◆2015年フィールド日誌


12月30日(晴れ) 冬晴れで雲一つない一日。 正午過ぎからフィールドに出る。 南向きの土手をモンキチョウが活発に飛び回る。双方ボロ個体だが、求愛行動を見る。 ベニシジミの日光浴を見る。 4日前に見られたヤマトシジミ、ウラナミシジミは姿を見せず。〔東播磨〕

12月26日(晴れのち曇り) 日差しは安定しているが、西風の強い日。 気温が上がった正午前にフィールドに出る。 雑木林の縁、南向きの畑の土手を歩く。 まず現れたのはヤマトシジミ♂。この時期の個体にしては新鮮。強風のなか懸命に開翅していた。 セイヨウタンポポで吸蜜するモンキチョウを見る。 飛び立ったベニシジミは風に流され、彼方に消えた。 ソラマメの葉で開翅するウラナミシジミ♂を見る。 午後1時までの一時間で確認したのはこの4種のみ。〔東播磨〕

12月20日(晴れ)朝はこの冬一番の冷え込みだが、午前中は雲一つない好天の一日。 この時期の恒例行事“加古川の里山・ギフチョウ・ネット”の保全活動、ヒメヒカゲ生息地の整備を行う。 山火事延焼防止のために植えられたヤマモモの枝打ち、ヒサカキやイヌツゲ、ウバメガシなどの常緑樹を切り、取り除く。 今日の参加者は8名と少なかったが、天候にも恵まれ、思った以上に作業ははかどる。 作業途中にキタキチョウの活動を見る。〔東播磨〕

12月19日(晴れ時々曇り) 日差しは強いが、気温は上がらず、風強く、肌寒い日。 昼前からフィールドに出る。 南向きの畑の土手を歩くが、何も飛び出さない。 わずかにキタキチョウを2回見るのみ。アラカシからムラサキシジミが飛び出し、地表の草の葉で開翅する。 自宅前で踏みつぶされたヒメアカタテハを見る。〔東播磨〕

12月13日(曇り) 年末ならではの所用をこなす一日。 昼前後の1時間のみフィールドに出る。 陽が出ていないこともあるが、見かけるチョウの姿は少ない。 ベニシジミ、ウラナミシジミは翅の破損がはなはだしい。 モンキチョウ、モンシロチョウは曇り空でも元気に飛んでいる。 ツマグロヒョウモン♀♂とも新鮮な個体を見る。当地では本種は3月から12月まで見られる。 ヒメアカタテハ新鮮。セイヨウタンポポで盛んに吸蜜していた。〔東播磨〕

12月6日(曇り) この時期恒例の“加古川の里山・ギフチョウ・ネット”の野外活動、ギフチョウ発生地の里山整備作業を行う。 常緑樹であるソヨゴ、サカキ、ヒサカキの伐採と地表に茂るササを刈る。 気温は低いが作業が進むと汗だ出る。 一番緊張したのは立ち枯れ松の切り倒し作業。枯れているとはいえ、一抱えもある大木が倒れる際の衝撃はすごい!ワイワイガヤガヤと作業は進み、事故なく昼前に作業を終える。 雑木林の中ではチョウの活動は確認できず。〔東播磨〕

12月5日(晴れ) 冬型の気圧配置で肌寒く、風が強い。 気温が上がった昼前から近場を回る。 ベニシジミの数が多い。 ヤマトシジミ、ウラナミシジミ、ツマグロヒョウモンは数を減らしている。しかも新鮮な個体はほとんど見かけない。 チャバネセセリも見かけない。 セイヨウタンポポで吸蜜するヒメアカタテハを見る。 モンキチョウ、キタキチョウは元気に飛び回る。 所用のため早々に引き上げる。〔東播磨〕 

11月28日(晴れ) 昨晩深夜に出張から帰りいささか睡眠不足、やや疲れが残るが、朝からの好天に気もそぞろで、午前9時からフィールドに出る。 シロノセンダングサは結実が多くなってきたが、まだまだ新たに開花する株も多い。 気温10度に達しないなか日差しが強いためか、ウラナミシジミ、ヤマトシジミ、キタキチョウ、モンキチョウ、ツマグロヒョウモンが活発に吸蜜にやって来る。 ベニシジミ多い。 アラカシにムラサキシジミの日光浴を見る。 次第に気温が上昇するとヒメアカタテハの活動が盛ん、セイヨウタンポポでの吸蜜シーンを確認する。 キタテハも活発に飛び回っている。 越冬予定地(?)のササ株にガサガサ刺激を与えるとツマグロキチョウが飛び出す。翅表は鮮やかな黄色だが、翅裏は赤みがかった黄色褐色。枯れススキや枯れササに紛れるとまったく見つけられない。素晴らしい保護効果になっている。 午後2時から雲が厚くなり撤収。〔東播磨〕 

11月23日(薄曇り) 天気予報は外れ、朝から晴れ間が広がる。 所用をこなし昼前からフィールドに出る。 コセンダングサにツマグロヒョウモン♂♀、モンキチョウ♂♀、モンシロチョウ♂、ウラナミシジミ♂♀、キタキチョウ♂♀を見る。 セイヨウタンポポで吸蜜するのはヒメアカタテハ。今日見かけたヒメアカタテハはどの個体も新鮮だった。 ヨメナで吸蜜するイカリモンガを見る。 ホトケノザで延々と吸蜜していたのはチャバネセセリ。 今日もツマグロキチョウを見る。〔東播磨〕

11月22日(曇り時々晴れ) ヒサマツミドリシジミ調査のため友人の車で但馬へ向かう。 チョウの調査に加え、紅葉も期待したが、正直に言って今年の紅葉はイマイチ。聞くところによれば秋の気温の寒暖差が少なかったため、きれいに色付かなかったらしい。 渓谷にウラジロガシを求めて、細い道を上流へ進む。 このエリアでは休眠芽の付きが悪く、なかなか越冬卵が見つからない。どうやら“ウラ年”に当たっているようだ。 数か所目でやっと1卵確認する。 今日調査した渓谷では、水平か、見下ろす角度で枝先が確認できる箇所が多く、来年の撮影に期待が持てる。〔但馬〕

11月21日(曇り時々晴れ) 加西市南網引地区内ギフチョウ生息地の環境整備のお手伝いをさせていただく。 ヒサカキやソヨゴ、イヌツゲなどを切り払い、ササを刈り、ヒメカンアオイが育ちやすいように整備する。 参加者全員がエンジン式草刈機やチェーンソーを扱うことができる地元の方ばかりなので、作業は猛スピードで片付いていく。3時間後にはほれぼれするような成果となった。これで来シーズンも大いに期待できる。 引き続き、同じ地区内にある湿地の現地調査を行う。今まで気が付かなかったが、少し手を加えれればヒメヒカゲの生息に適した草地が確保できそうであった。 午後1時から撮影に切り替える。シロノセンダングサ(シロバナセンダングサではなく正式名称はこちらでした)の花はだいぶ少なくなってきた。それでもウラナミシジミ、キタキチョウは多い。 アラカシの葉の上で開翅するムラサキシジミを見る。 先日ツマグロキチョウを目撃したササ株を揺らすと、今日も飛び出してきた。たぶんここで越冬するのであろう。 ルリタテハ、ウラギンシジミ、モンキチョウ、モンシロチョウを見る。〔東播磨〕

11月15日(曇り時々晴れ) 午前9時、晴れ間が出たのを見計らって、3週間ぶりにフィールドに出る。 センダングサはどこも満開、キタキチョウ、モンキチョウ、モンシロチョウ、ウラナミシジミ、ツマグロヒョウモン、チャバネセセリが群れている。特にキタキチョウの数の多さは半端ではない。 それに時々キタテハが混じっている。 約一時間じっくり撮影する。 アラカシの枝先を舞うのはウラギンシジミとムラサキシジミ。 薄暗い藪から飛び出した黒いチョウ、よく見ればクロコノマであった。 畑の土手を低く飛ぶヒメアカタテハを見る。ヨモギへの産卵か。 明るいササの茂みにツマグロキチョウを見る。翅裏の白褐色は周囲に溶け込み、見事な保護効果を発揮している。聞くところによれば、兵庫県下では今年は大発生しているようである。 熟柿から汁を吸うキタテハを見る。 シルビアシジミは姿を消したもよう。〔東播磨〕

11月3日(晴れ) “兵庫ウスイロヒョウモンモドキを守る会”の秋の作業のため、本来ならハチ高原へ行かねばならない日だったが、ここのところのハードな移動で疲れが出たのか、朝起きられず、無断欠席させていただく。 朝から快晴の天気予報、でも午前8時まで霧の中。 霧が晴れた午前9時から近場を回る。 シロバナセンダングサの群落に多くのチョウが集まっている。 キタキチョウ、モンキチョウ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ、ウラナミシジミ、コチャバネセセリ、イチモンジセセリ、ツマグロヒョウモン、ヒメアカタテハなど多賑わい。 露が乾ききらず、逆光でキラキラ光る中、モンキチョウ&ヒメアカタテハを時間をかけて撮影する。 池の土手にシルビアシジミを見る。 セイヨウタンポポで吸蜜するアカタテハを見る。 熟柿の下にルリタテハが3頭集まっていた。 ウラギンスジヒョウモン、メスグロヒョウモン、アゲハ類は見かけず。〔東播磨〕

10月31日、11月1日(晴れ:10月31日、曇り時々晴れ:11月1日) 日本鱗翅学会 第62回大会(鳥取大会)に出席すべく、早朝より鳥取市に向かう。自宅からわずか140qしかないので、ゆっくり紅葉を見ながら運転の一般道を選択する。県境の戸倉峠は標高730m、期待通り紅葉の真っ盛りであった。 学会の方では、ヒサマツミドリ発見の地「久松山」のふもとの会場にて、友人のI氏が「ヒサマツミドリシジミの謎」と題して、詳細な生態を紹介する特別講演を行った。わずかではあるが小生も写真を提供し、発表内容に事前にコメントさせてもらっていることもあり、興味深く拝聴する。 その他“環日本海”、“シカの食害”に関わる講演が続いた。 個人的には1年振りにお逢いする方が多く、中には20年ぶりの方もおられた。夜の懇親会も大いに盛り上がり、“同好の士”の宴会の居心地の良さを改めて感じた次第である。 両日とも気温が低く、会場周囲ではチョウの姿は見かけず。〔鳥取市〕

10月25日(晴れ時々曇り) 早朝から但馬各地を回る。 寒気が入り、気温は低く、北風強く、初冬を感じさせる一日。 本日確認したのは、キタキチョウ、モンキチョウ、アカタテハ、ヒメアカタテハ、ルリタテハ、ツマグロヒョウモン、ベニシジミ。 午後から豊岡市日高町で開催された地元NPO法人主催の「山の動物と森のあり方を考える」シンポジウムに参加する。 主な要旨はズバリ“いかにシカを減らすか!”兵庫県、地元市町、地元猟友会、森林動物専門員、各環境団体のメンバーが集まり、シカ害の現状と対策の討論するのを興味深く拝聴する。〔但馬〕

10月24日(快晴) 早朝から秋の青空が広がる。 近郊のポイントを回る。 朝露の中、多くのシルビアシジミが陽を浴びて開翅している。メスの翅表のブルーの面積も大きくなっている。 アラカシの葉にとまりV字に開翅するのはウラギンシジミ♀。 明るい畑の土手にはモンシロチョウ、キタキチョウ、イチモンジセセリ、ベニシジミが静かに翅を広げている。 撮影地を移動する。 ツメレンゲの花期はもう終盤、クロツバメシジミは少ない。 モンシロチョウに混じり、白いチョウが山から下りて来る。飛び方からすぐイシガケチョウだと解る。必死に追い駆けたがとまることなく飛び去られた。 熟柿で汁を吸うのはテングチョウ、アカタテハ、ウラギンシジミ。 更に移動する。 アラカシにムラサキシジミの活動を見る。 インゲン豆の畑に多くのウラナミシジミが群れ飛んでいる。 新鮮からボロまで鮮度はさまざま。メスは産卵に忙しい。新芽には卵がベタベタ付いていた。〔播磨各地〕

10月18日(快晴) ウスイロヒョウモンモドキ生息地にシカ除け柵を設置するため、早朝から但馬ハチ高原に向かう。 シカの食害が原因と思われるが、今年のウスイロヒョウモンモドキは野外では一頭も確認できなかった。 一昨年たまたま我々のメンバーが母チョウを捕獲し飼育していたため、かろうじて絶滅を免れている状況にある。 かつて密度濃く発生していたエリアをネットで囲み、シカの侵入を防ぐ対策を行う。 豪雪地帯なので、単純なネットの張り方では冬を越せない。 ネットのメッシュの大きさ、張り方などメンバーが工夫を凝らしている。 来年これで成果が出るなら、もっと多数に設置するのが望ましいであろう。 作業が一段落したあと、ヒサマツ♀継続観察のため、ハチ高原を後にする。 正午過ぎに現地着。気温19℃、風弱く、快晴、絶好の産卵日和なのに、何と何と一頭も現れず!この生息地では10月半ばまでに産卵を完了していることが考えられる。いずれにしてもまた来年(ウラジロガシが芽を付けるのは隔年なので、正確には“再来年”)となった。〔但馬〕

10月17日(晴れ時々曇り) 早朝から但馬へ向かう。今日も秋のヒサマツ♀調査。林内の気温19℃、湿度80%、風弱く、まずまずのコンディション。 卵をひねり出す瞬間を狙って万全の撮影準備で臨むがお目当ては一向に現れず。次第に雲が湧きだし、晴れ間が続かなくなる。 3時間以上粘るが諦め車に戻る。 帰り間際、10m以上の高所、ウラジロガシの樹冠を舞う姿をヒサマツ♀を見る。鮮度確認のため撮影したところ、超ボロの大破個体であった。 ウラギンシジミ、テングチョウを見る。〔但馬〕

10月12日(晴れのち曇り) ゼフメス調査のため但馬行きを考えたが、寒気が入ったらしく天気予報は急変し、曇り&雨に・・・やむなく近場を回る。 池の土手にシルビアシジミが多い。しかしながらボロ個体ばかり。比較的きれいな個体を探し、じっくり時間をかけて撮影する。 畑に舞うウラギンスジヒョウモン♀を見る。 ベニシジミは新鮮個体が多い。 ツメレンゲの開花が始まるが、クロツバメシジミは個体数が少ない。しかも見かけるのはスレ・ボロばかり。早々に本種の撮影を切り上げる。 民家の庭先で実を付けた熟柿に多くの虫が集まっている。圧倒的にハエやハチが多いが、テングチョウも結構いるようだ。 スズメバチがいる柿に慎重に飛来するアカタテハを見る。 ミゾソバの群落で蜜を吸うオオウラギンスジヒョウモン♀を見る。 畑を優雅飛ぶ白い大きめのチョウ、飛翔撮影で確認すればその正体はウスバツバメ(蛾)、西洋の妖精のように写っていた。 各地でメスグロヒョウモン♀を見る。〔播磨各地〕 

10月11日(曇りのち晴れ) 午前中は溜まった所用をこなし、青空が見え始めた午後からフィールドに出る。 近場のマイフィールドを巡回する。 但馬でゼフメスばかり追っていたこの3週間で、東播磨の季節は大いに進行していた。 ヒヨドリバナで吸蜜するメスグロヒョウモン♀を見る。 サワヒヨドリに来ていたキタテハは新鮮。 咲き始めたセイタカアワダチソウでもメスグロヒョウモン♀を見る。 各地でツマグロヒョウモンが多いが、メスグロヒョウモン♂、ウラギンスジヒョウモン♂♀、ミドリヒョウモンは一度も見かけず。 本日、数多く見かけたキタキチョウ、そのなかに2頭、ツマグロキチョウが混じっていた。 その他見かけたのは、テングチョウ、ウラギンシジミ、ヤマトシジミ、ツバメシジミ、ベニシジミ、ヒメウラナミジャノメ、ヒメジャノメ、ヒカゲチョウ、アサマイチモンジ、ルリタテハ、モンキチョウ、モンシロチョウ、アゲハチョウ、ナガサキアゲハ、イチモンジセセリ、チャバネセセリ、2時間半で確認したのは合計21種。

10月10日(曇り) 天気予報を信じて、早朝から但馬へ向かうが、外れ!一向に晴れ間は広がらない。 ウラジロガシのそばでヒサマツミドリ♀の飛来を待つが、気温17℃ではやって来ない。 正午前ようやく気温が18.5℃まで上がり、薄日が差すと、ほどなくやって来る。それほど翅は破損していない。飛来→V字開翅→潜り込み休眠芽の回りをグルグル→葉に移動しV字開翅→飛翔移動→V字開翅・・・のいつものパターンを繰り返す。 本日のシャッターチャンスはわずかに2回。 午後1時、いよいよ雲が厚くなり撤収する。〔但馬〕

10月3日、4日(3日:晴れ時々曇り、4日:曇り時々晴れ、一時雨) 2日連続で秋のゼフ♀調査のため但馬へ。 3日は天気が良いものの風が強く、思ったほど気温が上がらず。 4日は次々と雲に覆われ、晴れ間はわずかしか続かない。おまけに小雨も降る始末。 二日とも木陰での最高気温は19.5℃、湿度は50〜60%。陽の当たったウラジロガシの葉の表面温度は22℃。 気温が上がらないためかヒサマツ♀の飛来回数は少ない(*観察記録の詳細は別途報告予定)。 テングチョウ、ウラギンシジミの活動を見る。 ウラジロガシの樹冠を舞うアオスジアゲハを見る。〔但馬〕

9月27日(晴れ時々曇り) 23日の水曜日に同じく、ゼフメス生態調査のため早朝から但馬へ。 現地到着10時、すぐウラジロガシの樹冠にヒサマツミドリシジミ♀が舞うのを見る。 それほど破損が見られない個体から超ボロ個体まで鮮度は実にさまざま、破損程度にこれほど差が出るのは興味深いところ。 陽光を浴びてV字に翅を開いたり、茂みに潜り込んだと思えば、腹部を曲げ休眠芽に押し付け産卵行動を繰り返す。 但し今日も実際に産卵したのかは確認できず。 本日、たった一度だけ眼前2mに飛来する。ここぞとばかり集中的に撮影する。 撤収間際に目撃した個体はウラジロガシではなくアカガシに執着していた。〔但馬〕

9月23日(晴れ) 秋のゼフメスの調査のため、早朝から但馬へ向かう。 事前調査で目星を付けていたウラジロガシに到着。ほどなくヒサマツミドリシジミ♀が飛来する。すぐさま葉にとまり、陽光の中、V字に開翅する。開翅時間は1〜2分、その後飛び立ち、葉の窪みに潜り込む。 葉のすき間から、特定の休眠芽に執着し、腹を曲げながら産卵行動を繰り返しているのを確認する。ただし実際に産卵したかどうかは確認できず。 更に別個体が飛来し、モミジの葉にとまり、こちらもV字開翅を見せてくれる。 この樹で活動しているのは2〜3個体か?10時25分から12時30分まで約10分間隔で活動を目撃する。10時20分の気温:26度、12時45分の気温:28.5度(湿度64%)であった。 ヒサマツミドリを撮影中、アサギマダラ♂、モンキアゲハを見る。 ピークでテリを張っていたのはキアゲハとヒオドシチョウ。〔但馬〕

9月22日(晴れ) 但馬・ハチ高原で絶滅が危惧されるウスロヒョウモンモドキの保全活動の一環、オミナエシの苗の植え付けに参加する。 植え付ける場所の尾根まで苗を運び上げるが、所用のため作業はここまで、11時に撤収する。〔但馬〕

9月21日(晴れ時々曇り) 今日は近場のマイポイントを回る。 雑木林公園の中でキマダラセセリ交尾ペアを見る。両方とも新鮮。 例年、本種には年に数回しか遭遇しないが、今年はやたらと多い。 池の土手はハギとオミナエシが満開。オミナエシの花で吸蜜するウラギンスジヒョウモン♀を見る。やや色落ちているが、目立った翅の破損はない。吸蜜中にスズメバチの攻撃を受け、大慌てで飛び立った。 ソバ畑でメスグロヒョウモン♀を見る。残念ながら翅は何か所も破損している。通る車に反応し、必ず飛び立つため、その瞬間を狙う。 ニラの花株には今日も多くのチョウが集まっている。本日初お目見えは秋型のキタテハ。 先週に変わらず、メスグロヒョウモン♂、ツマグロヒョウモン♂、♀、モンシロチョウ、ベニシジミ、イチモンジセセリ、アサマイチモンジが来ていた。 ヒガンバナで吸蜜するミヤマカラスアゲハ♀を見る。加古川市内での夏型♀は初確認。 モンキアゲハもヒガンバナで蜜を吸っていた。 池の土手に生えるヤナギの周囲に多くのコムラサキが舞っている。ざっと数えて、オス5頭。時にはテリを張り、時には追尾している。 メスは静かに葉にとまっていた。 植栽のアベリアで吸蜜するアゲハチョウを時間をかけて撮影する。〔東播磨〕

9月20日(晴れ時々曇り) この時期のライフワーク、秋のゼフメスの生態調査のため但馬を回る。 ウラジロガシの休眠芽はすでに大きく成長している。 数年前、エゾミドリのメスがテリ(?)を張っていたポイントを訪ねるが今日は何もいない。 高原のカシワ林にハヤシミドリの産卵行動を見る。日差しが十数分継続するとメスが樹冠を飛ぶ。日当たりの良い葉で日光浴すること数分、その後、葉の付け根に潜り込み、小枝の周囲を回りながら産卵しているようだ。腹を折り曲げていることは確認できたが、産卵したかどうかは確認できず。 ジャノメチョウ♀が地上5mにカシワの樹冠を飛ぶ。初めて見る光景である。 カシワ林での撮影はたった一時間だったが、ズボンのすそにはマダニがいっぱい!この時期でもマダニ要注意である。〔但馬〕

9月19日(晴れ時々曇り) 昨晩遅く4日間の出張から帰り、まだ疲労感が残るが、北播磨最深部の渓谷に向かう。 イタドリの花で吸蜜するサカハチチョウを見る。現在、兵庫県下で狙って本種を見られるポイントは、ここを含め3箇所しか知らない。 渓谷を滑空するヒョウモンはミドリヒョウモンか? コミスジ、ウラギンシジミを見る。 マンジュシャゲは満開だが、移動中を含めクロ系アゲハの吸蜜には一度も出遭わず。 クロツバメシジミも数が少ない。発生の端境期かもしれないが、ツメレンゲの花穂の数も少ない。〔播磨各地〕

9月13日(曇りのち晴れ) 「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」の活動のひとつ、この時期恒例のヒメカンアオイ自生地の下草刈りを行う。今日は多くの人が集まり、ワイワイガヤガヤと作業を始めるが、30分も動くと汗が滴り落ちる。 これだけ人がいると一気に片付いていく。作業は11時で終了。 昨日に続きソバ畑で撮影する。 今日のターゲットはアゲハチョウとキアゲハ、吸蜜シーンを狙う。その他吸蜜していたのはツマグロヒョウモン、イチモンジチョウ、モンキチョウ、アカタテハなど。 池の土手の草地で新鮮なツバメシジミ♂を見る。 ニラの花株ではメスグロヒョウモン♂が次々吸蜜にやってくる。 吸蜜中にちょっかいを掛けたのはウラギンスジヒョウモン♂。 畑に植えられたヒャクニチソウにアゲハチョウ、キアゲハ、ツマグロヒョウモンが群れている。〔東播磨〕

9月12日(晴れ時々曇り、一時雨) 朝から近場を回る。 朝9時、草木はまだ夜露に濡れている。 林縁にヒメウラナミジャノメ多い。この時期のメスの翅表は美しい。 池の土手で夏眠明けのウラギンスジヒョウモン♂を見る。ヌスビトハギ、イタドリ、サワヒヨドリの各花で蜜を吸う。なかでもサワヒヨドリの花に執着し、ずっと離れなかった。 各地で夏眠明けのメスグロヒョウモンを見る。但し、今日見かけたのはオスばかり。 ニラの花に多くのチョウが集まっている。ベニシジミ、イチモンジセセり、コチャバネセセリ、キマダラセセリ、モンシロチョウ、アサマイチモンジ、メスグロヒョウモン、ツマグロヒョウモンなど。 柿の木の下のニラの花株では6頭ものメスグロヒョウモン♂が集まっていた。 郊外の満開のソバ畑でも多くのチョウが集まっている。 新鮮なアオスジアゲハの吸蜜を時間をかけて撮影する。 同じソバ畑でミドリヒョウモンを見る。ここ東播磨では、6月に出遭ったことはなく、この時期になるとどこからともなくやってくる。 ツバメシジミ、シルビアシジミ、アゲハチョウ、キアゲハ、ナガサキアゲハを見る。〔東播磨〕

9月6日(雨のち曇り) 朝から強い雨が降る。 悪天候ながらウスイロヒョウモンモドキ保全打合せのため、但馬ハチ高原へ車を走らせる。 8月30日の神戸新聞朝刊の一面にウスイロヒョウモンモドキ絶滅の危機が報じられ、同日午後、Yahooのトップニュースでも扱われたことから、本件に関わる問い合わせがあちこちからあった。 シカ柵の設置、オミナエシの植栽、下草刈りなど、限られた予算、限られた人的資源で対応できそうなことを打ち合わせる。 聞くところによれば、数日前の天気の良い日にハチ高原を散策したメンバー曰く、目撃したのは、キタキチョウ、ウラギンヒョウモン、ヒメキマダラヒカゲの3種、計5頭を確認したのみであった。チョウの種類・数とも数年前に比べ激減しているとのことであった。〔但馬〕神戸新聞の記事↓
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201508/0008349666.shtml

8月29日(晴れのち曇り) 午前9時から近場を回る。 放置畑のカタバミの群落にヤマトシジミが多い。鮮度はさまざま。求愛、吸蜜といろいろな生態を見せてくれる。 畑のヒャクニチソウにキアゲハが3頭、アゲハチョウが1頭、多くのセセリ、ホウジャクが集まっている。 咲き始めたニラにもセセリが多い。そのなかにキマダラセセリを確認する。当地では数が少なく、出遭うのは年に一度か二度くらい。 コチャバネセセリは新鮮、イチモンジセセリ、チャバネセセリはスレ個体が多い。モンシロチョウもニラの花で吸蜜している。 ヒメウラナミジャノメ新鮮。特にメスは前翅の眼状紋の周囲がオレンジ色に彩られ、思わずハッとする美しさだ。地面近くにばかりとまり、なかなか気に入った写真を撮らせてくれない。 炎天下を緩やかに飛ぶのはナガサキアゲハ。 民家の庭先、お茶にするため植えられたカワラケツメイの大群落にツマグロキチョウ多い。交尾確認。ざっとカウントすれば約20頭くらいが入れ替わり立ち代わり活動しているようだ。 正午過ぎ撤収する。〔東播磨〕 

8月22日(晴れ時々曇り)、23日(晴れ) 夏休みの終盤、この時期の恒例行事、兵庫県青少年科学の集い・東播磨会場へ「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」から出展する。小生が担当したのは、展示した標本からチョウとガを当てさせる企画。これがなかなか難しい。正解率80%オーバーの割合は参加者の5人に1人くらいか。参加者からは「エッー、これがチョウ!」または「これがガ!」との声が響く。子供ではなく引率している親の方が夢中になってることも多い。 イカリモンガ、ギンイチモンジセセリ、トラガ、ヒカゲチョウ、サツマニシキ、キバネセセリ、ニシキオオツバメ、ミヤマセセリなどがランダムに並べているので、これを当てるのは、素人には相当に難しい。2日間立ちっぱなし、足が棒になる。〔加古川市〕

8月15日(晴れ) 避暑を兼ね西播磨の高標高地へ。 今日はやや湿度が低いせいか、木陰に入ると吹く風が心地よい。 “樹液食堂”の前10mに椅子を出し、持参した仕事をこなす。 時々頭を上げ“食堂”の来客をチェックする。 間を置かずオオムラサキ♀が飛来する。真っ白なスギタニ型。 天敵のオオスズメバチはいなくて、小型のスズメバチ(キイロスズメバチ?)1頭のみ、さぞゆっくりと吸汁するものと思っていたが、突然頭部を何者かにくわえられたらしく、幹の表面でバタつき、這う這うの体で飛び去る。のちに撮影した一連の画像を確認したところ、ムシヒキアブが暗躍していたもよう。 続いてやってきたのは通常型のメス。こちらも10数分後、同じ現象を残し飛び去った。 結局この場所で4時間観察する。次々とオオムラサキが飛来するが、ここまで時間をかけると個体識別できるようになる。 本日飛来した個体はメスは3頭、オス1頭であった。 オオムラサキ以外に“食堂”にやってきたのはコムラサキ、ジャノメチョウ、サトキマダラヒカゲ、二ホンタマムシ、ノコギリクワガタ、アオカナブン、多数のハエ、アブであった。 午後3時、木陰であっても吹き抜ける風は暑くなり、撤収を余儀なくされる。〔西播磨〕

8月14日(曇り時々晴れ) この夏休み初めて但馬へ向かう。 高標高地でゼフィルス♀を探す。 探索すること1時間で3頭を確認する。そのうち1頭撮影成功!アイノミドリシジミ♀であった。 ヒメキマダラヒカゲは比較的新鮮、ここ数年シカの食害「で激減しているが、今日は2頭目撃した。 オオウラギンスジヒョウモン♀、ルリタテハ、テングチョウ、スジグロシロチョウ、ゴイシシジミ、ツマグロヒョウモンの活動を見る。 標高を下げる。 カシワ林にハヤシミドリシジミを見るが、例年に比べ数は少ない。葉の裏にとまるボッロボロの個体を撮影する(自宅に戻りパソコンのモニターで確認したところ何とオスであった)。 更に標高を下げる。 渓谷沿いの水場でアオスジアゲハを見る。じっくり時間をかけて撮影する。 満開のクサギに吸蜜にやってきたのはミヤマカラスアゲハ♂2頭。陽光の当たる角度か、今日撮影した個体は真っ青であった。 ミヤマカラスを撮影中にすぐ横を飛ぶオオムラサキ♀を見る。残念ながらシャッターチャンスなし。〔但馬〕

8月11日(晴れ) 朝から昼過ぎまで雑用をこなし、午後2時からフィールドに出る。それにしても暑い! 近場を回る。 雑木林と畑が接する小道にチョウが多い。 アサマイチモンジ、テングチョウ、ヒメウラナミジャノメ、サトキマダラヒカゲ、ツマグロヒョウモンなど普通種ばかりだが暑い中でも活発に活動している。 薄暗い竹藪のなかを飛ぶナガサキアゲハ♀を見る。ほとんど羽ばたかず、実に軽やかに、滑るように飛ぶ。残念がら破損していたが、前翅まで白い個体であった。 アレチハナガサで吸蜜するのはアゲハチョウ、キアゲハ。 クサギで吸蜜するクロアゲハ♂を見る。 ヤブカラシで吸蜜するのはアオスジアゲハ。 今日出遭った個体はいずれも普通種だが、とにかく“蝶影が濃い”のである。但馬や西播磨に比べると一時間に出遭うチョウの絶対数は5倍から10倍くらいかもしれない。原因はシカの食害を受けているか、いないかの違いだろう。〔東播磨〕

8月10日(晴れ時々曇り、午後にわか雨) ここのところ兵庫県中央部では午後必ず夕立がやってくる。 昨日に続き西播磨奥の渓谷を歩く。 さすがに涼しいが、まとわりつくアブとブヨに閉口する。 蝶影は薄い。原因は言わずと知れたシカの食害!イワヒメワラビの独特の悪臭もたまったものではない。 半日影の水溜りにカラスアゲハ2頭の吸水を見る。残念ながら両方ともボロ。 薄暗い林道で吸水していたのはクロアゲハ♂。 お目当てのミヤマカラスアゲハは少ない。 奥地でようやく5頭の集団吸水に出遭う。撮影中にすぐ傍を通ったクルマに驚き、飛び去りなかなか戻ってこなかった。 しびれを切らし撮影地を移動する。 林道の水場でようやく新鮮なミヤマカラスアゲハに出遭う。辛抱強く“人慣れ”させてから撮影に移行する。 吸い取った水分を腹部先端から出し、盛んにポンピングを行う。強制的に飛び立たせてもすぐ戻ってくる。この1頭だけで一時間撮影を楽しまさせてくれた。 午後1時、降り出した雨のため撤収する。〔西播磨〕

8月9日(晴れ時々曇り、午後雷雨) 西播磨の最深部、標高500m〜1000mの高標高地を回る。 山の湧き水が流れる林道にカラスアゲハ、クロアゲハの吸水を見る。同じ場所で吸水していたのはスミナガシ、極めて新鮮。よく見れば、車に轢かれたサワガニの汁を吸っていた。車が通るたびに驚いて飛び去るが、10分もしないうちに舞い戻ってくる。よほど執着しているのであろう。たっぷり1時間かけて撮影する。 本日の撮影目的はヤマキマダラヒカゲだが、どこにもいない。それ以前にチョウの姿が少ない。地表の草の生え具合を見れば、猛烈なシカの食害を受けているのは明らか。 標高1000mの高原で元気に活動するオオウラギンスジヒョウモン♂を見る。この標高なら夏眠しないのかもしれない。 公園内でサトキマダラヒカゲ、クロヒカゲ、クロコノマチョウを見る。 午後2時、空は一気に掻き曇り、しばらくすると猛烈な雷雨、早々に撤収する。〔北播磨、西播磨〕

8月2日(晴れ) 気分転換のため、未明から岡山北部へ向かう。 森に接した草地、夜明けとともにオオヒカゲが活動を始める。残念ながらスレ・ボロばかり。日頃見慣れない種なので撮影に力が入る。結構敏感で近寄るに苦労する。 日が昇り、気温が上昇するとミヤマチャバネセセリの活動が活発になる。テリ張、吸蜜、開翅とさまざまなシーンを見る。 キタキチョウに混じり少ないながらツマグロキチョウが飛ぶ。 クロヒカゲ、ホソバセセリ、ダイミョウセセリ、コミスジ、イチモンジチョウ、クロシジミなど草原の蝶影は濃い。 熱中症を避けるため午前9時撤収。〔岡山北部〕

8月1日(晴れ) 猛暑が続いているが家にいても仕方がないのでフィールドに出る。 雑木林の中のナラガシワ樹液食堂にサトキマダラヒカゲが多い。同種の交尾ペアを見る。ジャノメチョウも吸汁していた。 キマダラモドキは見かけず。 木陰の路上の水溜りで吸水していたのはカラスアゲハ、ウラギンシジミ、キタキチョウの各オス。 別の樹液食堂に向かう。ここでも集まっているのはサトキマダラヒカゲとジャノメチョウの2種のみ。 樹液食堂を見通せる位置に椅子を出し、弁当を食っていると何やら怪しい影が・・・。お目当てのオオムラサキの登場である。この時期にしては新鮮なオス。開翅する瞬間を狙ってシャッターを押す。このオオムラサキ、人の気配を感じたのか結局、食堂には立ち寄らなかった。 小ピークに多くのキアゲハが集まりテリを張っていた。その数は10頭以上。〔西播磨〕 

7月26日(晴れ) 朝4時起きで鈴鹿へ向かう。 お目当てはこの時期この場所なら当然キリシマミドリシジミ。 ピッカピカを期待していたのにまったくいない!森の中を歩き、渓谷に張り出したアカガシの樹冠に目を凝らし、何度も何度も探索したがまったくいない!毎年来ているわけではないが、これほど“不作”の年はたぶん初めてである。 車でポイントを移動する。 ようやく樹冠を舞い、アカガシにとまる銀色のシジミを確認。撮影してみればウラギンシジミであった。 待つこと1時間、ようやくキリシマ♂の探雌飛翔をみるが、撮影チャンスはなし。今日の目撃はこれだけであった。 ボロのクロシジミ♂を見る。〔三重県鈴鹿〕

7月19日(曇り時々雨) 一気に梅雨明けするかと思えばさにあらず、引き続き曇天が続く。 しびれを切らし午後から近場を回る。 ヒメヒカゲ生息地の草原にジャノメチョウ♀を見る。比較的新鮮な個体を探し、ひたすら追い回し撮影する。1時間追い回して分かったのは、着地するのは必ず草の中や草地の窪みであること。これではシャッターチャンスは容易にやってこない。 撮影地を変える。 薄暗い藪の笹にとまるナガサキアゲハ♀を見る。 アサマイチモンジやアオスジアゲハは活発に飛び回る。 “樹液食堂”に来ていたのは新鮮なサトキマダラヒカゲ。 ヒメジオンで吸蜜するヒメウラナミジャノメ、まっ黒ベニシジミを時間をかけて撮影する。 ウラギンシジミ♀を見る。前翅表の白紋は小さく、後翅表の白紋は消失していた。 コマツナギの花穂に産卵するツバメシジミ♀を見る。〔東播磨〕

7月18日(曇りのち晴れ) 台風一過、あちこちの河川ではまだ水量は多いが天気は徐々に回復する。 溜まった所用をこなし、昼前からフィールドに出る。 栽培されたカワラケツメイに発生しているツマグロキチョウの情報を入手、早速撮影に向かう。数坪の畑に植えられたカワラケツメイ、その上を数頭のツマグロキチョウが飛ぶ。産卵も確認。すでに気温が上がっているため容易に止まらない。日を改めてじっくり撮影することとする。 西播磨の公園にゴマダラチョウ多い。 草地に新鮮なジャノメチョウ♀を見る。〔東播磨、西播磨〕

7月12日(晴れのち曇り) 高原の朝は早く、午前4時から鳥や虫の声が響く。 ジョウザンミドリ、アイノミドリの活動を見る。残念ながらどちらも大破個体が多い。この時期ならまあ仕方がないところ。 新鮮なヒメキマダラセセリ♂を見る。 午前10時観察会スタート、事前説明に続き、皆でフィールドを歩く。例年に比べ今年の参加者は多い。 残念ながらお目当てのウスイロヒョウモドキは今日は姿を見せず。今日のような 風が強く、雲が厚い条件の中では難しいところ。当地でも近年激減しているため、正直心配ではある・・・。 ウラギンヒョウモン、ミドリヒョウモン、オオウラギンスジヒョウモンは元気に飛び回っているが、例年に比べ見かける数は少ない。 ギンイチモンジセセリ、ミヤマチャバネセセリも姿を見せず。〔但馬〕

7月11日(曇り時々晴れ、夕方雨) 早朝から但馬を回る。 高標高地の木立の中でジョウザンミドリのテリ張を見る。地形の関係か目線以下の高さにとまることも多い。 ジョウザンミドリを撮影中に新鮮なサカハチチョウ夏型が登場、すぐさま撮影対象を切り替えたが飛び去られてしまい撮影は失敗。 オニグルミの大木を叩く。オナガシジミらしいシルエットを確認するが下に降りて来ず。 森の中でスジボソヤマキチョウを見る。兵庫県内では実に7年ぶりの確認!本種は近年激減している。狙って出遭えるのは兵庫県内ではたぶんここだけだろう。 アザミで吸蜜するホソバセセリ、コキマダラセセリを見る。 キマダラセセリは今シーズン初見。 ヒメジオンで吸蜜するのは夏型トラフシジミとベニシジミ。 明日はこの時期恒例のハチ高原・夏のチョウ観察会、事前準備をかけて現地に宿泊する。〔但馬〕

7月5日(晴れ時々曇り) 天気予報は曇りだが、WEBで確認した衛星画像、天気図、梅雨前線の位置から今日の但馬は晴れると確信し、早朝から但馬へ向かう。 予想通り晴れていた。 高標高地では午前9時頃からジョウザンミドリ、アイノミドリの♂が飛び始める。試しに望遠レンズで見てみれば、大半が破損個体であった。 今日の目的はヒサマツミドリ。正午過ぎ、強烈な日差しの中、ようやく姿を見せてくれる。残念ながらスレ、破損個体ばかり。なかには尾状突起はおろか後翅が大きく欠けている個体も混じる。 ハヤシミドリのような探雌飛翔を確認する。午後4時、ガスの発生とともに撤収する。〔但馬〕

7月4日(曇りのち夕方から雨) やや遅めで但馬へ向かう。 天気が安定せず晴れ間は長続きしない。 高原のカシワ林でハヤシミドリ♀の開翅を見る。他の山地性ゼフに同じく、本種も例年に比べ数が少ない。 カシワ林キマダラルリツバメ♂はすでに大破している。 新鮮なキマ♂発見と一瞬喜んだが、トフラシジミ夏型であった。〔但馬〕

6月28日(雨) 天気予報は外れ、但馬の高標高地は朝からガスがかかり、絶え間なく雨が続く。 試しに叩いてみると、たまーに、アイノミドリ♀、ジョウザンミドリ♀が落ちて来る。 このままではらちが明かないので、一気に高度を下げる。それでも雨が続く。 カシワ林にハヤシミドリ、ウラミスジを見る。 裏技を使ってウラミスジの開翅を撮影する。 雨に嫌気が差し、播磨へ戻る。 今日もハンノキ林にミドリシジミの活動を見る。各個体とも鮮度は落ちてきているが、今が発生のピーク、乱舞を堪能する。〔但馬、東播磨〕

6月27日(曇り) 早朝から西播磨へ向かう。 クリの残り花にトラフシジミ夏型が多い。なかに1頭、お目当てのウラキンシジミが混じっていたが、ボッロボロのオス。撮影意欲が湧かず。アカシジミも多いが当然こちらもボロ。 今日は、とにかく風が強く撮影に適さず早々に撤収する。 ハンノキが生える湿地でミドリシジミの活動時間まで待つ。 午後4時半、ようやく飛び始める。午後5時半に活動のピークを迎える。卍飛翔撮影のため、ひたすらシャッターを押すがスカ写真の山を築く。〔西播磨、東播磨〕

6月20日(曇り時々小雨、時々晴れ) 寒気が入り不安定な天気の一日。 早朝から但馬へ向かう。 下から見ると標高800m以上は雲の中、下界は高曇り。一気に高度を上げてみるが、予想通りガスに包まれている。 高原のカシワ林ではわずかながらハヤシミドリ♂が出始めている。 シカの旺盛な食欲から免れたササの茂みにゴイシシジミを見る。オス、メスとも確認するがすでにスレ個体であった。 草原にウラギンスジヒョウモンが多い。すべてオス。 ヒメキマダラヒカゲを見る。本種はシカの食害のため近年激減している。それにしてもシカの食害のすさまじさには目を覆うばかり。シカの嫌う植物を残し、シカの口が届く範囲はきれいさっぱり食い尽くされている。それが昨年より一段と悪化しているのだ。暗澹たる気分になる。 山村の水路で吸蜜するのはミヤマカラスアゲハの夏型オス2頭。曇り空の下では真っ青に見える。 マンサクがまばらに生える尾根道にウラクロシジミを見る。薄日が差すとすかさずV字に翅を開く。〔但馬〕

6月14日(晴れ)早朝から但馬に向かう。 フジミドリ♂は大半がスレ&欠け個体。一週間前は未確認だったのに、アッと言う間にスレてしまう。野外で本種の完品個体を撮影するのは極めて難しい。メスもスレが混じっているが、新鮮個体も多い。 ジョウザンミドリは新鮮、少ないながら卍飛翔を見せる。 ジョウザンミドリに続き、アイノミドリも卍飛翔を始める。 フジミドリ撮影中にヒサマツミドリが飛来する。但し長くとどまることなく、一瞬にして飛び去る。 ウラクロシジミの飛翔を見る。 大きな渓谷でテリを張るメスアカミドリを見る。残念ながらすでにスレていた。 ミスジチョウ、イチモンジチョウ、ヒオドシチョウを見る。〔但馬〕

6月7日(晴れ) 昨日と違い、今日は早朝から但馬に向かう。 お目当てのフジミドリは姿を見せず。 アザミの花で吸蜜する新鮮なカラスアゲハ♂を見る。 ナラガシワの”樹液食堂”に集まっていたのはゴマダラチョウ4頭、コムラサキ1頭、ヒカゲチョウ1頭、それと多数のサトキマダラヒカゲ。スズメバチのスキを窺いながら、たくましく吸蜜していた。 撮影中、同じ樹の表面に産卵管の長さが20cm以上あろうかと思われるウマノオバチの一種を見る。 暗い林にはクロヒカゲが多い。 草原にミドリヒョウモン、ウラギンヒョウモンを見る。 今日もナラガシワ林にヒロオビミドリ、ウスイロオナガを確認する。 粘りに粘って両種とも開翅シーンの撮影に成功する。 撮影地を変える。 キマダラルリツバメ♂のテリ張を見る。観察中にメスが飛来し、めでたく交尾が成立した。 今日のオスは翅表のブルーも小さく、あまり撮影意欲が湧かず。〔但馬、東播磨〕

6月6日(曇り時々晴れ) 早朝から西播磨へ向かう。 ナラガシワ三兄弟こと、ヒロオビミドリ、ウラジロミドリ、ウスイロオナガともすべての発生を確認する。 ウスイロオナガ以外の2種は出始めらしく、出遭った個体はすべて新鮮。 アカシジミ、ウラナミアカシジミを見る。特にウラナミアカは兵庫県では当たり年らしく、どこでも見かける。 テングチョウ、ヒオドシチョウとも新鮮個体が多い。 栗林のなかを活発に飛ぶオオチャバネセセリを見る。 撮影地を移動する。 池のほとりに咲くヤナギの枝先にコムラサキがテリを張ってい。 ミドリシジミは出始めらしいが早くも卍飛翔を見せてくれた。〔西播磨、東播磨〕 

5月31日(晴れ時々曇り) 蒸し暑い一日。朝から近郊の低山を歩く。 雑木林の中の薄暗いところではヒカゲチョウが多い。 小ピークでテリを張るのはアゲハチョウ、キアゲハ、ツマグロヒョウモン。 雑木林の中でアカシジミ、ウラナミアカシジミ、ミズイロオナガシジミを見る。 明るい草地に咲くアザミにはモンキチョウ、キタキチョウ、ウラギンスジヒョウモンが吸蜜に来ていた。 林の中で見た新鮮なヒョウモンはメスグロヒョウモン♂か?イチモンジセセリ、チャバネセセリ初見。 各地でヒオドシチョウ、ホシミスジ、テングチョウを見る。〔東播磨〕

5月30日(晴れのち曇り) 朝から晴れるが蒸し暑い。 今日は遅めの出撃。 雑木林の縁にウラナミアカシジミ、アカシジミが多い。じっくり探すと、あちこちにとまっている。いずれも新鮮。 樹冠を猛スピードで飛ぶ白い影はイシガケチョウ。10分に一度の割合で現れるが、ほとんどとまることはない。2度とまったが数秒で飛び去った。撮影失敗。 撮影地を変える。 オオミドリシジミ♀の羽化不全個体を見る。〔東播磨、西播磨〕

5月24日(晴れ) 天気予報は外れ、朝から晴れる。 近郊の雑木林&ピークを歩く。 予想通り、尾根筋の岩場には羽化後まもない新鮮なヒオドシチョウがテリを張っている。 ピークでテリを張るのはモンキアゲハ。 畑に張り出したコナラの枝に産卵するアカシジミを見る。産卵行為自体にはそれほど時間はかからないが、その後の卵のカムフラージュに相当の手間と時間をかけている。卵の表面に付ける細かな繊維は、腹部の先端を上手に使って、新葉の根元からはぎ取り、自分の体液と混ぜ合わせ卵に擦り付けている。今回初めてじっくり観察でき、正直感動した。 今日もウラゴマダラシジミが活発に活動する。 新しいテングチョウ多い。 各地でアサマイチモンジ、ホシミスジを見る。〔東播磨〕

5月23日(曇り) 加古川市主催のイベント“チョウの観察会”のお手伝いを仰せつかる。 久しぶりに網を持って、20組の親子たちと公園を歩く。 はじめのうちは気温が上がらず、チョウは登場しなかったが、次第に見かけるチョウの種類が増える。 子供たちはネットに入れて大喜び!歓声がはじける。 ホシミスジやコムラサキ、ツマグロヒョウモンなど合計16種を確認する。 イベントは午前で終了、午後からは撮影に集中する。 イボタの森では多くのウラゴマダラシジミ♀が葉にとまっている。 午後2時頃から次第に活動を始める。オスも飛び始めるが、オスはどれもこれもスレ個体ばかり。 羽化後間もない新鮮なテングチョウが多い。 エノキの樹冠舞うのはゴマダラチョウ。 イボタの花で吸蜜するキタテハ、アサマイチモンジ、クロアゲハを見る。 ヒカゲチョウ、アカシジミ初見。 センダンの葉にとまるアカタテハを見る。〔東播磨〕

5月17日(晴れ) 昨日とは打って変わって朝から晴れ。 大急ぎで北播磨へ向かう。 先週のツツジは散り、黒系のアゲハはどこに集まるのだろうか?民家のそばの草地に焚火の跡、ここにアオスジアゲハが集まっている。合計4頭の吸汁を見る。時間をかけて撮影しているとピカピカのミヤマカラスアゲハ♂が登場、アオスジに同じく灰から吸汁を始める。 時々通る車の通過に反応し、飛び立つ瞬間を狙う。粘りに粘って1時間半、さすがに疲れた。 道路脇のアザミに新鮮なダイミョウセセリを見る。 ヒメキマダラセセリ新鮮。 イチモンジチョウを見る。兵庫県内で出遭うのは数年振り。〔北播磨〕

5月16日(雨のち曇り) 朝から雨、溜まりに溜まった所要をこなし、雨が止んだ午後2時からフィールドに出る。 ヒメヒカゲ生息地で蛹を探すが見つからず。ウラナミジャノメの蛹も同様に見つからず。 撮影地を移動する。 アキニレの小木に多くのサトキマダラヒカゲが集まっている。詳しく見れば、オオスズメバチが盛んに発酵樹液を吸っていた。樹液の染みだし箇所は複数あり、ゴマダラチョウ、コムラサキもやって来ていた。 みかんの花が満開、クロアゲハ、モンキアゲハ、ナガサキアゲハが多数集まっている。 アサマイチモンジ多い。〔東播磨〕

5月10日(晴れ) “加古川の里山・ギフチョウ・ネット”定期活動のひとつ、早朝からギフチョウ幼虫調査に参加する。 幼虫の大半は2令、ヒメカンアオイの葉の裏で仲良く整列している。しかしなかには孵化後の殻は残っているものの、幼虫の姿が見つからない場合も多い。 雑木林の中でイボタガを複数回見る。 ギフチョウ調査は午前で終了、その後北播磨に向かう。 民家の庭先のツツジに黒系アゲハが多い。カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハ、クロアゲハ、オナガアゲハ、モンキアゲハ、ジャコウアゲハが次々やってくる。 咲き始めたウツギにサカハチチョウの吸蜜を見る。 黒系アゲハの撮影を堪能した後、南下する。 お寺の裏山にコジャノメが多い。時間をかけて撮影する。〔東播磨、北播磨〕

5月6日(晴れ時々曇り) 昨日に続き、今日も朝から西に向かう。 友人からの情報をもとにまずはウスバシロポイントへ。 明るい段々畑に多くの個体が舞う。 草刈に来られていた地元の方に伺うと、“最近このチョウは減った。数年前までたくさんいたのに・・・”とのことであった。 こちらの思う構図に入ってくれず、結局今日は満足できる写真は撮れず。 昨日に続き、ミツバウツギが咲く渓谷へ向かう。 今日もアオバセセリが吸蜜にやってくる。 ミヤマカラスアゲハはめったに来ないが、一度だけ10分間吸蜜を続ける。 サカハチチョウ、アカタテハ、アオスジアゲハ、オナガアゲハ、スジグロシロチョウ、ツマキチョウの吸蜜を見る。 更にウスバシロチョウも吸蜜していた。〔西播磨〕

5月5日(快晴) 早朝から西播磨に向かう。 渓谷沿いのミツバウツギは満開。しばらく待っているといろいろなチョウがやってくる。 常にいるのはヤマトスジグロシロチョウとスジグロシロチョウ。大きさが一回り半違うので同定は容易。 アオスジアゲハもせわしなく花を移動し吸蜜する。 サカハチチョウは吸蜜しているのか、花にとまって休んでいるのか良く分からない。 ミヤマカラスアゲハはメスしかやってこない。どのポジションを取っても逆光となり、しかも花に垂れ下ってとまるため、翅表をうまく撮せない。 今日のお目当てのアオバセセリ、期待通り登場してくれた。兵庫県内で撮影するのは実に4年ぶり、撮影は大成功!今シーズン一番の出来であった。 ツマキチョウの吸蜜時間は短く、カメラを構える間もない。 カラムシの新芽に産卵するアカタテハを見る。 撮影地を移動する。 植栽のツツジが咲く小ピーク公園、クロアゲハ♂がパトロールしている。 更に高所の樹冠では複数のアオスジアゲハが追尾行動に忙しい。 更に移動する。 雑木林の縁、植栽のツツジで吸蜜するのはモンキアゲハ♀。時間をかけて撮影する。 梅の果樹園ではコミスジが多い。飛翔シーンを狙って撮影する。 ナガサキアゲハ多い。 ジャコウアゲハはオスもメスも大破している。〔西播磨、東播磨〕

5月2日(晴れ) 今日から5連休、朝から空は快晴。 北播磨の渓谷を歩く。 満開のミツバウツギで蜜を吸うルリタテハを見る。 他の種がいないか注意深く探せば、ミヤマセセリ、サカハチチョウが見つかった。 今日のお目当てのアオバセセリがいないかと多くの株を見て回るが、見つからず。兵庫県内で一番最近に見たのが2011年。ここ数年何らかな事情で大きく数を減らしているようだ。 民家の庭先のツツジにミヤマカラスアゲハ♀を見る。その他の場所でもポツポツ出遭うが、今日は一度もシャッターチャンスなし。 アサマイチモンジ、アオスジアゲハ初見。〔北播磨、西播磨〕

4月29日(曇り) この時期恒例の“加古川の里山・ギフチョウ・ネット”の活動、朝からメンバーが集まりギフチョウの産卵調査を行う。 ここ10年では一番産卵数が多い気がするが、これが来年の成虫の数の多さにつながるかは全く分からない。あまりに卵の数が多いと終令幼虫の時期に食草不足が生じ、幼虫の餓死が多発するからである。調査は午前中で終了。 ヤマトスジグロシロチョウの再撮影に向かう。前回の撮影時に比べ翅の破損が進行しているようだ。交尾拒否のポーズを取るメスに強引に交尾を迫るオスを見る。この強引さはかつて北海道で観察したエゾシロチョウの求愛を思わせる。〔東播磨、北播磨〕

4月26日(晴れ) 早朝から近場を回る。 田んぼの畔に咲くセイヨウタンポポで吸蜜するミヤマセセリ♂を見る。 雑木林公園の中、遊歩道にコツバメ♀を見る。 小ピークでテリを張っていたのはミヤマセセリ、キアゲハ、それと多数のクマバチ。 雑木林の縁にある神社の敷地内、満開のミヤマキリシマにジャコウアゲハ♂、クロアゲハ、ナミアゲハが集まっている。クロアゲハにメスが混じっているため、オスが執ように追いかける。 隣接する畑の縁にウマノスズクサがあり、ジャコウアゲハ♀が飛び交っている。 更に各地を回る。 コミスジ、ツマグロヒョウモン♂♀、サトキマダラヒカゲ初見。 シルビアシジミ♀は大擦れ大破個体。〔東播磨〕

4月25日(晴れ) 朝から但馬各地を回る。 行くところ行くところ林床は掃除をしたように綺麗。5年ほど前、1時間歩けば数十頭出遭えたギフチョウ、しかし今日は唯の1頭も見かけない。改めてシカの食害のすさまじさを実感する。 コツバメも少ない。 スギタニルリシジミはそこそこいるようだが、地表近くでの活動時間が終了しているためか見かける数は少ない。 カラムシの新芽に産卵するアカタテハ♀、ツマキチョウ、テングチョウを見るが、とにかく絶対数が少ない。総数で言えば10年前の十分の一程度か。 暗澹たる気分で南下する。 渓流沿いの明るいのり面に咲くモミジイチゴの花にヤマトスジグロシロチョウが多い。近縁種のスジグロシロチョウに比べると 一回り以上小さい。 セイヨウタンポポで吸蜜するツマキチョウ♂を時間を時間をかけて撮影する。 車で移動中に見かけた黒系アゲハはジジャコウアゲハか?〔但馬各地〕

4月19日(曇り時々雨、一時晴れ) 前日の夕刻、神戸空港から北海道へ。狙いはエゾヒメギフチョウ。夜の天気予報では、明日は雨とのこと、まあ、なるようにしかならないと腹を括る。 朝5時起床、幸運にも晴れ間が見える。大急ぎでレンタカーを借りてポイントに向かう。途中、雨は降ったり止んだりと天気は安定しない。 現地着午前8時。明るい林床にはエゾエンゴサクとカタクリがいっぱい!当に紫色の絨毯である。 しかし気温は低く、5℃しかない。これでは北のヒメ様は飛ばない。 いろいろな花や突然現れたキタキツネやエゾリス、アカゲラなどを撮影して時間をつぶす。基本的に曇り空、一時間に5分程度の晴れ間がやってくるのみ。 辛抱強く何時間も待つ。 午後2時、晴れる時間が長くなり、気温は一気に9℃まで上がる。すると突然、エゾヒメギフが飛び出し、カタクリの花で吸蜜を始める。気温が低いためか活動は緩慢で弱弱しい。逆にいえばシャッターチャンスが多いと言うこと。じっくり時間をかけて撮影する。 午後3時、雲が広がり出しやむなく撤収。〔北海道〕

4月18日(晴れ) 朝から快晴。 先週に続きギフチョウ観察会の日。 ヒルトップのギフチョウ♂は破損個体が多いがそれでも元気に飛び回っている。 キアゲハ、ナミアゲハも混じり山頂は大賑わい。 ミヤマセセリ♀の産卵を見る。産卵したのはコナラの幼木の新芽。腹を曲げ、新芽と新芽の隙間に一卵づつ丁寧に産み付けている。 コツバメ♂の占有行動を見る。活動終了時間は午前10時半、活動末期に路上から吸水していた。 観察地を移動する。ヒメカンアオイ自生地にギフチョウ♀が集まり出している。今日は時間的に早いため産卵行動は確認できず。 ヒメカンアオイの葉の裏に産み付けられている卵を食べるダニを見る。正確には“食べる”のではなく、中身を“吸う”。撮影成功。 サルトリイバラの新芽を求めて低く飛ぶルリタテハ♀を見る。 森からバタバタと飛び出してきたのはクロコノマチョウ。大破個体であった。 団体行動は午前で終了し、午後から単独で行動する。 雑木林のヘリにツマキチョウ多い。メスの産卵が始まっている。 アラカシの樹冠から舞い降りた白いチョウはイシガケチョウであった。ひとところに留まる時間は短く、撮影は失敗。 トラフシジミ♀の開翅を見る。翅表の藍色はオスに比べ、更に深い色をしていた。 ヒメウラナミジャノメ初見。〔東播磨〕

4月12日(晴れのち曇り) 朝から晴れ間が広がるがやや肌寒い。 今日は加西市南網引地区のギフチョウ観察会に参加する。 地元の皆さんとともに小ピークを目指す。 20分で到着したピークではギフチョウが集まっていた。多くの皆さんがカメラ持参だったため、ギフチョウ大撮影会となる。 今日も観察会は午前で終了、引き続きギフチョウ生息地を回る。 コツバメ、トラフシジミ初見。ルリタテハ、アカタテハ、キタテハを見る。 ルリシジミ多い。 ツバメシジミを見る。〔東播磨〕

4月11日(曇りのち晴れ) この時期恒例のギフチョウ観察会の日。 あいにく天気の回復が遅れ、ようやく太陽が顔を出したのは午前11時過ぎ。 しかし陽が差すや否や、クスの大木から次々とギフチョウが舞い降りて来る。 地表近くでテリを張り、近づく別の個体を激しく追う。これを見て、参加した子供たちは大喜び!子供だけでなく引率の親御さんも大喜びであった。 行事としての観察会は午前中で終了し、更にギフチョウの撮影に向かう。 直線的な山道にギフチョウが舞っている。交尾ペアも3〜4つはいただろうか。 地表近くをパトロールするオスを300o望遠で抑えようとするが、被写界深度が浅いため極めて難しく、スカ写真の山を築く。 午後3時ころから樹冠を素早く飛ぶようになる。こちらの撮影も、遠く、速く、背景が明るいため難しい。 ミヤマセセリを見るがコツバメは見かけず。〔東播磨〕

4月4日(晴れのち曇り) 午前中は仕事、更に所要をこなした後、大急ぎでフィールドに出る。 幸いにもまだ陽が出ている。 ヒメカンアオイ自生地では期待通りギフチョウが飛んでいる。イボタの茂みの陽が当たらないところで交尾ペアを見る。しばらくすると、メスを求めて巡回パトロール中のオスがまとわりつきなかなか離れない。 春の日の暖かい日差しの中、優雅に飛ぶギフチョウを堪能する。 観察中に地元自治会からパトロールに来られた方に挨拶、聞けば毎日見回っておられるとのことであった。 薄雲がかかり出したのを契機に撮影地を移動する。 日が陰ったなかでも、ギフチョウはヤマザクラやソヨゴの樹冠を活発に飛んでいる。 越冬明けアカタテハ、ルリタテハを見る。〔東播磨〕

3月29日(雨のち曇り) 雨の中、午前9時から加西市内で開催された“カタクリの花の群生地と周遍寺を訪ねるウォーキング”に参加する。あいにくの天気にもかかわらず、200人近くの参加者があった。 事前の説明のよれば、昨年のこの時期、心ない山野草愛好家により、100株ものカタクリが盗掘されたとのこと。これを契機に一気に保全活動が広がり、カタクリ単独ではなく、今では地域として保全活動を展開しているとのことであった。当然、保全の対象にはギフチョウも含まれている。参加されていた加西市長からの挨拶にも、保全に対する熱意が感じられた。*何度も述べますが、加西市南網引他九つの地区では植物・昆虫の採集は一切できません。違反者に対しては厳格に対処するとのこと。網引湿地、糠塚山(小野市西脇町側も含む)、周遍寺一帯、すべてギフチョウは採集禁止です。一部エリアは立ち入りさえ禁止されています。〔東播磨〕

3月28日(晴れ) 朝から晴れ間が広がる暖かい日。 朝9時からフィールドに出る。 雑木林の遊歩道にテングチョウが多い。 卍になる瞬間を狙うが、動きがあまりにも速いため撮影は失敗。 小ピークでは先週に続き、アゲハチョウがテリを張り、パトロールしている。 ルリタテハ、ルリシジミを見る。〔東播磨〕 午後から神戸市内にて、今年のウスイロヒョウモンモドキの保全活動に関する各事項を話し合う。

3月22日(晴れ) 昨日に続き春らしい暖かい日。 昨日のピークに腰を落ち着け、今日はじっくり時間をかけて撮影する。 ヒオドシチョウ、ルリシジミとも多い。ヒオドシは小さなピークに最多で6頭ほどが集まっている。追尾飛翔は最多で4頭を目撃。 山の上部を定期的にパトロールするのはアゲハチョウ。山頂付近だけにこだわらず、もう少し広いエリアを巡回しているようだ。 ミヤマセセリを見るがシャッターチャンスなし。〔東播磨〕

3月21日(晴れ) 朝から晴れ間が広がり気温も上昇、春本番を思わせる一日。 朝9時半、小野市内のギフチョウ生息地に集合する。地元自治会の要請を受け、ギフチョウ採集禁止の看板を設置する。作業には地元自治会、地元小学校の生徒、先生他合計20名が集まる。神戸新聞社の取材を受け、皆意気揚々と生息地を巡る。 特に参加の小学生たちは自ら看板を取り付けて、ギフチョウへの理解が深まったようである。4月には必ず来て、ギフチョウの実物を見たいとの意見が多かった。*今年から小野アルプス全域でギフチョウの採集はご遠慮願っています。加西市南網引も同様です。加古川市内は言うに及ばずです。ギフチョウを小学生の課外授業に取り扱っている学校もあります。心無い採集で子供たちをがっかりさせないようよく考えていただきたい!特に年配の方々の節度ある行動を願ってやみません。なにとぞ、東播磨全域での採集自粛にご理解とご協力をお願いします。 越冬明けのテングチョウ、ヒオドシチョウ、ルリタテハ、キタキチョウを見る。特にテング、ヒオドシは数が多い。 ルリシジミ初見、本日多くの個体を見かけたことから相当前に出現していたものと思われる。 ミヤマセセリ初見、シハイスミレでの吸蜜を見る。 アゲハチョウ(ナミアゲハ)初見、ピークでテリを張っていた。 モンシロチョウ初見。〔東播磨〕

3月8日(晴れ時々曇り) 昨晩の酒が残るが、好天に誘われフィールドに出る。 満開のウメにテングチョウの吸蜜を見る。なかなか春らしい光景である。 各地でキタテハを見る。 ベニシジミを探すが見つからず。 モンキチョウ、モンシロチョウも姿を見せず。〔東播磨〕

3月7日(雨) 加古川のギフチョウ保護活動20周年記念シンポジウム「里山にギフチョウが舞う」を行う。 どれだけ集まっていただけるか心配だったが、会場は満席、立ち見も出る盛況であった。どの講演内容も素晴らしく、シンポジウム終了後、多くの方からお褒めの言葉をいただいた。講演していただいた方々、参加していただいた方々、いろいろ協力していただいた方々へ主催者を代表してお礼を申し上げたい。〔東播磨〕

3月1日(雨) 朝から夜までずっと雨。 “加古川のギフチョウ保護活動20周年記念シンポジウム”開催を来週土曜日(3月7日)にひかえ、もろもろの最終確認を行う。 *まだ若干の空席がありますのでお申し込みください。〔東播磨〕

2月28日(晴れ) この時期らしい暖かい一日。 小野市某所からの要請により、ギフチョウ採集禁止に向けて、「きすみの見晴らしの森」公園から白雲谷温泉「ユピカ」までの小野アルプス東地域一帯の現地調査を行う。 テングチョウくらい飛び出すかの思ったが何も姿を見せず。 調査終了後、ウラゴマダラシジミが発生するイボタの森に向かう。すでにイボタの芽吹きは始まっており、卵も孵化済み。 開けた穴から這い出している初令幼虫を見る。〔東播磨〕

2月23日(曇りのち晴れ、午後再び曇り) 日差しは少ないが春のように暖かい日。 本日は全社休業日。晴れ間が広がった午前11時からフィールドに出る。これだけ暖かいと何か出てくるはずと期待に胸が膨らむ。 まず現れたのはキタテハ。止まる時間は短く、畑の土手を敏捷に飛び回っていた。 ついに現れたモンキチョウ!体を倒し日光浴をしていたかと思えば、今度はオオイヌノフグリで吸蜜する。 次にあらわれたのは越冬明けのツマグロキチョウ。昨年秋、越冬前の成虫を確認したところに同じ。さすがに同一個体かどうかは不明。枯れススキの葉にとまると色が見事に同化し、どこにとまったか見つけるのがたいへん。 正午を過ぎると一気に雲が厚くなったためやむなく撤収する。 3月7日のギフチョウ保全シンポジウムのチラシを市や県の施設に置かせていただくべく各所を回り交渉する。全箇所、快く引き受けていただく。〔東播磨〕

2月21日(晴れ) 先週の日曜日同様、今日も暖かい。 先週に同じく小野市来住町「きすみの見晴らしの森」公園内のギフチョウ採集禁止に向けた調査を行う。 調査終了後、コナラの樹冠を飛ぶヒオドシチョウを見る。 南向きの畑の土手に越冬明け(越冬中?)のキタテハを見る。素早い飛翔でカメラを構える間もなく飛び去る。〔東播磨〕

2月15日(曇り) 比較的暖かい一日。 小野市来住町との打ち合わせにより、「きすみの見晴らしの森」公園内のギフチョウ採集禁止に向けての現地調査を行う。近年、年配者を中心にした“鬼採り”が横行する状況を考えると止むを得ない処置のように感ずる。 どこにおいてもチョウ愛好者として節度ある行動を望んでやまない。 この気温であれば、もしやルリシジミが現れるか?と期待したが姿は見られず。〔東播磨〕

2月8日(曇り) どんより曇った寒い一日。 加古川のギフチョウの保全活動が始まり今年で20年。 節目の年を迎えシンポジウムを計画している(*オープニング画面の右下参照ください)。 シンポジウムまでちょうど一か月、今日もメンバーが集まり、いろいろな事項の調整、確認を行う。〔東播磨〕

2月1日(晴れ時々曇り) 昨日ほどではないが今日も寒い。 ヒメカンアオイ自生地でギフチョウ蛹を探すが見つからない。 探すこと30分、昨シーズンの羽化直前と思われる時期に死亡した蛹をやっと見つける。 石の下なら見つけられる可能性もわずかにあるが、落ち葉や朽ち木の中ならまず発見不可能なことを改めて感じる。〔東播磨〕

1月31日(晴れ時々曇り、一時雪) 晴れと思えば雪が降る肌寒い一日。 加古川市の北隣、加西市南部にある網引湿原の保全のために設立された「あびき湿原保存会」の勉強会に参加する。 この湿原には、植物ではトキソウ、サギソウ、昆虫ではハッチョウトンボ、ヒメタイコウチ、ヒメヒカゲなど、いずれも絶滅が危惧される動植物が生息している。 当然のことながら無届の採集(採取)は一切出来ず、違反すれば厳しく罰せられる。 地元の皆さんの保全への熱い思いに触れることが出来て大変有意義であった。 網引湿原だけでなく、糠塚山や周編寺周辺でも幅広く保全地域が設定され、この域内ではギフチョウ、ウラギンスジヒョウモンなど一切の採集が禁止されている。更に糠塚山に関すれば、加西市南網引地区だけでなく、東側の小野市西脇地区も同様の保護区設定(=ギフチョウ採集禁止)が進んでいると区長から伺う。〔東播磨〕

1月24日(晴れ) 朝から晴れ間が広がる暖かい一日。 雑木林のヘリを歩くがチョウの姿は見ず。 先週と同じく、趣味で設置されているミツバチの巣箱を見ると、陽気に誘われたのか、ミツバチが活発に巣箱を出はいりしている。中には脚に大きな花粉団子を付けて戻ってくる個体も確認。〔東播磨〕

1月18日(晴れ) 風弱く冬晴れの一日。 雑木林に面した南向きの畑を歩く。 スイバの株にベニシジミの幼虫を探すが見つからず。 ビワの残り花で花粉を集めるミツバチを見る。 農薬をまったく使っていないと思われるキャベツ畑は虫食いの葉っぱだらけ。丹念に探すと、寒さで死亡している幼虫に混じって、まだ生きている幼虫が見つかる。少ないながら当地では幼虫で越冬している可能性あり。 葉の裏に蛹を見る。〔東播磨〕

1月11日(晴れ) 冬晴れの一日。 先日、撮影失敗したミドリシジミの卵撮影に向かう。 風が強く卵が付いている枝も揺れる。 昨年末に新規に導入した150-600レンズを使用し鳥類を撮影する。撮影対象としての未知の分野ではあるが、奥が深そうではまりそう・・・。〔東播磨〕

1月3日(晴れ時々曇り) 冬型の気圧配置が続く肌寒い一日。ただし風は収まる。 今年初でフールドを歩く。 カメラ&レンズの性能確認目的でウラゴマダラシジミ越冬卵を撮影する。 引き続きミドリシジミ越冬卵の撮影を試みるが雲が厚くなったため明らかに光量不足、日を改めての撮影とする。 スイバの株にベニシジミ幼虫を探すが見つからず。〔東播磨〕


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