックに強烈な日差しを浴びて、黒っぽいシジミが飛び回る。スワ!キマルリかと思ったら残念!ボロのトラフであった。 6時前、ようやくキマルリが現れる。夕日のなか、松の枝先に止まったかと思えば、即翅を開く。残念ながらこちらもボロ個体。でも久しぶりなので結構真剣に撮影する。 オオチャバネセセリはテリを張り、かつ時々アザミで蜜を吸いながら活発に飛び回っている。 咲き始めたオカトラノオの花で蜜を吸うウラギンスジヒョウモン♂を見る。 ナミアゲハの求愛飛翔を見る。〔東播磨地方〕

6月17日(晴れ後時々曇り、午後から曇り) 朝4時起床、昨日の反省を活かし、今朝は夜明け前に自宅を出て一路西へ向かう。 朝6時ナラガシワ林着。気温は11℃、肌寒い。 日差しは強烈だが、木の葉も下草もしっとり露に濡れている。 長竿を取り出し、慎重にナラガシワの高枝をたたいていく。まず落ちてきたのはウラジロミドリ♂。寒くて飛べないことを良いことに、そっとナラガシワの葉に移し、カメラをスタンバイする。陽の光を浴びて体が暖まってきたのか、ストローを伸ばし、葉に付いた水分を吸い始める。吸水が止んだかと思うと、突然、翅を開き始め、エメラルドブルーの輝きが次第に大きくなる。ドキドキしながら夢中でシャッターを切る。開ききったところをよくよく見れば、一点の欠けもなくまったくのド完品であった。2分後、突然飛び立ち樹冠に消えた。 感動の余韻に浸り(=ボーとし)ながら、更に枝をたたくと落ちてくるのはウラジロばかり。どのオスもメスも新鮮。 撮影地を変える。 ナラガシワの大木の高枝をたたくと今度落ちてきたのはヒロオビ♂。 日当たりの良いクリの花穂に止まらせる。止まらせたとたん、アッという間に翅を開く。これまたド完品!鱗粉はただの一つも欠けていないくらい新鮮。思わず見とれてしまう。気を取り直して撮影に専念する。最初は逃げられはしないかとビクビクしながら横方向からばかり撮影するが、飛びそうにないため、だんだん大胆になり、広角接写や超クローズアップを試みる。カメラ2台を使って計300カット撮影する。 ヒロオビ本来の金緑色を表現するには斜め前方から撮影するしかなさそうである。 もぞもぞ動き出したかと思うと、弱弱しく飛び立ち、ヒラヒラと樹冠に消えた。 時計を見れば30分経過していた。 クリの花で吸蜜するウスイロオナガを見る。 クリ林のクリの幹にとまるのはキマダラモドキ。たいていの場合、幹にとまるが、たまに葉にとまるとV字に翅を開く。  午前9時、ナラガシワ林での撮影は終了し、県境を北に向かう。 10年前、メスアカがテリを張っていた渓谷は、3年前の台風の爪あとが残り、見る影もなく無残に荒れ果てていた。 メスアカを求めて数ヵ所(=数十キロ)を回るがいずれの場所でも姿を見せず。 渓谷でミスジチョウを見る。せわしなく飛び回り、今日もシャッターチャンスは無し。また来年である。 同じ場所でイシガケを見る。 ウラキンを求めて北播磨に転戦するが失敗、出てきたのはミズイロオナガのみ。〔西播磨→北播磨地方〕

6月16日(晴れ) 朝5時起床で即但馬に向かう。これでもこの時期のダッシュとしては遅れ気味。 目的の高標高地着は7時過ぎ。気温が低い中、朝露に濡れる下草を丹念に見て回るが何もいない。わずかにコチャバネセセリを見るのみ。 期せずして親しい撮影仲間に出会う。9時前、下草にとまる新鮮なフジミドリ♂を友人が発見。聞くところによれば朝6時に確認したときにはいなかったので、それ以降に羽化したのは確実とのこと。ファインダー越しに見ても新鮮なのがよく判る。朝日を浴びて体毛が銀色に輝く。数年に一度出遭うかどうかのビッグシャッターチャンス。開翅するまでテコでもここを動かないと覚悟を決める。そうこうしているうちに気温はグングン上昇。広角接写のため近づきすぎたり、撮影ベストポジションを求めて葉を動かすとさすがに嫌って飛び立つがすぐ傍に舞い降りる。飛翔中、スカイブルーに輝く翅表をみて感動する。これを繰り返すこと数回、結局、開翅することなく樹冠に消えた。 走行中に幾度となくミスジチョウを見るがシャッターチャンスは無し。 高標高地の林道を優雅に舞うアサギマダラを見る。 カラムシの新芽に産卵に訪れたアカタテハ♀を見る。 10時、標高を下げメスアカミドリの撮影に向かうがポイントにその姿無し。当地にいた採集者によれば9時半にテリ張りは終了、しかし数は極めて少ないとのとこ。 即諦め、50km移動し、別のメスアカポイントに向かう。しかしながらここでもまったくいない。 夕刻まで各地を回るが、目的のキマルリ、ミドリシジミは姿を見せず。〔但馬→北播磨→東播磨地方〕

6月9日(朝は雨、昼前から晴れ時々曇り、午後一時雨&雹、夕方晴れ時々雨) 天気予報によれば上空に寒気が入り天候不安定な一日とのこと。実際、当にその通り、目まぐるしく天気が変わる。 関東から来訪の友人と共に午前8時自宅発で西播磨に向かう。移動中、空は真っ暗、今にも雨が降り出しそう、案の定9時前から激しい雨に見舞われる。9時過ぎ現地着。 雨の中、ナラガシワの枝を叩くが飛び出したのはウラナミアカのみ。他のゼフはまったくいない。 新鮮なナミヒカゲ、ボロのサトキマダラヒカゲがやたら多い。 急に晴れ間が広がる中、草地のアザミで蜜を吸うオオチャバネセセリを見る。撮影地を変える。 ナラガシワの大木の高枝を叩くと、ゼフが落ちてくる。その正体はヒロオビ♀。当然、ピカヒカのド完品、落ちたところはイタドリの葉の上、残念ながら背景が悪く、撮影に気合が入らない。 下枝にとまりV字開翅するコジャノメを時間をかけて撮影する。 ヒロオビを含めナラガシワ系ゼフを求めて、数ヵ所訪ねるがどこともまったくいない。 咲き始めたクリの花にテングが多い。 薄暗い墓地でヘリグロチャバネセセリを見る。 各地でキマダラモドキを注意深く探すが見つからない。 午後1時過ぎ東播磨に戻るべく車を走らせていると、突然の豪雨&雹に見舞われる。フロントガラスが割れるかと思いハラハラドキドキの時間が過ぎる。東播磨のキマルリ生息地を訪ねるが悪天候の影響か、はたまた時期が早いのか判らないがまったく姿を現さない。〔西、東播磨地方〕

6月3日(曇り時々雨) 日中は所用をこなし、一眠りしたのち午後4時からフィールドに出る。 道路にはみ出したナラガシワの下葉にミズイロオナガを見る。狙って出かけ期待通り出遭う喜びは格別だ。車がほとんど通らないのを良いことに、脚立を車道の真ん中にセットし、葉の隙間から狙う。 アカ、ウラナミアカは姿を見せず。〔東播磨地方〕

6月2日(晴れ時々曇り) 曇りと晴れが交互にやってくる典型的な“曇り時々晴れ”の空模様。 午前8時自宅発で9時からフィールドを歩く。 まずは以前から気になっていた中播磨の某山頂を目指す。登山道の大半はカシ、シイなどが生い茂る深い森の中、蝶影は極めて薄い。なぜか山頂にはアカガシの大木があった。 山麓でボロのムラサキシジミ、新鮮なアカタテハを見る。植栽のモミジの周囲を飛ぶのはミスジチョウ♂か?。3時間の登山での撮影成果はゼロ。 気を取り直して西播磨に向かう。 薄暗いところに生えるイヌザンショウに産卵するカラスアゲハ♀を見る。尾状突起は2本とも損失、人がいようがいまいがおかまいなく、ひたすら卵を産んでいた。 渓谷沿いのアザミでは今日も多くの黒系アゲハが群れている。 ホバリングするオナガアゲハ♀の後ろに付いて同じようにホバリングするオス2頭を見る。本種の初めてみる生態観察にあせってしまいシャッターチャンスを逃す。 モンキアゲハ♀、カラスアゲハ♀が多い。 同じくアザミで蜜を吸うクモガタヒョウモン♂、キタテハ夏型を見る。 撮影地を変える。明るいナラガシワ林にメスグロヒョウモン♂、ヒメキマダラセセリ♂を見る。 今日見たゼフはアカシジミのみ。 ナミヒカゲ、サトキマダラヒカゲは新鮮。キマダラモドキは見かけず。 東播磨に戻る。お気に入りのヒメヒカゲ生息地を訪ねるが、オニ採り採集者に入られた模様。辺りは踏み跡だらけで、発生のピークを迎えているはずなのに、見かける個体数はごく僅かしかない。個人的には相当頭にきている!本件に関して別途意見を述べさせていただく!!本日付け採集のヒメヒカゲが売りに出ていたら一報いただきたい!!!〔中、西、東播磨〕 

5月27日(晴れ) 昨日とまったく同じ天候。 午前10時自宅発で西播磨に向かう。 11時現地着。渓谷沿いはどこでもアザミが満開、それでもってクロ系アゲハが多数吸蜜&飛び回っている。2週間前と比べ数が多いのはモンキアゲハ。 クロはほとんど見かけない。ボロのカラス♀やミヤマカラス♀、オナガ♂は多い。モンキを集中的に撮影する。 ヒメキマダラセセリ、コチャバネセセリ、ダイミョウセセリもアザミで蜜を吸っていた。 標高を上げた高原の休耕田にクモガタヒョウモンを見る。発生初期らしくまだオスばかり。吸蜜源はアザミ。なかなか敏感で思うようにシャッターが切れない。やっと訪れたシャッターチャンスになるとなぜか車が通過し、アッと言う間に飛び去られてしまう。 撮影地を変え、標高を下げる。 明るいナラガシワ林でメスグロヒョウモン♂を見る。とても新鮮。こちらも敏感でシャッターチャンスは無し。車に戻ろうとしたところメスグロ♀が出現。当然のことながらこちらも新鮮。オスと同様に敏感で結局シャッターチャンスはやってこなかった。 ナラガシワの大木の下の水源で吸水するゴマダラチョウ♂を見る。〔西播磨地方〕 一旦帰宅し所用をこなした後午後4時から再びフィールドに出る。イボタの林ではすでにウラゴマダラシジミが活動を始めている。オスは蝶道をジグザグに猛スピードで飛び回っている。イボタの高枝で、夕日を浴びて白く輝くメスを発見。飛び立つ気配はなく、じっくり時間をかけて撮影する。辺りは暗いのに翅は真っ白、露出合わせに苦労する。カメラの機能、目一杯に露出アンダーにしてもまだトンでしまう。夜に街灯を撮影するような感じか。 蝶道上にカメラを構え、通過するオスを狙うがあまりにも飛翔スピードが速いため撮影は不可能。〔東播磨地方〕 

5月26日(晴れ) 天気は良いがやや風が強い。しかも黄砂で霞んでいる。 10時からフィールドに出る。イボタはすでに花を付けている。ウラゴマダラは発生している模様。一瞬それらしい影を見るが正確に確認できず。 アサマイチモンジ新鮮、スイカズラの周囲を活発に飛び回っている。 クヌギの大木の樹液染み出し箇所ではすでにオオスズメバチが幹をかじっている。辺りには樹液の発酵した例の香り(匂い)が漂っている。 クヌギの幹にとまるサトキマダラヒカゲを撮影する。 撮影地を移動し、雑木林の中を歩く。 ヒメカンアオイの葉の食痕を頼りにギフ幼虫を探す。この時期になると下草が茂りヒメカンアオイの葉は見つけにくいが、今日は探し始めてすぐ見つかる。どの幼虫も10〜15mm程度の大きさで終齢まで達していない。 コナラの葉に羽化しばかりのアカシジミを見る。まだ翅はしっかり固まっていない状態。風が強いなか、葉陰の暗いところにとまっているため止む無くストロボを使い撮影する。 暗い竹やぶのなか、コジャノメを見る。 テングの新鮮な個体を見る。 チャバネセセリを見るがすでにスレていた。〔東播磨地方〕 

5月19日、20日(19日終日〜20日10:00まで 雨:但馬) 今シーズンの「兵庫ウスイロヒョウモンモドキを守る会」の活動の一環、採集禁止看板の設置、トラセクト調査用ポール設置、その他観察会等の打合せのため、19日早朝から但馬・ハチ高原に向かう。現地着午前9時。風雨は強く、尾根筋はガスに覆われている。 明らかに気温は10度以下。 風雨を突いて、寒さに震えながら、看板と一部調査地のポールを設置する。一時の休憩を挟み、午後5時前までフィールドワークを続ける。皆疲労困憊ぎみ。 うっぷんを晴らすように夜は大宴会! 翌20日朝、天気予報は大外れで雨が降り続く。宿舎にて、10時過ぎまでもろもろの打合せ行う。 午前11時、小雨の中、前日の残りのポール設置のために尾根に向かう。深いガスの中、昨年設置の支持杭と記憶を頼りにポールを立てていく。作業が終わりに近づいた正午過ぎ、ようやくガスが切れ、晴れ間がのぞく、しかし風は強く気温は低い。皆でウスイロ幼虫を探すが見つからない。 午後2時まで作業を続ける。  *成虫観察会の詳細スケジュールは近日発表します。絶滅寸前だったウスイロヒョウモンモドキが大幅に回復した様子、多くのウスイロが初夏の草原を群れ飛ぶ姿を是非ご覧においで下さい。ご案内させていただきます。 但馬からの帰り道、ヒメヒカゲ生息地に立ち寄る。〔但馬地方、東播磨地方〕

5月13日(晴れ) 早朝は曇りだったが、次第に雲が薄くなり、日差しが出始める。 午前10時、自宅を出て西播磨に向かう。 午前11時、お気に入りの撮影ポイント着。渓谷沿いにアザミが満開。期待通り、黒系アゲハが数多く飛び回っている。 一番数が多いのはオナガ、次にクロ、カラスの順、ミヤマカラスもポツポツと混じっている。モンキは一度登場したのみ。アオスジは多い。 これだけ多いとどの種を撮影するか迷ってしまう。ここはやはりミヤマカラスから取り掛かる。新鮮なオスの翅表は溜息が出るほど美しい。このオス、幸運にも鈍感で思う存分撮影を楽しむ。メスの方はややスレで残念。 次のターゲットはカラスのメス。翅表のグリーンの鱗粉が印象的でこちらも美しい。さあ、これからというときにオスが登場し、しつこく追いかけ、頭上高く飛び去ってしまう。 これだけ被写体の数が多いと、種類は当然として、雌雄の別、鮮度、背景まで選んで撮影できる。当に至福の時間である。 他にアザミに来ていたのは、ミヤマセセリの超ボロ、ダイミョウセセリ、ヒメキマダラセセリ、イチモンジセセリ、アオバセセリ。2時間半集中して撮影する。 後ろ髪を引かれる思いながら撮影地を変える。 田植えの準備が始まった高原の集落、昨日に続きここでも優雅に舞っている。ここでの吸蜜花はネギボウズとアザミ。アザミの花の上で、ウスバシロ、ナミアゲハ、スジグロシロの3種が吸蜜の位置取りを巡って争っていた。 外来系のアザミで吸蜜するオナガアゲハ、オアスジアゲハを見る。〔西播磨地方〕

5月12日(晴れ) 早朝から、加古川市主催のチョウ観察会講師のお手伝いを仰せつかる。小学生と親御さん約30名と共に郊外の里山を歩く。 10時ころまで気温が上がらず飛び出してくるチョウは普通種ばかりだが、そんなことは委細かまわず、和気あいあいと子供たちなネットに入れ、満面の笑顔を見せる。そのあとは標本作りに挑戦、なかなか思うように行かない子供が多いが、それはそれで楽しいものである。我々チョウ愛好者に課せられたし使命のひとつに後継者の育成があるが、今後ともこのような機会を捉え実行して行きたいものである。 正午過ぎ解散。一路奥播磨に向かう。 棚田の最上部では期待通りウスバシロが優雅に舞っている。清楚な白い翅を緩やかに羽ばたかせ、時には滑空しながら、群れ飛ぶ姿はたいへん美しい。モミジイチゴやシロツメグサ、畑のイチゴなど、白い花がお気に入りの様子。 レンゲの花で蜜を吸うミヤマセセリを見る。 更に撮影地を変える。 民家の石垣にクロツバメを見る。ボロが多いが時に新鮮な個体も混じる。ここでもシロツメグサで蜜を吸っていた。〔東播磨地方、北播磨地方〕

5月5日(晴れ夕方から曇り) どんよりした曇り空を予想していたのに、朝起きればやや高曇りながら晴れ間が広がっている。 9時半、一昨日に続き黒系アゲハの撮影に向かう。 赤いキリシマツツジやピンクのアケボノツツジに今日も黒いアゲハが集まっている。 キリシマツツジで吸蜜中のナガサキ♂に探雌飛翔中と思われるクロ♂、カラス♂がチョッカイをかけていく。特にカラス♂がしつこくからみ、吸蜜中のナガサキの後方でホバリングしながら盛んに追い立てる。このナガサキ♂、よほど腹が減っていたのか、この花株を離れようとしない。こちらも、これ幸いと数十センチまで近寄ると、さすがに警戒しだし、次第に蜜を吸う花を離していく。それでも近寄ると、一旦5mの高さまで舞い上がるがしばらくすると羽ばたくことなく、V字のまま、フワーと落ちてきてまた蜜を吸い始める。これを何度も繰り返す。 そんななか、モンキ♂、クロ♂、カラス♂が一斉に登場し、一度に4種のアゲハが追い駆けあう。結局、このシャッターチャンスはモノにできず。 同じツツジの花株で産卵行動を見せるコツバメ2頭を見る。 果樹園の中のキク科の白い花にヒメウラナミジャノメが群れている。“絵になる構図”を考えながら撮影する。同じ花にトラフもやってきていた。 ネギの花で蜜を吸うモンシロ、ツマグロヒョウモンを見る。〔東播磨地方〕

5月4日(晴れ) 前日の友人との何気ない会話から急遽、高知県遠征を思いつき、朝5時半に自宅を出る。西から広がる雨雲との時間比べを認識し、今回遠征にかかるコストは無視して、加古川・姫路バイパス、山陽自動車道、瀬戸中央道、高知道と高コストルートをひた走る。高知市内ポイント着、8時半。約3時間周囲を散策するが、目的のミカドは姿を見せず。アオスジ、クロ、ナガサキの各アゲハは数多い。 雲の広がりとともにミカドを諦め、一路海岸沿いを東へ南へと車を走らせる。 途中道草を食いながら室戸岬着、午後2時。いつも秋に来ているシークレットポイントを回るが、見かけるのはモンキアゲハとクロアゲハ、アサギマダラのみ。運転中にイシガケを見る。 室戸岬からの帰路に淡路ルートを選択したのが大失敗!徳島市内で30分、明石海峡大橋の上で1時間、渋滞に巻き込まれ結局5時間半以上の時間を要してしまった。本日の走行距離600km、延べ運転時間10時間、疲れた(笑)。〔高知県各地〕

5月3日(快晴) 「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」の年次活動の一環、、朝9時から産卵調査に参加する。二人ペアになって日頃から整備しているヒメカンアオイ自生地数ヵ所を回る。広大なエリアにポツリポツリと自生するヒメカンアオイの葉を片っ端から裏返していく。数百枚、数千枚と、腰が痛くなるのも厭わず延々と単純な行為を繰り返す。いつも感じることであるが、卵は大きな株にはほとんどなくて、すぐエサ不足に陥りそうな貧弱な株に見つかる。強い子孫が残るように母チョウはあえて厳しい環境を選んで産卵し、意図的に孵化した幼虫に試練を与えているように感じる。 二人で2時間、真剣に探して約400卵カウントする。これでも例年より少なめである。葉の裏の主脈に沿って一直線に並んだ変わった卵塊を見つける。 調査中ずっと、やぶ蚊とブヨにまとわり付かれる。 産卵調査は午前中で終了。午後から単独行動に移り、アゲハが集まるお気に入りポイントに向かう。案の定、咲き始めたキリシマツツジやヒラドツツジの周囲を黒いアゲハが舞っている。 ナガサキアゲハ♂3頭、クロアゲハ♂2頭、♀1頭、アオスジアゲハ1頭、ナミアゲハ2頭が入れ替わり立ち代り吸蜜にやってくる。 ナガサキ♂は破損し、羽化後かなり日数が経っているようだ。 クロアゲハの求愛飛翔を見る。オスはメスの前方やや下方を緩やかに飛び、盛んにメスを誘う。 クロゲハ&ナガサキアゲハを撮影しているところにちょっと変わったアゲハが飛来する。よく見れば、ミヤマカラスアゲハのメス。当東播磨低地では初確認である。翅表は緑色系ではなく、青一色。キリシマツツジに執着し吸蜜していた約15分間、じっくりと撮影する。 ネギの花で蜜を吸っていたのは、トラフ、ツマグロヒョウモン、モンシロ。 田んぼの土手の生息地を飛翔するシルビア♂を見る。〔東播磨地方〕

4月30日(晴れ) 今日も但馬に向かうが、いつものチョウ撮影・観察目的ではない。 昨日ほどではないが今日も晴れ、しかし気温は昨日より上がったようだ。 正午から午後1時まで、時間の隙間に近くの雑木林を歩く。高標高地の北向き斜面ではようやく芽吹きが始まったばかり。 木漏れ日の中、ギフが優雅に飛んでいる。鮮度は確認できず。 ミヤマセセリ、テング、キタテハを見る。 但馬からの帰り、車の運転中にクロアゲハを見る。〔但馬地方〕

4月29日(快晴) 朝5時半、自宅を出て今シーズン初めて但馬に向かう。 予定通り8時前に目的の渓谷に到着。 日当たりの良い場所ではすでにスギタニルリが活発に飛んでいる。コツバメと追い駆けあったり、ときに葉にとまりV字に翅を開く。山地性のタネツケバナやツボスミレなど白い花がお気に入りの様子で盛んに蜜を吸っていた。下ばかり見ていて気が付かなかったが、ふと芽吹き始めたトチの大木を見上げると、樹冠をチラチラ飛ぶ同種を確認。花穂にとまりせわしなく歩き回るメス(?)、メスを探すためか、新芽を次々訪ねるように飛ぶオス(?)を見る。最短でも3m先、産卵していたかどうかは確認できず。花穂があるトチの樹はわずかで、大半の樹は新芽が伸びているだけである。 新鮮なサカハチを見る。日差しが強いためか翅を閉じてとまる。試しに手で陰を作ってみたところ、ゆっくりと翅を開く。 テングやヒオドシはボロ。 カラムシの新芽のまわりを飛ぶアカタテハ♀を見る。 山中に入り車を走らせながら林道に出てくるギフを確認していく。それほど数は多くないがそれでもポツポツと姿を現す。ときに採集者が集中している場所があり、やれ「そっちに行った」「なかなか来ん」などの声が響く。最近、採集者を見ると目障りで仕方がない。明るい林床にカンアオイ(サンインカンアオイ?)の新葉が一枚伸びている。密集して新葉が伸びる播磨のヒメカンアオイとは随分雰囲気が違う。試しに葉をめくってみたところ4卵付いていた。たった1枚で幼虫はどうやって生き延びていくのであろうか?走り回るうちに、採集者がまったくいないポイントを発見。タチツボスミレでの吸蜜をじっくり撮影する。でもオスはボロばかり。オマケに背景がゴチャゴチャして結果はイマイチ。アスファルトの路上を低くフラフラと飛ぶボロ♂の飛翔を撮影できたのがせめてもの救いか。 山の中でルリタテハ、ルリシジミ、トラフシジミを見る。 畑の周辺ではどこでもツマキチョウが活発に飛んでいる。 シャガ、ニリンソウ、ミヤマカタバミ、イチリンソウ、ヤマルリソウ、ムラサキケマン、イカリソウ、ウワズミザクラ、コブシなど春の花一杯。〔但馬地方〕

4月21日(曇り時々晴れ) 天気予報を信じて但馬遠征を中止する。 朝9時から雑木林を回る。ミヤマセセリはどの個体も破損が目立つ。カキドオシの花で蜜を吸う。 ヒメウラナミジャノメは一気に数を増してきた。1週間前は1箇所しかいなかったのに今日は各地で普通に飛んでいる。 ツマグロヒョウモン初見、新鮮なオス。 畑のあぜ道のクローバーに産卵するモンキチョウ♀を見る。一卵一卵丁寧に産み付けていく。 雑木林の中、小路にとまるルリタテハを見る。一旦飛び立ってもすぐに舞い戻ってくる。 獣糞の汁を吸うサトキマダラヒカゲを見る。余程美味なのか、カメラのレンズが10cmまで近づいてもまったく逃げない。 コミスジ初見、極めて新鮮。 コツバメはスレてきた。動きもやや鈍い。ときにトラフシジミと追い駆けあう。コバノミツバツツジの花びらにとまっているところを撮影すべくシャッターを押した瞬間飛び立つ。マグレながら飛翔撮影成功。 雑木林の中でクロコノマに出遭う。本日の遭遇回数は6回。これほど多く見かけたのは初めて。雑木林の中の小路にとまっていることが多いが飛び立つまで気が付かない。一旦飛び立つとバタバタと不器用に飛び回り、やがて再び林道に舞い降りる。舞い降りたところが分かっていてもコナラの落葉と同化してしまい注意深く探さないと見つからない。すばらしい保護色の効果である。 ヒメカンアオイ自生地を回るがなかなかギフが飛び出さない。最後に訪ねたポイントでようやく出遭う。産卵するために低く飛び回るメスを見る。飛翔撮影のためのストロボに驚き、アッと言う間に逃げられてしまう。コバノミツバツツジで蜜を吸う個体もいた。計3頭、すべてメス。このポイントは昨秋に皆で手入れしたところ。こうしてギフを見かけると喜びもひとしおである。 山のピークでテリを張っていたのはキアゲハ2頭とヒオドシ2頭。 各地でツマキチョウを見るが飛び回るばかりでとまらない。 ツバメシジミ♀の低温型個体を見る。ややスレながら翅表にブルーが混じり美しい。 竹やぶの縁の畑で撮影中に急に声を掛けられる。決して怪しい者ではなく、虫の写真を撮っている旨を説明したところ、話が弾み、タケノコのお土産まで頂く。〔東播磨地方〕

4月15日(曇りのち晴れ) 「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」の活動の一環、成虫観察会に参加し朝9時から生息地を回る。 昨日よりも気温が低く、かつ空一面のうす曇り。生息地を訪ね歩くがただの1頭も飛び出さない。 午前11時半、最後に訪ねたポイントでようやく姿を見せる。しかし飛び方が速く、雌雄の同定すらままならない。20〜30回、ヒメカンアオイの葉をめくってみるが、まだ卵は付いていない。 成虫観察会は午前中で終了、午後から単独行動に移り昨日の産卵ポイントに向かう。時間が遅いため産卵は見られず。わずかに枯れ葉にとまる破損したメスを見るのみ。 コバノミツバツツジの花にとまりテリを張るコツバメ♂を見る。 エノキの高枝にテングの産卵行動を見る。 トラフシジミ初見、各地で見かけるため数日前から現れていたもよう。 雑木林の小路でテリを張るルリタテハを見る。 ヒメウラナミジャノメ、サトキマダラヒカゲとも各地で見る。〔東播磨地方〕 

4月14日(曇りのち晴れ) 今日も朝9時からフィールドに出る。昨夜の雨は未明に上がったが依然気温は低く、時おり分厚い雲に覆われる。 明るいコナラの林にミヤマセセリが多い。メス同士でももつれて追い駆けあう。ひとたび陽がかげると一斉に地上に舞い降りるが、再び陽が差すと活動を始める。メスの翅表の色合いは個体差が大きい。美しいメスを選んでじっくり撮影する。 雑木林の小路にヒメウラナミジャノメを見る。初見。 森の中から飛び出してきたのはクロコノマの越冬個体。敏感で近づくことができず撮影は失敗。 ツマキチョウ初見。直線的に飛ぶ独特の飛翔を各地で見る。 ツバメシジミ初見。 ノイバラとミツバツツジの明るいブッシュでテリを張るコツバメを見る。近づく他のオスに敏感に反応しスクランブルを繰り返す。乱視&老眼が進行した我が目では追うのが大変! 雑木林の中のヒメカンアオイ自生地でギフの産卵を見る。狭い範囲に3〜4頭のメスが入れ替わりやってきて産卵を繰り返す。メスはヒメカンアオイの葉に触れながら低く飛び、気に入った葉に行き着くと、葉の縁につかまり、腹を曲げ葉の裏に丁寧に産卵していく。産み落とされたばかりの卵は真珠のように輝きとても美しい。 産卵が済んだメスは近く落葉に舞い降り、一休み。時々翅を小刻みに震わせるのはなぜだろうか?約1時間、産卵シーンを堪能する。なかに1頭羽化不全の個体が混じっていた。 別のポイントに移動する。ここでも産卵中のギフ♀に出遭う。極めて新鮮。羽化直後に交尾が成立したのであろう。産卵後も追い掛け回し、静止する姿を撮影する。 丘のピークではナミアゲハ2頭、キアゲハ1頭、ヒオドシ1頭、その他ルシシジミ、ミヤマセセリが入り乱れて追い駆けあっている。残念ながらギフ♂の姿はなし。 更に別のピークに移動する。ここではギフが混じっている。ナミアゲハ3〜4頭、キアゲハ3頭、ヒオドシ1頭、ヒメアカタテハ1頭、ミヤマセセリ多数とともに飛び回っている。このなかではキアゲハが最も飛翔能力が高そう。ギフは木陰が混じる地表近くを緩やかにパトロールしている。 ギフ飛翔撮影を試みるがうまくいかない。午後3時、見かける時間が少なくなり撤収する。 サトキマダラヒカゲ初見。 ルリタテハ、アカタテハを見る。〔東播磨地方〕

4月8日(晴れ後曇り) 午前9時からフィールドに出る。誘い合わせたわけではないが、2月25日に見つけたギフ蛹の羽化の確認に友人5人が集まる。 羽化に備えてビデオを回し続ける友人を残し尾根筋を散策する。 期待に違わずテリを張るギフチョウを見る。人の気配に敏感で思うように近寄れない。とまっても地面にベタッととまり絵にならない。もう1頭いるらしく頭上高く追い駆けあう。 友人から、羽化が始まった、との連絡を受け急いで戻る。 翅がまったく伸びていない状態でせわしく歩き回るところから撮影開始。 枯葉や石にとまり次第に翅を伸ばしていく。しばらくするとフニャフニャの翅を引きずるように急に歩き出し、コナラの太い樹にたどり着き登り始める。 地面から70〜80cmのところで静止、アッという間に翅が伸びきる。メス個体。十数分に一回くらいのペースで柔らかい翅を少し開く。 それから1時間半静止。 落ち着いたところで周囲を歩くとさらにもう1頭羽化中の個体を発見。こちらはオス。 さらに周辺を数頭が飛び回っている。 撮影枚数300枚、あらゆる撮影方法を試みる。 正午を過ぎるとコナラの幹を上りはじめ、最終的には10mに高さに達する。 やがて春風に乗り樹冠高く舞い上がった。充実した2時間であった。 他の発生地を回る。 数は多くないが、多くの場所でギフを見かける。 コバノミツバツツジで蜜を吸うミヤマセセリを見る。 丘の頂上でテリを張るキアゲハ、ナミアゲハ、ヒオドシを見る。キアゲハは初見。〔東播磨地方〕

4月1日(早朝:霧、午前9時:晴れ、10時〜12時:曇り、12時〜13時:雨、13時〜:曇り) 目まぐるしく天気が変わる一日。 8時半からフィールドに出る。晴れ間が広がると虫たちは一斉に活動を始める。 雑木林の周辺を飛ぶナミアゲハを見る。 ルリシジミを各地で見る。静止中は翅を広げない。 丘のピークではいつも通りヒオドシがとまっている。 畑の土手でヤマトシジミ♂を見る。初見。この時期のヤマトは翅裏の地色が濃く、黒班点が小さく&少なく、5月以降に現れる個体とはかなり違った印象を受ける。しかも極端に発生数が少ない。 ギフを求めてヒメカンアオイ自生地やテリを張っていそうなポイントを回るが、いかんせん天気が悪い。羽化は始まっていると思うがこんな天気では飛ばない。2月25日に見つけたギフ蛹はまだ羽化していない。 ミヤマセセリ♀を見る。雨が降り出すとコナラの高所の枝に避難する。〔東播磨地方〕

3月25日(雨のち曇り、夕方から晴れ) 昨日からの強い雨が朝まで残り午前中はどんよりした曇り空が広がる。しかし気温は高い。 雲が薄くなった午後からフィールドに出る。 4日前に同じく、雑木林を回る。 丘のピークでヒオドシの求愛行動を見る。 地面にとまったメスの背後から翅を立てて細かく震わせながらオスが迫る。メスは求愛に応せず、飛び立ち逃げる。オスは意外に淡白で深追いはしない。 別のピークでは産卵する樹を探しながら飛ぶナミアゲハ♀を見る。 2頭のオスがテリを張っている。 ミヤマセセリは数を増している。 更に別のピークに上るが結局今日はギフは姿を見せず。 ルリシジミ、キチョウ、テング、ヒメアカタテハを見る。〔東播磨地方〕

3月21日(快晴) やや気温は低いが快晴の一日。 弁当持参で10時から雑木林を巡る。 10時、まだ気温は低く、わずかにモンキチョウを見るのみ。 11時、丘のピークに登るが何もいない。 11時半になってようやくテングが飛び始める。 12時、日当たりの良い雑木林南側斜面にルリシジミが多くなる。 丘のピークでテリを張るヒオドシを見る。翅はまったく破損していない堂々たる大型個体。 ミヤマセセリ初見、気温が上がるにつれ次々現れる。狭い範囲に4〜5頭いるようだ。 卍や追尾飛翔を繰り返す。時にはヒオドシとも追い駆けあう。ミヤマセセリ撮影中に目の前を横切ったのはナミアゲハ、もちろん初見。 ヒオドシ同様、ピークでテリを張り始める。こうなると3種が入り乱れて追尾をはじめ収拾がつかなくなる。 ギフ出現まであとわずか。 ルリタテハ、キタテハを見る。〔東播磨地方〕 

3月17日(晴れ) 天気は良いが風は冷たく、寒い一日。最高気温はどうにか10℃を越えたところか。 ここのところずっと寒く、冬に逆戻りの感あり。 2週間前、多くのチョウが舞っていた畑に向かう。 今日は気温が低いので1頭も飛んでいないのでは?と予想していたのに大外れ。 モンシロ、モンキ、ベニシジミ、キチョウが群れ飛んでいる。 アブラナやタンポポで蜜を吸うのはモンシロ。 ベニシジミがお気に入りの花はオオイヌノフグリ。 風は冷たいが陽射しに力強さが感じられる。 久しぶりに飛翔撮影を試みるがうまくいかない、というか勘が戻らない。 標高100mの丘の上に向かう。2週間前あれほど多かったテングが今日はまったく姿を見せない。 丘の上は強風が吹き荒れ、わずかにヒメアカタテハを見るのみ。〔東播磨地方〕

3月4日(晴れ) 暖かいというより初夏を思わせる暑い一日、たぶん20℃は越えたはず。午前9時半からフィールドに出る。まずは里山、雑木林の中を歩く。 テングチョウ多い。翅がまったく破損していない個体が多いが、中にはボロも混じっている。オス同士が出遭うと卍字になることもある。 丘の頂上では案の定、ヒオドシがテリを張っている。近くを飛ぶ別のオスやキタテハに反応し追いかける。キタテハを追ったときなど、見えなくなるほど高く舞い上がった。滑空しながら地上に舞い降りてくるシーンは壮観。 望遠マクロ、広角、超広角とじっくり時間をかけて撮影する。あまり近づきすぎると一旦飛び立つがすぐに戻ってくる。じっとして待っていると帽子や衣服にとまる事もたびたび。 別の小ピークに移動する。ここでもヒオドシが占有行動中。 ルリシジミ初見、高く速く飛ぶ。 雑木林を終了し民家の庭先の畑を回る。 モンキチョウ、モンシロチョウ、キチョウ、ベニシジミが多い。アブラナ、ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリ、タンポポ、ホトケノザ、ナズナ、ハコベなど白や黄色、青、紫の花々が咲き乱れ、多くのチョウが群れ飛ぶ姿は当に春本番!といったところ。 アラカシの周囲を飛ぶムラサキシジミを見る。 ナミアゲハは見かけず。 このまま順調に気温が推移すればナミアゲハ&ギフは1週間から10日ほどすれば飛び出しそう。 本日のトータル目撃数、テング約50頭、キチョウ約50頭、キタテハ約30頭、モンキチョウ約30頭、モンシロ約20頭、ベニシジミ約10頭、ヒオドシ5頭、ルリシジミ2頭、ヤマト(?)1頭、ムラサキシジミ3頭、ヒメアカタテハ(?)1頭。〔東播磨地方〕

2月25日(うす曇) 薄い雲が広がり肌寒い。 午前9時半、加古川の里山・ギフチョウ・ネットのメンバー3人で恒例のギフチョウ越冬蛹探しに向かう。訪問一箇所目、見事発見!地面と少し隙間が開いている石をそっと起すと、黒光りする蛹が付いていた。 探すコツは、昨年からのヒメカンアオイの葉が残っているところではまず見つからなくて、昨年5月初めにヒメカンアオイの葉が絨毯状に広がっていたのに、その後葉が食い尽くされ、今は一枚も残っていない場所を特定し、その場所の浮石を集中して起していくことである。石の下だけでなく朽木の下や中、落ち葉の中などでも蛹化しているはずだが、石の下以外で見つけることはまず不可能である。 訪問2箇所目は見つからず。〔東播磨地方〕

2月24日(晴れ) 午前中から夕方まで関係者が集まり、今シーズンの「兵庫ウスイロヒョウモンモドキを守る会」の活動のアウトラインを協議する。〔神戸市〕

2月12日(快晴) 2月中旬とは思えない暖かい一日。 所用をこなし正午過ぎからフィールドに出る。 開花したウメの花に越冬タテハやテングを探すが見つからない。 ミツバチもいないので当然と言えば当然か。 いつもの観察ポイントに移動する。 キチョウが活発に飛ぶのを見る。 畑を低く飛ぶ褐色のチョウはヒメアカタテハ。日光浴をしていたかと思えば、オオイヌノフグリやホトケノザで吸蜜を繰り返す。特にオオイヌノフグリがお気に入りの模様。翅は色あせ、両後翅とも破損しており、おそらく越冬中の個体であろう。 撮影のため近づくと最初は逃げ回ってばかりいたが、根気よく追いかけるうちにカメラのレンズを気にしなくなった。 場所を変えて、更にもう1頭ヒメアカタテハに出遭う。〔東播磨地方〕

2月11日(晴れ時々曇り、一時雨) 昨日とよく似た天気だが、気温はさほど上がらない。 友人からの依頼で西播磨へゼフ採卵に向かう。お目当てはウラジロミドリ。ナラガシワの下枝を丹念に見ていくと休眠芽の付け根に見つかる。風雨にさらされ、ゴミ・ホコリなどが付着しているためか、卵は色あせ、枝と同色になっている。枝の分岐箇所や樹皮のひだの中にも見つかるが、はたしてこれもウラジロなのか、はたまたヒロオビなのか判別が付かない。ここのところ老眼が進行しているため、動くときは眼鏡で、卵探しは裸眼で、確認のためにルーペで、と忙しい。体が冷えてきたため1時間で切り上げる。〔西播磨地方〕

2月10日(晴れ時々曇り、一時雨) やや風は強いが暖かい一日。 所用をこなし昼前からフィールドに出る。堤防の法面、芝生のなかのスイバの株にベニシジミ幼虫を見る。丸々と太った終齢幼虫。 背面と側面に赤色のラインのあるタイプと緑単色のタイプが見つかる。 いつもの観察ポイントに移動する。 これだけ暖かければ、モンシロ、モンキ、ベニ、ルリシジミが出ているかと密かに期待したがさすがにまだ早いようだ。〔東播磨地方〕

2月4日(晴れ) 早朝は冷え込んだが、陽が高くなるにつれ暖かくなる。 いつものポイントを訪ねるが、今日はチョウは見かけず。 畑のブロッコリーにモンシロ幼虫3頭を見る。動きは緩慢ながら丸々と太っていた。 梅が咲き始める。〔東播磨地方〕

1月27日(晴れ後曇り) 朝から晴れ間が広がる。早朝から所用をこなした後、気温が上がりきった正午過ぎ、いつものポイントに向かう。 三方を竹林で囲まれた畑の中、地面の枯れ草から突然黒い影が飛び立つ。何かと思ったら、越冬中のルリタテハ。気温はせいぜい10度くらいしかないがそれでも力強く羽ばたいている。しばらくすると同じところに戻ってきた。日光浴を始めたところを慎重に撮影する。やや小ぶりながら翅はまったく破損していない。横からの撮影を終え、後方に回り込もうと慎重に動いたつもりが失敗!アッと言う間に飛び去られてしまう。20分待ったが戻ってこず。 先週見つけた仮死状態のキチョウは完全に死んでいた。〔東播磨地方〕

1月21日(曇り) ここ数日の疲れが出たためか、朝から体がだるい。 薄曇りながら風弱く暖かい。 11時、いつものフィールドに向かう。畑の片隅、落葉の吹き溜まりにキチョウを見る。死んでいるのかようにまったく動かず転がっていた。注意して触れてみると体にまだ弾力があるが、脚はきっちり畳まれていなくて、ストローもやや伸びている。冬眠状態なのか、何かの原因で仮死状態なっているのか判らない。コセンダングサに移動させとりあえず撮影する。 モンシロ幼虫は数を減らしていて、中には寒さによる衰弱死個体も見られる。 モンキチョウは現れず。〔東播磨地方〕

1月20日(晴れ時々曇り) 岐阜市で開かれた、全国ギフチョウ・ヒメギフチョウ保全シンポジム(主催:日本チョウ類保全協会、後援:岐阜県・岐阜市・岐阜観光コンベンション協会)に参加する。 

1月13日(晴れ) 西よりの風が吹くが、暖かい一日。 いつもの斜面で羽化したばかりと思われる新鮮なモンキチョウ♂を見る。人の気配に敏感で近寄るとパッと飛び立つが、如何せん、寒さのためかすぐに舞い降りてくる。 チガヤの草地に降り、日向ぼっこを始めたところにそっと近寄り、近距離で撮影する。眼はエメラルド色、翅もまったく破損していない。ここ2〜3日のうちに羽化したといった感じか。それにしても今年は暖かい!このまま温暖化が進めば、当地で真っ先に周年発生するのはこの種であろう。 キチョウは見かけず。〔東播磨地方〕

1月3日(晴れ後薄曇り) 朝から穏やかな冬の晴れ間が広がる。気温が上がった正午からフィールドに出る。 今日はモンキチョウは現れず。 キチョウは2頭飛び出す。 ブロッコリーの葉にモンシロ幼虫を見る。終齢の丸々太った幼虫が活発に動き回っていた。蛹化は間近か? アラカシの垣根に越冬ムラサキシジミを探すが見つからず。〔東播磨地方〕

1月1日(晴れ後曇り) 元旦、朝から晴れ間が広がる。しかも風が弱く気温が上昇する気配あり。しかし午後から天気は下り坂とのこと。正午過ぎ、昨日に続き、成虫を探して田んぼの土手を歩く。期待通りモンキチョウ♂を確認。翅の縁はボロボロ、止まるときは地面にベタッと体を横たえる。こんなボロ個体でも結構敏感、不用意に近寄れば元気に飛び立つ。二度三度と撮影機会がやってくるが、草の葉の一部が被写体を隠し、思うように撮影できない。慎重に接近し、シャッターを押す瞬間に飛び去られ見失う。 ホウレン草に止まるキチョウを見る。〔東播磨地方〕


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