◆2023年フィールド日誌


12月29日(曇り時々晴れ) 先日の寒さが嘘のように暖かい日。正午の気温は13℃。10時半過ぎから近場を回る。南向きの温かい畑の土手にベニシジミ、モンキチョウを見る。陽光が差している間は活動するが、ひとたび曇ると活動を停止する。ベニシジミを撮影中にムラサキシジミ♂が飛来し翅を開くが、翅縁は破損していた。正午撤収。〔東播磨〕

12月23日(晴れ) 瀬戸内式気候特有の冬晴れの一日。暑い八重山とは大違いの寒さ!正午でも気温は5℃だが、東面、西面+北面が林で遮られ、南にのみ開けた畑の土手は思った以上に暖かい。モンキチョウが活発に活動している。オス、メス合わせて3~4頭くらいか。冬でも花をつけているセイヨウタンポポやホトケノザで盛んに蜜を吸う。ベニシジミ、ヤマトシジミを注意して探したが姿を見せず。頭上ではコウノトリが3頭舞っていた。〔東播磨〕

12月11日(曇りのち晴れ) 遠征最終日。これまであまり良い写真が撮れていないウラナミシロチョウを探す。友人の予想通り、街中の公共施設の駐車場に生えるハブソウで産卵するウラナミシロチョウ♀を見る。更に同一場所でミナミキチョウも産卵していた。今日もヒマワリヒヨドリの群落にチョウが群れている。集まっている種は毎日同じだが、雲が出ていたり、やや気温が低い時間帯は各種マダラや大型セセリが多く、日中の炎天下では、各種シロチョウやアオスジアゲハ、小型セセリが多いようだ。毎度の遠征ではよく見かけるミカドアゲハは、今回は一度も見かけず。聞くところによれば、成虫発生の端境期に当たり、次の発生まであと二週間とのこと。ヤエヤマカラスアゲハ新鮮、昨日と同じ個体かどうかは不明。新鮮なタイワンシロチョウ♂を見る。本種のオスの吸蜜時間は短く、一カ所あたり通常1秒程度だが、今日の個体は、余程おなかが空いていたのか、数秒続くことが多かったためじっくり撮影できた。ナミエシロチョウ、ウスキシロチョウ、ネッタイアカセセリ、クロボシセセリ、チャバネセセリの吸蜜を見る。ヤエヤマムラサキ♀新鮮、四翅とも青く輝く瞬間を狙うがなかなかタイミングが合わずチャンスはやって来ない。それにしても思わず息をのむ美しさだ!今日もマルバネルリマダラを追うツマムラサキマダラ♂を見る。ルリモンジャノメの飛翔を狙うが今日も“大成功”とは程遠い写真しか撮れず。今回の遠征で一度も見かけなかったのは、先述のミカドアゲハの他、ジャコウアゲハ、マサキウラナミジャノメ、ヤエヤマウラナミジャノメ、オオシロモンセセリ、イワカワシジミ、スミナガシなど。一度しか見なかったのはタテハモドキ、アオタテハモドキなど。午後3時、すべての撮影を終了し帰途に就く。次回の遠征は来年3月を予定。〔石垣島〕

12月10日(曇り時々小雨) 昨日、一昨日とは打って変わって曇天、時々小雨の一日。終日、石垣島の各地を巡る。原生林(?)を伐採されたあとの明るい植林地に多くのマダラが集まっている。ここで多いのは、ツマムラサキマダラ、リュウキュウアサギマダラ、スジグロカバマダラ、ヒメアサギマダラの順か。時々、マルバネルリマダラが混じっている。マルバネルリの翅表の撮影について、一旦飛び立ち、別の葉に移ったあと、翅の開閉は3回、そのあとは閉止状態となる。翅表を撮影するには3回しかない翅を開くタイミングに併せる必要がある。友人が数日前に見かけたウスコモンマダラは姿を見せず。タイワンキチョウ、ルリウラナミシジミ多い。タテハモドキ、リュウキュウヒメジャノメ、テリ張り中のヤエヤマムラサキ♂を見る。ルリモンジャノメの飛翔中の翅表の撮影を試みるが、光量不足、被写体の不規則な動きなど条件が悪く、例によってスカ写真の山を築く。何とか見るに耐えられるカットですら、撮影成功確率は1%以下、100枚写しても1枚もない。衣類はセンダングサの種まみれ、斜面で足元悪くぬかるみ、ストレスの溜まる撮影となる。暗い林道を飛ぶクロテンシロチョウを見るが、まったく停らない。撮影地を移動する。明るいサンダンカの生垣で蜜を吸うツマベニチョウ♂を見る。一つの花での吸蜜時間は1秒以下、せわしなく一瞬で次の花へ移動する。場所を変える。一昨日訪ねたヒマワリヒヨドリの群落に多くのマダラを見る。飛んでいるマダラの種は他の場所と大きな違いはないが、ここではオオゴマダラがやや多いようだ。マルバネルリマダラを追うツマムラサキマダラを見る。誤求愛かどうかは不明。移動する。明るい神社の林にルリモンジャノメが群れ飛んでいる。ここなら飛翔を写せそうだと判断し、広角レンズ+置きピンの組み合わせで狙うが、ここでもスカ写真ばかり!運もなく、たまたま綺麗に写ったとしてもフレーム枠外で半分しか写っていない。ここで数百回シャッターを切ったが、何とただの1枚も満足できる写真なし。本種に対する飛翔撮影のコツが掴めず、イライラが募るばかり。虫除けジェルを塗っていても蚊の猛攻撃を受け、手や顔は刺されっぱなし!見晴らしの良いピークに移動する。空は依然として曇天、ここでもルリモンジャノメの飛翔撮影を試みるが失敗!イヤになってくる。ヤツデに似た花(後日フカノキと判明)に多くのチョウが集まっている。ヤエヤマイチモンジが6~7頭、イシガケチョウ3~4頭、アオスジアゲハ1頭といったところ。ヒマワリヒヨドリ群落に戻る。タイワンアオバセセリの吸蜜を見る。オキナワビロウドセセリも現れるがスレ個体。テツイロビロウドセセリは一昨日と同一のボロ個体。ネッタイアカセセリは比較的新鮮。クロアゲハ、ベニモンアゲハとも大破個体ばかりだが、ヤエヤマカラスアゲハは♂♀と超新鮮。ここでもルリモンジャノメが多い。ヨツバヒヨドリの花で蜜を吸ったり、ランタナの実からにじみ出る汁(?)を吸ったりと思いもよらぬところでストローを伸ばしている。八重山全域での爆発的な増加と言い、本種の生態に関しては驚くことばかり!更に暗くなり、午後5時撤収。〔石垣島〕

12月9日(晴れ) 朝一番の船で石垣島から波照間島に向かう。波照間島は常時一般人が居住する我が国最南端の島、人口は500人弱、信号無し、南十字星が綺麗に見える(らしい)島である。狙うはメスアカムラサキ一本!朝の天気予報では終日曇りだったが、来てみたらカンカン照り。レンタカーを借り、友人が見つけたポイントに向かう。車を降りた瞬間に迎えてくれたのは新鮮なリュウキュウムラサキ♂、時間をかけて撮影する。畑の区画を明らかにするために残したと思われる帯状の茂みと、その前に続くセンダングサに多くのマダラが集まっている。一番数が多いのがスジグロカバマダラ、続いて、リュウキュウアサギマダラ、ツマムラサキマダラ、ヒメアサギマダラ、アサギマダラとなる。「メスアカムラサキのオスもメスもいるよ!」との友人の声に大急ぎで移動するが、残念!吸蜜から求愛に移り、空高く舞い上がり、彼方に消えた。丹念に見て行けばセンダングサで蜜を吸うオスがポツポツと見つかる。ただし人の気配に敏感で3mくらいまで近寄れば、すぐ飛び立ち少し離れて舞い降りる。この状況が繰り返され、ストレスが溜まるシチュエーションとなる。何度も繰り返すうちに何となく近寄れるコツが分かり、チョウも人慣れしてきたのか、吸蜜、飛翔と撮影できるようになる。時間をおいて二度、メスが現れたが、メスはオス以上に人の気配に敏感で、結局納得できる撮影は出来ず。それにしてもメスは実によくスジグロカバマダラに似ている。お見事としか言いようがないほどだ。10m程度離れて蜜を吸っている姿から、どちらの種かは分からない。飛び立てばタテハと分かるが・・・。更に当地のスジグロカバマダラは石垣島産に比べ、翅の黒筋が細いらしく、益々遠目からの同定を困難にしている。オスのメス探しも同様らしく、吸蜜中のスジグロカバマダラを見つけると、すぐ近くを旋回し、同種かどうかを丹念に目視で確認しているのが良く分かる。島内の農道の交差点でもオスがテリを張っているのを、車窓から3~4箇所確認する。イヌビユが自生しているのを確認、ハマヤマトシジミがいないか探すが、いたのはホリイコシジミとヒメシルビアシジミのみ。メスアカムラサキ幼虫の食草であるスベリヒユも見つからない。丹念に探して1株、2株見るのみ。聞くところによれば、農家が畑の周辺にまく除草剤に弱く、スベリヒユは簡単に駆除されてしまうとのこと。メスアカムラサキの発生個体数はその年にまかれる除草剤の量に影響を受けているのかもしれない。ちなみに現在、国内で狙って本種が見られるのは波照間島のみとのこと。センダングサで吸蜜するテングチョウ、アカタテハを見る。チョウ撮影とは別に、この島のビーチの美しさは何事にも例えようがない!さすがに日本一美しい海を自負しているだけのことはある。16:20発の最終便で石垣島へ戻る。〔波照間島〕

12月8日(晴れ) 本日から今年3回目の八重山遠征。昼出発便のため、いつもよりゆっくりスタート。石垣空港着16:10、先発していた友人と合流し、撮影に向かう。この時間であれば、本土ではすでに暗く撮影はできないが、西南端の当地では、充分明るく、撮影できる時間帯となる。外来種のヒマワリヒヨドリの花に、チョウを含め、多くの昆虫が集まっている。この花、余程蜜が多いのだろう。まず目につくのは、オオゴマダラ、リュウキュウアサギマダラ、ツマムラサキマダラ、アオスジアゲハ。多くのチョウに混じり、クロツバメ(蛾)も蜜を吸いに来ている。後翅が青く輝き、たいへん美しい。夕刻のこの時間帯に現れるのを期待していたテツイロビロウドセセリ、オキナワビロウドセセリも蜜を吸いにやってきていた。残念ながら両種ともどの個体も翅は大スレ、破損。ルリモンジャノメ多い。イワサキタテハモドキ、こちらもも相変わらず多い。ルリウラナミシジミは活発に活動、オスもメスもヒマワリヒヨドリで盛んに蜜を吸う。テリを張るルリタテハを見る。当地のルリタテハは本土産に比べ一回り大きく、飛翔は迫力満点!18時撤収。〔石垣島〕

12月3日(曇りのち時々晴れ) 正午前後の時間帯は昨日と同じように晴れる。クロマダラソテツシジミが発生していないか確認のため、自宅近くのソテツの株3箇所を徒歩で回る。古い食跡は散見されるが、幼虫、成虫とも見当たらない。〔東播磨〕

12月2日(晴れ) 気温は低く、最高でも12℃しかないが、快晴の一日。この時期恒例の「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」野外作業。今日はヒメヒカゲ生息地の草地保全作業に汗する。巨木になったヤマモモの下枝打ち、マツやイヌツゲ、ヒサカキの切り倒し、除去を行う。参加人数は6人と少ないが、皆熱心に作業に当たったため、見る見るうちに草地が広がっていく。毎年当地に撮影に来れている方へ、「毎年、12月の第一土曜日にこの作業を行いますので来年以降は参加してください。成虫発生時期だけに来て、撮影OnlyはNG!ずるい!」*もちろん採集は論外です。作業中にキタテハ、ウラギンシジミ、キタキチョウを見る。疲労困憊で正午前に作業は終了。午後から近場を回る。見かけるチョウは減り、晩秋から初冬の気配が漂う。ツマグロヒョウモン♂♀、モンキチョウ♂♀、ベニシジミ、ヤマトシジミ、ウラナミシジミ、キタテハを見る。モンシロチョウは今シーズン今日が最後か?〔東播磨〕

11月26日(曇りのち晴れ) 昨日とは打って変わって風弱く暖かい一日。気温が上がった午前10時からフィールドに出る。当地の紅葉は今日がベスト!今日は少し離れた里山や田畑の土手を歩く。ホトケノザで蜜を吸うツマグロヒョウモン♂を見る。キタテハ、モンキチョウ、ヤマトシジミ、キタキチョウ多い。今日はムラサキシジミの開翅を狙ったが、結局一度も出遭わず。午後1時撤収。〔東播磨〕

11月24日(晴れ) 昨日と同様、朝に所用をこなし、午前10時から近場を回る。昨日に比べ風が強く、夕刻から気温が下がるらしいが、日中は暖かく17℃以上。センダングサで蜜を吸うモンキチョウ多い。青空を背景にして、じっくり時間をかけて撮影する。シルビアシジミ、ウラナミシジミ、ベニシジミ、ヤマトシジミは今日も活動が盛ん。セイタカアワダチソウで蜜を吸うムラサキシジミを見る。キタテハ多い。ツマグロヒョウモン♂、アカタテハを見る。〔東播磨〕

11月23日(曇りのち晴れ) 気温は20℃まで上がる暖かい一日。早朝から溜まった所用をこなしたのち、午前11時からフィールドに出る。このころから雲が切れ、晴れ間が広がる。池の土手の草地にシルビアシジミを見る。すべて破損個体ながら、♂♀とも元気に活動していた。池の水は抜かれ、わずかに残った湿地にコサギ、アオサギに混じり、コウノトリが2頭餌をついばんでいた。このコウノトリ、県北部の豊岡市から放鳥された個体がここまでやってきている。シロバナセンダングサにヤマトシジミ、ウラナミシジミ、キタキチョウ、モンキチョウ、キタテハが多い。気温の上昇とともに湧くように数を増す。セイタカアワダチソウの第2化花穂で蜜を吸うウスキツバメエダシャク(蛾)を見る。チャの花で蜜を吸う蛾はホシホウジャクか?翅の超高速羽ばたきをピタッと止めるため、シャッタースピード=1/8000で狙う。ビワの花で蜜を吸うキタテハを見る。午後1時撤収。〔東播磨〕

11月19日(晴れ) ヒサマツミドリシジミ産卵調査のため、早朝から但馬に向かう。数年前に調査した谷に入ろうとしたところ、道路は崩落、林道自体が荒れ放題で調査を予定していた地点まで達することができない。別の林道に入る。標高800mを超えた辺りから昨日の降雪がチラホラ、1000m近くになると辺り一面雪景色!降雪による倒木、太枝の落下が甚だしく、スムーズに車の運転ができず、何回も車を降りて枝を片付ける作業を強いられる。ついにノコギリを出さざるを得なくなり、変なところで疲れてしまう。苦労して何カ所も回るが今日は1卵も確認できず。帰り道、クロツバメシジミ生息地に立ち寄るが、姿はなく、今シーズンの成虫は終了した模様。ヒメウラナミジャノメ♀の新鮮個体を見る。当地では遅くとも10月前半に姿を消すが、この時期に見られるとは驚いた。キタテハ、ヒメアカタテハ、アカタテハ、ヤマトシジミ、ウラナミシジミを見る。〔但馬・東播磨〕

11月18日(晴れ時々曇り、一時雨) 冬型の気圧配置で西風強く、黒雲の下に入ると時雨れる。ふと思い付き、自宅近くのソテツを見て回ると、案の定、クロマダラソテツシジミが静止していた。陽が差しても気温は8℃しかないため翅も開かず。いつもの畑&池の土手を見て回る。多くのチョウが風を避け、効率よく陽光が当たる角度で静止している。翅を開いているのは、ヤマトシジミ、ウラナミシジミ、ベニシジミ、ツマグロヒョウモン、シルビアシジミ。翅を閉じ体を倒しているのはモンキチョウ。センダングサで唯一蜜を吸っていたのはヒメアカタテハ。シルビアシジミ♀は翅表に大きく青が広がっている低温期型であった。日当たりのよいアラカシの枝先でムラサキシジミの飛翔を見る。時雨れが強くなったため午前11時撤収。〔東播磨〕

11月5日(快晴、朝は霧) 早朝から但馬に向かう。この時期のライフワーク、ヒサマツ越冬卵調査を行う。2万5千分の1地形図によりあらかじめ目星を付けて置いた林道に入るが、想像とは大違いで荒れた谷が多く、ウラジロガシも見当たらない。3箇所、4箇所と巡るが今日はダメ谷ばかり。最後に訪ねた谷でようやく1卵確認する。1卵見つけるのに今日は4時間もかかってしまった。午後1時、播磨への帰り道、クロツバメシジミポイントに立ち寄る。ツメレンゲの花は最終盤、クロツバメも少ない。花穂で交尾中のペアを時間をかけて撮影する。各地でキタテハ、ツマグロヒョウモン、キタキチョウ、ウラギンシジミを見る。〔但馬・東播磨〕

11月4日(曇り、朝は霧) 午前8時からフィールドに出る。気温15℃、霧の解消には時間がかかり、すっきり晴れることなくそのまま曇り空に移行する。朝露に濡れた草地では、ヤマトシジミ、シルビアシジミ、ウラナミシジミ、ベニシジミ、モンキチョウが体や翅に朝露を付けて静止している。センダングサへの訪花個体もなし。翅をパタパタ開閉しながらウォーミングアップ中のツマグロヒョウモン♂を見る。次へ移動しようかと考えたが、雲は厚くなるばかりなのと、昨日の立ち作業が体に堪えたのか半端のない疲労感、倦怠感に襲われ急遽撤収を決意する。〔東播磨〕

11月3日(快晴) この時期恒例、地元自治体の環境イベント「かこがわecoフェイスタ2023」に出展する。ギフチョウ保全活動紹介のほか、個人的にはチョウorガ当てゲームを担当し、参加者の皆さんにおいては大いに盛り上がっていただく。現地でのヒアリングの結果、本当に虫好きな児童は10人に一人、約10%くらいしかいない。これを多いとみるか少ないとみるか、判断が難しい?。親御さん達には、わが子の虫好きを否定しないようくれぐれもお願いする。〔東播磨〕

10月28日(晴れ時々曇り) 三週間振りに東播磨のフィールドに出る。夜露に濡れたシルビアシジミが朝陽を浴びて翅を開くタイミングに合わせて自宅を出る。予想通り8時過ぎから次々翅を開き始める。残念ながらすべてスレ個体、今日は新鮮個体には出遭わず。同じ草地にウラナミシジミ多い。シルビアに比べてやや活動開始時間は遅いようだ。満開のシロバナセンダングサにいチャバネセセリ、ヤマトシジミが多い。陽が当たるアラカシに葉にとまるウラギンシジミ♀を見る。このメス、前翅表中央の白紋はとても小さかった。各地でツマグロヒョウモン多い。午前9時半、センダングサとセイタカアワダチソウが満開の土手にキタテハが多い。センダングサにはモンキチョウ、モンシロチョウ、ヒメアカタテハも来ていた。移動する。池の土手法面の花畑は一ヶ月前と様相が変わっている。サワヒヨドリ、シロサワギク、アキノゲシ、ハギの花たちは開花時期が過ぎ花をつけていない。代わってリンドウがいたるところに咲いている。セイタカアワダチソウで蜜を吸うウラギンスジヒョウモン♀を見る。この時期まで元気に活動していたとは驚いた。ツマグロキチョウを注意して探すが姿を見せず。正午撤収。〔東播磨〕

10月21、22日(晴れ) 両日とも朝晩は晩秋並みに冷え込んだが、日中は爽やかな日。兵庫県伊丹市内で開催された日本鱗翅学会 第69大会に参加する。一年ぶりにお会いする方々がほとんどなので、お互いの近況を確認するなど会議前から忙しい。講演の内容について、ごく一般的なものから、興味を引かれるものまで様々。なかでも「オオムラサキ幼虫の口臭による威嚇行動」と題する講演はたいへん面白かった。一年後の再会を約束して閉会となる。

10月12日~10月15日(12日、13日、14日:晴れ時々曇り、15日:曇りのち雨) *本コーナーは通常一日単位で、その日出遭った種を中心に記録しているが、今回は目撃した種数や各種の生態、撮影枚数とも膨大な量となり、連日出遭った種も同一種が多いため、4日間分をまとめて記す。 今年2回目の八重山遠征。4日間、大半の時間を石垣島バンナ公園内で過ごす。フィールドでの活動時間は、10月12日が11:20~16:00、13日が7:50~17:50、14日が7:50~17:00、最終日の15日が7:50~15:10、合計30時間50分であった。現地でまず感じたのは、見かけるチョウの多さである。本土の夏場は見かけるチョウの数は少ないが、当地では雨さえ降っていなければ、いつでもどこでも活動しているチョウが視界に入る。感覚的には本土の10倍以上いる感じであった。以下、チョウの種類や個別の観察記録などランダムではあるが、項目ごとに記す。 【ウスコモンマダラは継続発生中】今回の遠征の最大の目的種。現地在住の友人によれば、今年7月ころから頻繁に目撃しているとのこと。幼虫の食草であるタイワンシロシタカズラは公園内の一角に植えられており、この場所で発生、その後周辺に拡散しているようである。到着日(10/12)の午後は姿を見せなかったが、翌日からはずっと食草の周りで活動していた。何度か求愛飛翔を目撃するが交尾には至らず。同じところで活動するリュウキュウアサギマダラやヒメアサギマダラより一回り大きく、かつ、若干黒っぽいので一度実物を見れば、以降の同定は容易。10/15、7:50、食草の弦で静止する羽化直後のメスを見つける。自身のさなぎの抜け殻につかまり、翅が固まるのを待っていた。午前10時までこの状態が続いていたが、10時半頃からかすかに移動が始まり、11時には飛び去っていた。この個体、この日の午後3時、羽化場所から約30m離れたところで静止しているのを再び目撃。食草を丹念に探せば、様々な齢の幼虫は簡単に見つかるが、さなぎは見つけられない。 【オオゴマダラの幼虫を攻撃するマダラチョウ各種の成虫】幼虫の食草であるホウライカガミに付いているオオゴマダラの幼虫に前脚を使って盛んに接触するリュウキュウアサギマダラ、ヒメアサギマダラ、ツマムラサキマダラ、マルバネルリマダラ、ウスコモンマダラの成虫を見る。聞くところによれば、オオゴマダラ幼虫に刺激を与えると防護のためか幼虫は分泌物を出すようで、その分泌物を狙ってマダラ類が集まっているとのこと。ときに度重なる接触が結果的に幼虫に対する攻撃となり、幼虫は死に至ることも多いようだ。死んだら死んだでオオゴマダラ幼虫の死体に群がり汁を吸っていて少々おぞましい光景である。攻撃を受けるのはオオゴマダラ幼虫のみで他のマダラ幼虫では起こらないとのこと。 【ルリモンジャノメ分布拡大】2年前に確認された西表島から猛烈な勢いで分布域を拡大している。今や石垣島南部ではどでもごく普通に見られる。昨年秋に飛翔シーンを撮影するため西表島へ二度も行った苦労は何だったのか!本種はジャノメと言いながら明るいところへも頻繁に出てくる。さすがに日中の炎天下では出て来ないが、少しでも雲が出ていれば盛んに活動する。同種のオスへは当然として、イワサキタテハモドキやヤエヤマムラサキに対しても盛んに追尾飛翔を見せる。相当気が荒い印象を受ける。 【ヤエヤマムラサキ前翅表先端白型】今回の遠征で見かけたヤエヤマムラサキはオスもメスもすべて前翅表先端が白いタイプであった。これまで一度も見た記憶はないのだが、なぜか今回はこのタイプばかり。低木の葉の先端にとまりテリを張るオス、吸蜜時に翅の角度のよって輝きが変わってくるメスなどはこれまでと同じであった。 【ヤエヤマムラサキの抱卵】薄暗いところに生える植物の葉の裏で静止するメスを発見、よく見れば葉の裏に数百卵産み付けられていた。話には聞いていた本種の抱卵を初めて目撃した。 【スジグロカバマダラとカバマダラ】スジカバは当地ではド普通種だが、タダカバは公園内の特定の場所でしか見かけない。たぶん幼虫の食草の関係であろう。スジカバは普通種ではあるが、写真映りが良いこともあって、個人的には頻繁に撮影している。今回も、飛翔シーン、交尾シーンと納得がいく写真が撮れた。 【ホリイコシジミ交尾】小さな草地で本種ペアの交尾を見る。このペアにちょっかいを掛けるオスがまとわりつくが、影響を受けることなく交尾は継続した。 【オオシロモンセセリ吸蜜】サンダンカやランタナで蜜を吸うシーンを見る。口吻(ストロー)長く、暗色で、人の髪の毛にそっくり。 【高速飛翔のコウトウシロシタセセリ】夕刻、ハマセンダンやカラスザンショウの樹冠を猛スピードで飛ぶ白い影が本種。翅の大半を占める暗い部分は目立たず、さながら白いハエが飛んでいる趣だ。種的にはダイミョウセセリに近いようで静止する際は必ず翅を開く。今回撮影した個体はどれもスレ個体で残念! 【一瞬のシャターチャンス、タイワンシロチョウ】ハマセンダンで蜜を吸うオスを見る。一ヶ所での吸蜜時間は短く、1秒もない。もたもたしていては撮影できず一瞬を捉える必要がある。オスの飛翔は速い。メスはオスに比べてくすんだ色で目立たない。ギョボクへの産卵を見る。 【ヌマダイコンの花に集まるマダラ類】山道脇の薄暗い湿った箇所に生えるヌマダイコンの花に多くのマダラ類が集まっている。大半がツマムラサキマダラだが、ぽつぽつとヒメアサギマダラが混じる。 【残念!アサギマダラ】森の中の暗いところに生えるセンダングサで蜜を吸うアサギマダラを見る。遠目に、すわっ!タイワンアサギか?と期待したが、個体の大きさ、色合いの明るさからタダアサギと判明、残念! 【森の中はイワサキタテハモドキばかり】森の中の明るいところ暗いところ、いつでもどこでも飛んでいるのは本種。ヤエヤマムラサキ、ルリモンジャノメなど多くの種と追い駆け合う。 【ヤエヤマカラスアゲハはどれもボロ個体】端境期なのか見かける本種はオスメスの別なく、どの個体も破損している。一向に撮影意欲は湧かない。 【クロアゲハ♀は新鮮】森の中で葉に静止している新鮮なメスをみる。後翅の赤紋は良く発達していたがいわゆる二重紋まではいかない。それでもハッとする美麗個体であった。 【テツイロビロウドセセリの吸蜜と産卵】それほど暗くない時間帯で、センダングサで蜜を吸うメスを見る。石垣島で本種を見るのは今回が初めて。吸蜜時間は長くじっくり撮影することができた。周辺を広く注意深く見渡せば、幼虫の食草であるデリスはあちこちに生えている。デリスを探しているとき、新芽に産卵するメスを見つけたが、手前の葉に遮られて撮影は失敗。 【ハナセンダン&カラスザンショウの花に一番多く来ているはタイワンキチョウ&イシガケチョウ】満開のハマセンダンやカラスザンショウの樹冠では両種が群れ飛んでいる。300mm望遠で撮影しても数頭が入る密度の濃さ。 【紅紋型シロオビアゲハの産卵】植栽の柑橘系植物の新葉に産卵するメスを見る。このメス、ベニモンアゲハにそっくり!擬態のすばらしさに感嘆する。 【ヒメウラボシシジミは大激減】今年の春、石垣島で発生している旨が世間に知れ渡った本種。生息地を見に行ったがわずかに一度それらしい個体の飛翔を見るのみ。聞くところによれば毎日採集者が入っているとのこと。端境期のため少ない可能性もあるが、猛烈な採集圧のため激減した可能性の方が高い。 【ウスアオオナガウラナミシジミの高速飛翔】ピークでテリを張る本種オスを見る。ヤクシマルリシジミに比べても相当速い。近距離でのトップスピード下での飛翔シーン撮影は無茶苦茶難しそうだ。 【日蔭はルリウラナミシジミの世界】日中の木陰や夕刻は本種がハエのように飛ぶ世界。オスの翅表は深い瑠璃色で撮影意欲をそそられるが、被写体自体が小さく、スカ写真の山を築くのが目に見えているので今回は挑戦せず。 【ウラギンシジミは本土産より小さい?】遠征中、何度か見かけたが、どの個体も本土産より小さいように感じた。当地のムラサキシジミは本土産に比べて著しく大きいが、ウラギンシジミは例外か? 【ホテルの窓ガラスに張り付いていたウスイロコノマチョウ】本種を見かけるのは通常森の中だが、夜明けや夕刻は市街地でも活発に活動しているようだ。朝7時、ホテルの窓ガラスの外面に張り付いているのを確認。 【今回の遠征で一度しか出遭わなかった種】ヒメアカタテハ、アゲハチョウ、ネッタイアカセセリなど。 【何時も見かけるのに今回出遭わなかった種】タイワンアオバセセリ、オキナワビロウドセセリなど。 次の八重山への遠征は2カ月後の12月半ばを予定している。乞うご期待!

10月9日(曇り時々晴れ) 雨あがり、湿度はやや高いものの、気温は低く、すがすがしい一日。晴れ間が広がり始めた午前9時半からフィールドに出る。南向きの畑や池の土手に、スモールブルーが多い。シルビアシジミ、ヤマトシジミ、ツバメシジミ、ウラナミシジミがそのメンバー。個体の大きさ、飛び方、活動しているエリアは微妙に異なり、最初は戸惑うが慣れれば同定はそれほど難しくはない。シルビアシジミ♂の探雌飛翔、同種の雌の発見、求愛、交尾と一連の行動を見る。すべては一瞬のうちに成立した。ヤマトシジミ♂の探雌飛翔は実に丁寧!翅を閉じている同種のオスを発見すると、メスかどうかしっかり確認していく。栽培されている大豆の畝にウラナミシジミ多い。獣糞で吸汁するオス2頭を見る。獣糞吸汁の目撃は初めて。ウラギンシジミ♀新鮮。咲き始めたセイタカアワダチソウにメスグロヒョウモン♀の吸蜜を見る。このメス、翅縁部の白縁まで残り、6月に見るような新鮮個体。しかし、人の気配に敏感で、近寄ればすぐ飛び立ち、頭上数mのカキの実に避難、20分待っても降りて来なかった。2日前に確認した秋の花畑、今日はウラギンスジヒョウモン見かけず。雲が厚くなり11時半撤収。〔東播磨〕

10月7日(曇り時々晴れ) 秋本番を思わせる一日。午前10時半から近場を回る。一カ所目からお目当てのメスグロヒョウモン♀が現れる。残念ながら翅縁部の欠けが目立つ個体。アベマキの葉で静止していることろを慎重に近寄り撮影する。咲き始めたセンダングサで蜜を吸うウラナミシジミ♀を見る。移動する。池の土手の法面はお花畑状態、サワヒヨドリ、オトコエシ、キセルアザミ、シロサワギク、アキノゲシ、ワレモコウ、オミナエシ、ハギ、ツリガネニンジンが斜面いっぱいに咲き乱れている。もう一つのお目当て種、ウラギンスジヒョウモンが蜜を吸いに来ていた。♀3頭、♂1頭、鮮度はまちまちだが、“やっと出てきたか!”の感あり。先週まで日中は30℃を越えていたが、今週ようやく現れたことから考えると気温の低下が出現のカギになるのであろうか。移動する。畑の縁のコナラからメスグロヒョウモン♀が飛び出す。先刻の個体に比べると破損は少ない。数カット撮影したところで飛び立たれてしまう。*帰宅後、そのときの画像を確認すれば、背後から忍び寄るオオカマキリが写っていた。さらに4ヶ所回るがめぼしい被写体は現れず。車の運転中に何回かアゲハチョウを見る。午後2時撤収。〔東播磨〕

10月1日(曇り時々晴れ) 天気予報を信用せず、気圧配置と雲の位置から但馬は晴れると判断、早朝から但馬に向かう。現地着9:30、風はやや強いものの晴れと曇りが交互にやってくるまずまずの天気。しかしお目当てのヒサマツミドリシジミ♀は活動していない。ウラジロガシの高枝をそっと叩くと2頭が飛び立つ。うち1頭は葉の裏に潜り込む。気温は20℃しかなく、これでは活動しないため、気温の上昇を待つ。10:30、気温の上昇に合わせるようにヒサマツ♀が活動を始める。まずはV字開翅、数分後に飛び立ち、数m移動し近くの葉に着地、トコトコ歩いて休眠芽までたどり着く。休眠芽が産卵に適しているか、芽の周りをグルグル回り、前脚でタッチ、気に入れば腹を曲げ芽の基部に産卵する。産卵後はすぐ飛び立ち、数m移動、陽が差していればV字開翅。これを繰り返す。距離があるため、実際に産卵したかどうかは確認できず。このウラジロガシでは2~3頭のメスが活動している模様。11:30まで撮影を続ける。移動する。次に訪ねたポイントではあいにくの曇り空。これでは活動しない判断し撤収する。〔但馬〕

9月30日(晴れのち曇り) 早朝から近場を回る。池の土手の草地にシルビアシジミが点々ととまっている。午前8時、朝日を浴びて徐々に開翅する個体が増えてくる。8時半を過ぎるとオスは一斉に探雌飛翔を始め、簡単にはとまらなくなる。おまけに飛翔スピードもUPする。移動する。夏眠明けのウラギンスジヒョウモン、メスグロヒョウモン♀を求めて3ヶ所、4ヶ所と回るが今日も姿を見せない。どこもサワヒヨドリ、オトコエシとも満開なのだが、蜜を吸っているのはツマグロヒョウモンばかり!キタテハは夏型から秋型に入れ替わった。オトコエシで蜜を吸うミドリヒョウモンを見る。アゲハチョウ、キアゲハは各地で見るが、黒系アゲハは1頭も見ず。昼前に撤収。〔東播磨〕

9月24日(曇り時々晴れ) 秋のヒサマツミドリシジミ♀の行動観察、撮影のため早朝から但馬に向かう。現地着9時、気温は21℃しかない。曇りがちで日射が安定しない。仕方なく休眠芽の付いたウラジロガシを叩くとヒサマツミドリ♀が飛び立つ。すぐそばの葉に移動し静止状態に入る。9時半、ようやく陽が差す時間が長くなると、V字に翅を開き、活動を始める。過去の文献に、“日射が20分以上続かないと産卵行動を始めない”、との記述があったように記憶しているが、今日の観察では5分もあればOKであった。V字開翅数分の後は、再び飛び立ち、休眠芽のある枝に移動、ぐるぐる動いて芽の状況を丹念に確認したのち、腹部を曲げての産卵行動を見せる。実際に産卵したかどうかは距離があったため確認できず。このように産卵に至る一連の行動を二度三度と繰り返す。午前10時半、再び雲の出ている時間が長くなったため、今日のヒサマツ♀の撮影を終了し、移動する。山頂では今日もキアゲハ♂がテリを張っていた。さらに移動する。秋のヒサマツポイントを巡るが姿を見せず。午後1時撤収。〔但馬〕

9月23日(曇り時々晴れ) まだ暑いが秋の気配を感じる一日。南但馬に晴れ間が広がる時間を見計らって北上する。狙い通りウラジロガシに陽が当たっているが、ヒサマツミドリシジミ♀は姿を見せない。樹冠で盛んにテリを張るのはウラギンシジミ、卍飛翔になることはなく、猛スピードで追い駆け合う。アケボノソウの群落にサカハチチョウ、ミドリヒョウモン、アオスジアゲハを見る。メスのミドリヒョウモンを撮影中、突然同種のオスが現れ、盛んに求愛行動を示すが交尾には至らず。ヒサマツ♀の登場を期待して1時間粘るが結局現れず、止む無く南下する。夏眠明けのウラギンスジヒョウモン、メスグロヒョウモンを求めて、吸蜜ポイント3ヶ所を回るが今日は姿を見せない。午後2時撤収。〔但馬、東播磨〕

9月18日(曇り時々晴れ) 早朝から、昨日、ミヤマカラスアゲハとミドリヒョウモンが群れていたアザミの群落に向かう。ミヤマカラスの出来はまあまあだったが、ミドリヒョウモンの出来は悪く、今日は撮り直しとなる。午前9時半現地着。ミドリヒョウモンばかりだが昨日より数を増し、計17頭集まっている。30分後、ミヤマカラスアゲハ♂3頭、♀1頭、クロアゲハ♀1頭が入れ代わり立ち代わりやってくる。すべて昨日と同じ個体。残念だったのは昨日一番綺麗だったオスがいなかったこと。ミドリヒョウモン&ミヤマカラスを1時間半撮影するが、破損個体が多く、出来はイマイチ。途中サカハチチョウもやってくる。11時過ぎ撤収。〔西播磨〕

9月17日(曇り時々晴れ) 朝8時自宅発で西播磨最深部に向かう。両側から山が迫る狭隘部の沢、車道わきに生えるヤマブドウの花で蜜を吸うミドリヒョウモン、アサマイチモンジを見る。薄暗い小さな沢沿いに咲くアザミ(ヨシノアザミ?)の花株に多くのチョウが集まっている。ミドリヒョウモンは約15頭、ウラギンヒョウモン2頭、クロアゲハ♀1頭、ミヤマカラスアゲハ♂4頭、♀2頭。狭い範囲にこれだけ集まると実に壮観!約1時間、ミヤマカラスを中心に700カット撮影する。ミヤマカラスの観察、メスが隣で蜜を吸っていてもオスは求愛するそぶりも見せず、ひたすらストローを延ばしていた。人の気配に鈍感で思う存分撮影できるのだが、とにかく辺りは暗く、自然光で撮影するとなると無茶苦茶難しく、スカ写真の山を築くことになった。渓谷を抜け、陽光が燦燦と降り注ぐ民家の庭先の花畑ではミヤマカラス♀2頭が吸蜜に忙しい。蜜を吸うのはヤナギハナガサ、ヒャクニチソウ、ハゲイトウ(蜜はなく単に赤い花弁に反応しストローを延ばしただけか?)。山深い峠を越え南但馬を車で流す。本日の第一目的はヒサマツミドリシジミ♀の産卵シーン撮影のためのウラジロガシの休眠芽の確認。奇数年に芽を付ける樹は予想通り順調に芽を付けていた。アケボノソウで蜜を吸うサカハチチョウを見る。昨日に続きゴマダラチョウの飛翔を見る。〔西播磨、但馬〕

9月16日(曇りのち晴れ) 朝は曇り、日が差し始めた10時半からフィールドに出る。しかし、まだ真夏並みに暑い。お気に入りのフィールドを回る。ソバ畑では今日もアゲハチョウが多い。その中に1頭、夏眠明けのメスグロヒョウモン♂が混じる。人の気配に敏感でちょっと近づいただけで飛び去った。クロアゲハ大破個体の吸蜜を見る。畑の溝でセリに産卵するキアゲハ♀を見る。移動する。池の土手の法面では秋の花が満開だが、ウラギンスジヒョウモンの姿はない。キタキチョウの交尾ペア、ツマグロヒョウモンを見るのみ。さらに移動する。雑木林と畑の間の道にメスグロヒョウモン♂を見る。マアザミ、サワヒヨドリ、ニラで蜜を吸う。イヌザンショウにとまるゴマダラチョウを見る。本種は今シーズン初めての撮影となる。午後2時半撤収。〔東播磨〕

9月10日(晴れのち曇り) 午後から曇るとの天気予報を信じて朝7時から近場を回る。昨日とは別のポイントで夏眠明けのウラギンスジヒョウモンを探すが今日も姿を見せない。田んぼの土手に生えるガガイモの花に多くのキタテハが群れている。ニラの花も満開だが、こちらガガイモの花を好むようだ。休耕畑にベニシジミ夏型を見る。今日訪ねた田や畑が点在するエリアでは、アゲハチョウはいなくて飛んでいるのはキアゲハばかり。たぶん溝かどこかにセリが多産しているのであろう。アカツメグサで吸蜜するヒメアカタテハを見る。林の中で静止するヒメジャノメを見る。午前9時半撤収。〔東播磨〕

9月9日(晴れ) 朝の所用をこなし10時からフィールドに出る。どこかにソバ畑はないかと車を流しながら探す。しばらくすると運良く見つかる。比較的大きな畑に、アゲハチョウが多い。ざっと数えれば10頭くらいが蜜を吸っている。残念ながらほとんどが破損個体。青空を背景にソバ畑を飛ぶシーンを狙う。キアゲハ1頭、ツマグロヒョウモン数頭が混じっていた。移動する。飛来したと思ったらすぐ葉の裏に移動するウラギンシジミを見る。雑木林の中の明るい湿地にオオチャバネセセリ、キマダラセセリを見る。湿地ではマアザミの開花が始まる。移動する。池の土手の法面にオミナエシ、ワレモコウ、サワヒヨドリ、ツリガネニンジンなど秋の草花が咲く。メスグロヒョウモン、ウラギンスジヒョウモンを探すがまだ夏眠から目覚めていないようで姿を見せない。民家の庭先を飛ぶナガサキアゲハ♀を見る。沖縄本島で見られるメスに比べると、当地のメスは“真っ黒”。各地でヒメウラナミジャノメを見るが、この時期の個体は大変小さい。午後2時撤収。〔東播磨〕

9月3日(晴れ) 早朝から但馬に向かう。この秋初めてのヒサマツミドリシジミ♀の調査。ウラジロガシが広く点在し、奇数年に産卵するエリアを訪ねる。ウラジロガシの休眠芽は順調に成長している。8年前のこの時期に確認した樹を叩いていくが飛び出さない。まあ、初回はこんなものか・・・、気を取り直しピークに移動する。山頂ではキアゲハ、ツマグロヒョウモン、アオスジアゲハがテリを張っている。各種とも数が多く、いわゆる“大賑わい”の様相を呈している。約1時間、キアゲハ、アオスジアゲハを集中して撮影する。午前11時撤収。〔但馬〕

9月2日(曇り) 所属団体「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」、この時期の恒例行事、ヒメカンアオイ自生地の下草刈りを行う。ヒメカンアオイを覆い尽くすササを刈り、イヌツゲやヒサカキ、ソヨゴなどの常緑樹の幼木を伐採していく。曇り空で気温は31℃しかないが、林内の湿度は高く、少し動けば汗が噴き出る。林内のコナラの大木はことごとくカシナガキクイムシにやられ、樹の根元には白い粉が見られる。ここ1年以内にやられた樹が多く、これから数年かけて朽ちていくのであろう。70年前ならここまで樹が育つ前に切られ、薪になっていたであろうが、今では放ったらかし、誰も利用しないのでやむを得ないのかもしれない。作業が11時過ぎに終了する。作業の前、朝露に濡れる畑の畔を散策。シルビアシジミがそこかしこにとまっている。ヤマトシジミも多い。陽が高くなっても、草葉の朝露が乾かないうちはどの種も飛ばないようだ。植栽のミカンの樹に付いた蛹から抜け出たばかりのアゲハチョウを見る。ほんの数分前に羽化したらしく、翅は延びているもののフニャフニャ。作業終了後に再確認に行ったが、当然飛び去っていた。〔東播磨〕

8月27日(晴れ) 今日も暑い一日。朝から但馬に向かう。土砂崩れ、河川の増水跡など、2週間前の台風の爪跡がまだ各地に残る。最初に探索予定だった渓谷の林道は通行止め!Uターンするスペースがなく、渓谷沿いの狭い道を百mもバックで戻る。通行止め表示の設置位置に配慮が欲しいところ。シカ侵入防止柵が張りめぐらされた畑の一角にオミナエシの大きな花株を発見、案の定、ヒョウモンが群れている。ミドリヒョウモン、ウラギンヒョウモン、オオウラギンスジヒョウモンの3種に加え、アカタテハも来ていた。どの個体も人慣れしていないのか近寄らせてくれない。粘って粘って、青空バックの吸蜜シーンを広角で撮影する。民家の庭先の花壇にカラスアゲハ♀を見る。この個体、右前翅先端と左後翅の半分を喪失、いわゆるボロ個体。どの角度の写真なら見るに耐えられるのか、あれこれ考えながら撮影する。移動する。高原のカシワ林では擦れたジャノメチョウ♀が多い。ハヤシミドリシジミ♀がいないかとカシワの枝を叩くがたまにしか飛び出さない。やはり今年は外れ年だったようだ。こちらも粘って何とか撮影する。例によって、ズボンには複数のダニが取り付いていた。この時期の但馬での撮影について、森の中や渓谷ではなく、民家の庭先がベストだと実感する。どの家も庭先には多くの花が咲き、多くのチョウが集まっている。午後1時半撤収。〔但馬〕

8月26日(晴れ) 視界の端、ところどころに小さな積乱雲が発生しているが、基本的に晴れ、今日も暑い。午前9時自宅発で播磨北部を回る。20年くらい前、頻繁に訪ねていたエリアだが、久しく訪ねていなかった。懐かしい風景を楽しみながら標高を上げる。高地の棚田の一角、咲き始めたソバの花に多くのチョウが集まっている。モンキチョウ、アカタテハ、コチャバネセセリ、ツマグロヒョウモンが主なところ。川沿いに生えるクサギにモンキアゲハを見る。南下する。10日前に訪ねたヒャクニチソウの花株、今日はアゲハチョウが少なく、2頭しか来ていない。イチモンジセセリ、ヒメアカタテハを見る。更に移動する。池の土手の草地にシルビアシジミを見る。どの個体も極めて新鮮、しかもオスばかり。先週は全くいなかったが、ここにきて第3化の羽化が始まったのであろう。吸蜜はウマゴヤシ、翅の広い面積に陽光が当たらないよう、陽の角度と一直線上の姿勢で葉にとまり、決して開翅はしない。午後1時撤収。〔播磨各地〕

8月20日(晴れ) 今日も暑い一日。午後1時から播磨を広範囲に回る。車の運転中、車外温度38℃を示していた(夕刻の全国ニュースによれば、本日の全国最高気温を記録したのが当地でした)。斜面の集落の石垣にアカタテハが多い。辺りを見渡せばカラムシの群落があちこちに広がっていた。お目当てのクロツバメシジミは姿を見せない。端境期か?クモに捕らわれ、体液を吸われるヤマトシジミを見る。移動する。森林公園の駐車場にキタキチョウ3頭の吸水を見る。わずか3頭ながら、集団吸水はめっきり見かけなくなった。サクラの古木が広がっているエリアを確認する。キマダラルリツバメが生息している可能性が高いと判断!来シーズン忘れずに来なければならない。移動する。昨日クロアゲハの吸蜜を目撃したクサギ、今日は何も来ていなかった。午後3時半撤収。〔播磨各地〕

8月19日(晴れ) 猛暑の一日。午後1時から近場を回る。池の土手に生えるヤナギに今日も元気よくコムラサキが活動している。さすがに日向ではなく、日蔭でテリを張っていた。先日の台風で折れた枝から汁が出ているらしく、ずっと離れずストローを延ばしているメスを見る。撮影地を移動する。アベマキの“樹液食堂”に来ていたのはサトキマダラヒカゲのみ。蚊の猛攻に耐えかね早々に移動する。薄暗いところに咲いていたクサギにクロアゲハ♀とダイミョウセセリの吸蜜を見る。〔東播磨〕

8月18日(曇りのち晴れ) 午前10時から近場に出かける。湿度は高いがドン曇りなので気温は30℃程度しか上昇していない。雑木林の縁の畑の周辺には思った以上にチョウの種類・数とも多い。ミカンの樹の周辺にはアゲハチョウが群れ飛んでいる。ここのミカン、実がなっても決して収穫されることがなく、その場で朽ち果てる。よって農薬を使っていないのは明らか。イヌザンショウの花には吸蜜目的のために多数のアゲハが集まる。アレチハナガサで蜜を吸うイチモンジセセリ、さらに花の下で待ち構え、本種を狙うオオカマキリ、しばらく観察すれば、満を持してのオオカマキリの狩りは失敗した。同じくアレチハナガサで蜜を吸うツマグロヒョウモン♀を見る。満開のクサギの花で蜜を吸うクロアゲハ♂を見る。久しぶりの夏型個体の目撃。しばらくすると、同種のメス、ナガサキアゲハ♂、アオスジアゲハ、キアゲハも通り過ぎていく。何の変哲もない雑木林の縁だが、先日の西播磨の渓谷に比べ、なんとチョウ影の濃いことか!ホシミスジ、アサマイチモンジ、ヒメウラナミジャノメの活動を見る。明るい土手では、ツバメシジミ、ヤマトシジミ、モンキチョウが多い。正午過ぎ撤収。〔東播磨〕

8月16日(晴れ時々曇り) 台風一過、彼方に雲は出ているものの朝から大きく青空が広がる。今日も暑い。近くの小ピークに登るが、昨日の台風で多くの枯枝が落下、登山道に散乱している。楢枯れで立木のまま朽ちる途中のコナラの大木の下は特に激しい。ピークではツマグロヒョウモン♂1頭がテリを張っているのみ。期待していたモンキアゲハ、クロアゲハ、カラスアゲハは姿を見せず。イヌザンショウで産卵するアゲハチョウ♀を見る。車で移動中、民家に庭先のヒャクニチソウの株に多くのアゲハチョウが蜜を吸う。5~6頭集まっていたようだ。次の撮影地に向かう予定だったが、屋外はあまりにも暑く、急遽撤収する。〔東播磨〕

8月13日(晴れ) この夏3回目、西播磨最深部の渓谷を歩く。轟轟と流れる清流沿いの道、木々が覆いかぶさり、完全に陽光は遮られているが、それでも暑い!30℃は超えているようだ。1時間程歩くと次第に気分が悪くなり、熱中症の症状が出始める。すぐ休息、冷水を大量補給し、しばらく静養。窮地を脱する。例年なら複数個所でミヤマカラスアゲハ、カラスアゲハの集団吸水シーンが見られるのだが、今年は両種とも完全な外れ年。ミヤマカラス、カラスとも単独で吸水していたのが、おのおの1回、どちらか同定できない飛翔を見ること6~7回、たったこれだけ!ボロボロの夏型サカハチチョウを見る。陽溜りでモミジの葉にとまるミドリヒョウモンを見る。その他、見かけたのは、ムラサキシジミ2回、キタキチョウ4回、コミスジ1回、これですべて!午後1時半撤収。〔西播磨〕

8月11日(晴れ) 本日より10連休。酷暑が続いているため、それなりの準備をしないと野外での長時間の撮影はたいへん!今日は気温が上がりきらない午前7時前から近場を回る。陰に入ると結構涼しい。雑木林の縁、陽光が当たり始めたナワシログミの葉で翅を開くアゲハチョウ♀を見る。しばらくするとフワッと飛び立った。田んぼの用水路上の草地、ウマゴヤシにとまるシルビアシジミを見る。同じところで活動していたツバメシジミ♂と地表近くで激しくもつれる。ニガナで蜜を吸うモンキチョウを見る。移動する。雑木林の中、「樹液食堂」に来ていたのはサトキマダラヒカゲとクロヒカゲのみ。お目当てのゴマダラチョウは姿を見せず。この場所に数分でも留まれば、蚊の猛攻を受けるため早々に撤収。〔東播磨〕

7月30日(晴れ時々曇り) 自宅周辺20㎞以内のポイントを車で巡る。まずは10年以上前に良く訪ねた花公園へ。花壇の配置などは当時とあまり変わっていないが、チョウが全くいない。ポツポツと目にしたのはツマグロヒョウモンのみ、その他はまったく現れない。早々に場所を変える。道路わきの休耕田にキアゲハ♀が3~4頭飛んでいる。たぶん、休耕田にはセリが生えているのであろう。いつもの雑木林の縁の畑、ミカンの樹の周りをアゲハチョウ♀が3頭飛んでいる。しばらく見ていると、新しい葉を見つけるたびに産卵を繰り返していた。炎天下、池の土手にシルビアシジミの活動を見る。まったく同じ土手にツバメシジミも活動しているため紛らわしい。小さな道を挟んだ田の土手にはヤマトシジミが生息しているが、シルビアとは微妙に棲み分けているようだ。シルビアの吸蜜源はコマツナギ。正午撤収。〔東播磨〕

7月29日(晴れ時々曇り) 2週間前に訪ねた西播磨の渓谷に向かう。日向は今日も暑いが鬱蒼とした渓谷沿いの道はそれほどでもない。しかし、肝心のチョウがいない。4時間近く歩いて、目撃したのは、キタキチョウ3回、ルリシジミ2回、ホシミスジ1回、ルリタテハ1回、ミヤマカラスアゲハ3回、スミナガシ(?)1回。たったこれだけ!ひそかに期待していたミヤマカラスの集団吸水は見られず。何でこんなに蝶影が薄いのだろう?何か変だ!今日は一度もシャッターを切ることなく、午後2時撤収。〔西播磨〕

7月23日(晴れ) 溜まった所用をこなす一日。午後空いた時間で近場を回る。小さな農業用ため池の周囲に生えるヤナギにコムラサキが多い。第2化も翅が破損している個体が増えている。日蔭に張り出した枝先でテリを張る個体がいる一方、葉の茂みに分け入り、丹念にメスを探して飛び回るオスがいる。数本のヤナギに10頭近く潜んでいる感じがする。田んぼの土手に生えるアレチハナガサで蜜を吸うキアゲハ♀を見る。しばらくすると同種のオスが登場、盛んに求愛するが交尾は成立せず。柑橘類の樹の周囲を飛ぶアゲハチョウ♀を見る。アオスジアゲハは高温、炎天下でも活発に活動している。〔東播磨〕

7月22日(曇り時々晴れ、朝一時雨) 午前3時自宅発で滋賀・三重県境にまたがる鈴鹿を目指す。現地着6:15、ガス&雨で北アルプスを思わせるような天候、気温21℃。ポイントに陣取り、天候の回復とキリシマミドリシジミの登場を待つ。午前7時過ぎ、曇り空ながら、突然メスが飛来する。目前3mの距離にあるアカガシの葉の隙間に潜り込み静止、光量不足の中、じっくり撮影する。その後、晴れと曇りを繰り返すがお目当てのオスは登場しない。正午前まで粘るが、結局オスの登場は4~5回、とまることなく通過するか、高所でチラ見せのため、シャッターチャンスは皆無。今シーズンの鈴鹿キリシマは外れ年の模様。正午撤収する。〔三重県〕

7月17日(晴れ時々曇り) 今日は遅めのスタート、午前10時から西播磨の渓谷を目指す。渓谷内は涼しく散策するには良いが、時々道端から漂ってくるイワヒメワラビの悪臭には閉口する。目的はミヤマカラスアゲハの第2化、しかし黒いアゲハが飛んでいない、と言うかチョウ自体がまったくいない。いないだろうと先入観を持って、いつものミヤマカラスの集団吸水ポイントに近づいたところ、1頭が急に飛び立った。こちらが勢いよく接近したためか、飛び立った個体は20分待っても戻ってこなかった。往復6㎞歩いて出遭ったチョウはキタキチョウ3回、コミスジ、アオスジアゲハ各1回、それと先述のミヤマカラス、これがすべて、とてつもなく蝶影が薄い一日。本日、シャッターを押した回数は0回。午後2時撤収。〔西播磨〕 追記:帰宅後にくつろいでいたところ、足首から出血しているのを確認、しかも出血が止まらない。たぶんヒルにやられたのであろう。靴下の内側、これでも防ぎきれなかったようだ。

7月16日(晴れ) 三連休二日目、早朝から但馬各地を巡る。まず訪ねたのはカシワ林が広がる高原。カシワの高枝を叩くが、ハヤシミドリシジミは少なく、たまにしか飛び立たない。最盛期に訪ねていないので確信はもてないが、今年のハヤシミドリは外れ年だったのでは?!。期待していたもう一種、キマダラルリツバメは出てきてくれた。腹パンパンの♀、カシワ林の“母キマチャン”は産卵の真っ最中であろう。移動する。スキー場の一角、かつてホシチャバネセセリが見られた窪地を訪ねるが姿を見せない。このポイントでの最終撮影年は2017年、残念ながら今後も見られない可能性は高い。アザミで吸蜜するコキマダラセセリ多い。なかに1頭、スレのオオチャバネセセリが混じる。移動する。ハルニレの高枝を叩くとパラパラとカラスシジミが飛び立つ。ノリウツギで吸蜜中の個体をよく見れば、スレ&ボロの見るも無残な破損個体。同じくノリウツギで蜜を吸うオオウラギンスジヒョウモン♀、ウラギンヒョウモン♂を見る。更に移動し次のカシワ林に向かう。ここでもハヤシミドリは少ないようだ。二度三度と現れたのはミズイロオナガシジミ。いずれもスレ個体ながら翅の破損は見られなかった。さらに移動する。渓谷のオニグルミの高枝を叩くが、お目当てのオナガシジミは飛び立たない。ここで本種の最終撮影年は2014年。路上の日陰にミスジチョウを見る。東日本では想像できないが、兵庫県では希少種、めったに出遭うことはない。2020年以来、3年ぶりの撮影となる。最後に訪ねたのはクロシジミ生息地、丹念に探すが見つからない。ここでの最終撮影年は2018年、姿を見せなくなった原因はいろいろあろうが、シカの食害と採集圧か?近年ここで鬼採りしたネットマンは罪の深さを考えてほしい。林道でテリを張るダイミョウセセリを見る。午後2時半撤収。〔但馬〕

7月15日(曇り時々晴れ) 午前中に溜まった雑用をこなし、午後からフィールドに出る。西播磨各地のかつての撮影ポイントを回る。規模の小さな生息地ながら毎年安定してクロシジミ成虫が見られたポイント、丹念に探すが姿を見せず。これで8年間確認できないことになる。ここでの採集圧は皆無、姿を消した原因は太陽光パネル設置による環境破壊に他ならない。巷では“地球にやさしい太陽光発電”と定義されているが、不可逆的に山野の地表をはぎ取り、某権威主義国産のパネルを設置するなど、太陽光発電のパネル設置は最低最悪の環境破壊であると改めて実感する。移動する。山腹の“樹液食堂”の周辺では発酵臭が漂っているが、汁を吸っているチョウはいない。かつてあれほどいたオオムラサキはどこへ行ったのだろうか?次の“樹液食堂”も状況はまったく同じ。西播磨各地を回った後、東播磨に戻る。ハンノキ林にミドリシジミを期待したがまったくいない。この時期ならボロがいるはずだと思ったが大外れ。逆に多数の個体を見たのはウラナミアカシジミ。この時期なので大スレ個体ばかりだが、なかなか壮観であった。西播磨でスレたホソバセセリ、イヌザンショウの樹の周辺を飛び、産卵行動を見せるナミアゲハ♀を見る。〔西播磨、東播磨〕

7月9日(雨時々曇り、一時豪雨) 兵庫ウスイロヒョウモンモドキを守る会・NPO法人こどもとむしの会主催、養父市・養父市教育委員会後援で、主に地元兵庫県養父市在住の幼児・小学生を対象とした「昆虫・大捜査線」と称するイベントの手伝いをさせていただく。前日の午後から現地入り、会場準備や夜はイベントで使用する昆虫を確保するため灯火採集を行う。大したものはやって来ず、スジコガネや小型のヤガ、シャクガ、大型ではスズメガなどが集まった。今日、10時から本イベントの開始。たくさんの人数でフィールドに繰り出し、見かけた虫を捕まえ、その場で種類ごとに展示するというもの。実際にフィールドで出ている10時半から11時半まではほとんど雨が降らず、皆嬉々として網を振っていた。絶滅危惧の昆虫少年・少女の育成にはこう言ったイベントが必要だと実感する。集まった昆虫のなかに、ウラギンヒョウモン、ベニシジミ、オオチャバネセセリ、コキマダラセセリ、モンキチョウ、モンシロチョウ、クロアゲハが含まれていた。〔但馬〕

7月2日(晴れ時々曇り) 遠征最終日。4日目にもなるとさすがに疲れてくる。今回の遠征の第一目的であったフタオチョウ飛翔もモノにできたこともあって、今日はフタオ撮影はやめることを決断。代って、かつての遠征時に訪ねた各所を回る。一カ所目の公園、開園時間が午前9時とも知らず、着いたのは8時過ぎ、仕方なく門の外を散策するがこれが大正解!まばらに草が生える造成地(荒れ地)に多数のツマムラサキマダラが舞っていた。蜜を吸っているのは貧相な花(種名不明:花弁のないセンダングサに似ていた)。ざっと数えても♂10頭が以上集まり、♀は1頭のみ。開園後、公園内の植栽樹、マメ科の高木にウスキシロチョウ♀が盛んに産卵していた。20㎞南下し、別の公園に移動する。この公園は有料の植物園、入園料1540円と結構高価だが、過去の撮影においては相性が良く、いつも何かしら良い写真が撮れるので、大のお気に入りポイント。案の定、クサギの花で蜜を吸うナガサキアゲハ♀を見る。昨日のナガサキ♀より鮮度はよく、しかも更に白い“別嬪さん”。飛び方は緩やか、吸蜜の後、やおら薄暗い場所に移動、柑橘植物に潜り込み、産卵を始める。サンダンカで蜜を吸うシロオビアゲハ♂を見る。明るい場所で活動するアオタテハモドキを見る。更に20㎞南下、最後に訪ねたのは、那覇市内の中心部にある公園。散策開始後さっそく、多数の実に穴が開いているクチナシの樹を発見、イワカワシジミの仕業であろう。注意深くクチナシの樹を見て回るが成虫は確認できず。公園内を滑空する白いタテハ、目を凝らせばやはりフタオチョウであった。近年の報告では勢いよく南へ分布を広げているらしいが、まさにその通りと実感する。午後2時、帰りの便までまだ時間はたっぷりあったが、とにかく暑く、ひなたに出る気も起こらず、これにて4日間の撮影を終了する。〔沖縄本島〕

7月1日(晴れ時々曇り) 沖縄遠征3日目、午前9時からフィールドに出る。フタオチョウはいったい何時からテリを張り始めるのか気になり、少し早めの時間からテリ場で待つ。山頂付近は今日も強い風が吹き、被っていた帽子も飛ばされる。1頭目のフタオが現れたのは午前10時24分、しかし折からの強風に流されすぐに見失う。テリ場でテリを張り始めたのは11分後の10時35分。以降は継続的に占有行動を見せる。昨日、多数の枚数を撮影したため、今日はフタオの撮影に身が入らず、早々に場所を変える。森の中の林道のあちこちでコノハチョウを見る。わずかに陽光が差し込む陽だまり毎にいるような密度の濃さ。ボロ、欠けから新鮮まで鮮度は様々。薄暗い林床を低く、いろいろな草本をタッチするコノハチョウを見る。産卵するための♀の行動だろうか?薄暗い空間で飛び古したリュウキュウヒメジャノメを見る。今回の遠征で初めての目撃種、結局4日間で本種を見たのはこの1回のみ。山頂の草地では今日もツマグロヒョウモンが多い。樹冠を飛ぶのはアオスジアゲハ。今回の遠征でミカドアゲハは一度も見ず。撮影地を変える。違う山の林道、ここでもコノハチョウが活発に活動している。狭い範囲に3頭いることもあって、頻繁に追尾飛翔を繰り返す。ここのコノハは通りかかるナガサキアゲハにも反応する。林道沿いの薄暗い空間にひときわ目立つ白いチョウの影、期待通りナガサキアゲハ♀が現れた。カメラを手に大急ぎで後を追う。道端に生える赤い草花(種名不明)で蜜を吸うが、花自体が綺麗でなく、あまり“絵”にならない。シロオビアゲハ♂がちょっかいを掛けるが、迷惑そうにやり過ごした。更にナガサキ♂にも発見され、執拗にまとわりつかれる。結局、藪の奥に姿を消す。車に戻る途中、何気なく顔を上げると、3mの高さの枝の周辺を飛ぶタテハが目に留まる。よく見ればフタオチョウの♀、産卵行動のようにも感じられた。さらに移動する。森の縁の明るい空間でテリを張るリュウキュウムラサキ♂を見る。すぐ傍でテリを張っていたコノハに追い立てられ飛び立ち、結局戻ってこなかった。渓谷に架かる橋の上でイシガケチョウの集団吸水を見る。ゆっくり車で通過する際、白い紙吹雪が舞い上がった。先刻のナガサキ♀が帰っていないかと元の場所に戻る。幸運にも、今度はハイビスカスの花で吸蜜中、「これは絵になる!」と急いで撮影の準備にかかるが、一度もシャッターを切ることなく、またしても同種の♂が連れ去った。午後3時半撤収。〔沖縄本島〕

6月30日(晴れ時々曇り、一時雨) 沖縄遠征2日目。午前8時発、まず向かったのは世界遺産の今帰仁城跡、曲線的で大規模な石垣が印象的な素晴らしい城址。ただ、炎天下の行動は大変!少し歩くだけで汗が吹き出る。高所に咲く白い花(種名不明)にジャコウアゲハ、ツマムラサキマダラが吸蜜に来ていた。チラっと姿を見せたのはウスイロコノマチョウか?同定できず。移動する。一昨年訪ねたことがある森のなかの畑に向かう。ツマベニチョウが高所を猛スピードで通過する。シークワーサー畑にモンキアゲハが多い。黄色の花をつけたマメ科の高木(種名不明)にウスキシロチョウが群れている。地肌が露出した貧相な草地にアオタテハモドキが多い。車道に張り出した枝先にとまるコノハチョウを見る。慎重に近づいたにもかかわらず飛び去った。昨日に続きフタオチョウの撮影に向かう。ポイント着11時、強風で枝が大きく揺れる中でも複数の個体が飛び回っていた。新鮮個体がいる一方で翅が大きく破損している個体がいるなど鮮度は様々。今日もスクランブル発進や追尾飛翔、卍飛翔を数多く観察、撮影する。トップスピードでの飛翔は速く、時速50㎞以上かもしれない。当然、飛翔シーンを狙うとスカ写真の山を築くことになる。後を追うのは同種だけでなく、アオスジアゲハや野鳥にも反応する。一度、樹冠で50㎝の近距離で静止し占有行動中の2頭を確認、どうしてこのような状況になったのかは不明だが、先に飛ぶ1頭につられて他の1頭も必ず飛ぶと判断し、カメラを構えその時を待つ。待つこと数秒、思った通り1頭が飛び立っった瞬間、卍飛翔となり、追尾飛翔に移行した。数カットではあるが幸運にも撮影に成功する。フタオ撮影中に白いナガサキアゲハ♀が視界を通過する。フタオの活動は降雨とともに午後2時に終了。雨をやり過ごしたのち、森の中を散策する。葉の裏に仲良く並んでとまるイシガケチョウとアオバセセリを見る。小さな花をつけていツル植物(種名不明)で蜜を吸うリュウキュウアサギマダラを見る。ヒメウラナミシジミ♂の占有行動を見る。午後4時撤収。〔沖縄本島〕

6月29日(晴れ時々曇り、一時雨) 前夜から那覇入り、本日より4日間の沖縄本島遠征が始まる。午前8時、レンタカーで北に向かう。前々日から来ている友人と合流し、各地を回る。山頂ではリュウキュウムラサキ♂が占有行動中。後翅裏面の白条太く、一瞬メスアカムラサキかと思ったが、残念本種であった。リュウキュウウラナミジャノメを探すが姿を見せず。第1化はすでに終了した模様。明るいシークワーサー畑でアオタテハモドキの活動を見る。ナガサキアゲハ♂は各地で舞っている。山頂では、アオスジアゲハに混じりフタオチョウが飛び回っている。薄暗い林道ではコノハチョウがテリを張っていた。クロセセリ、アオバセセリの活動を見る。午後2時半、山頂ではフタオチョウが占有行動を繰り返している。枝先にとまり、同種の♂が接近すると、素早く飛び立ち追尾飛翔となる。ときに卍飛翔を見せるがゼフのように長くは続かない。どこかの研究者が主張している“卍飛翔は♀の誤認”などでは絶対ない!位置的な優位性を確保するため、相手の後方から追い立て排除する・・・一連の行動を観察していると良く分かる。通り雨をやり過すため車へ退避、雨が止んだ30分後に戻れば、フタオのテリ張りは終了していた。代って現れたのがスミナガシ、こちらもテリを張り始めるがフタオほど高い位置取りはしない。林道を散策中、路上の白い鳥のフンで汁を吸うシロウラナミシジミを見る。産卵行動中のジャコウアゲハ♀、ボッロボロのオキナワカラスアゲハ、薄暗いところばかりを飛ぶシロオビアゲハを見る。一日目の撮影を終了するにあたって感じるのはチョウの数の少なさだ。マダラで見たのは、ツマムラサキマダラ、リュウキュウアサギマダラ、オオゴマダラのみ、ツマベニチョウも今日は2回しか見なかった。逆に圧倒的に多いのが、ツマグロヒョウモン、イシガケチョウ、クロマダラソテツシジミといったところ。午後5時撤収。〔沖縄本島〕

6月25日(曇り) 一昨日・昨日の疲れが残り体が重い。それでも早朝2時間だけと時間を区切り、ハンノキ林に向かう。狙うはミドリシジミ。ハンノキの枝を叩くとパラパラと飛び出す。しかし♀ばかり。下草に降りた個体は薄日を浴びて次々翅を開いていく。当地の♀はお世辞にも美麗とは言えず、O型か、OとAの中間型ばかり、紫の鱗粉を付けたB型傾向の♀は少ない。くっきり紫のB型などはお目にかかったことはない。今日はラッキー!B型系統の♀を撮影成功。♀撮影は一段落、次は♂探し。ようやくハンノキの低い葉にとまる♂を発見!翅裏を見る限りでは比較的新鮮個体らしい。翅を開くまで待つことを決意。7時5分待ち開始、結局翅を開いたのは7時50分。翅表には小さなひっかき傷が一ヶ所、しかしそれなりに美しい個体で満足。飛び立つまでの5分間、集中して撮影する。午前8時撤収。〔東播磨〕

6月24日(曇り:但馬、曇り時々晴れ:播磨) 昨夜は道の駅駐車場にて車中泊、思った以上に熟睡できた。120㎞、2時間掛けて自宅に帰るより、よっぽど楽ちん。午前6時から行動開始、長らく訪ねていないマイポイントを含め、但馬各地を回る。高標高地の谷にアイノミドリシジミ、ジョウザンミドリシジミ、フジミドリシジミを期待したがいずれも姿を見せず。やはり太陽が顔を出していないとダメか!?。ハルニレの高枝を叩いてみるとカラスシジミがパラパラと飛び出す。約10年振りに訪ねた渓谷では何も活動せず。カシワ林ではまだハヤシミドリシジミは姿を見せていない。わずかにミズイロオナガシジミを見るのみ。わずか数分間、草地へ踏み込んだだけにもかかわらず、ズボンには20頭あまりのダニがうごめていた。これが1時間だったらどれくらいの数のダニが付くのだろうかと興味が湧いてくる(笑)。ここ数年で一番の発生量だと思われる。午前10時、但馬での撮影を終了し播磨へ戻る。キマダラモドキを狙うが、期待通り早々に姿を見せる。しかしオスばかり、しかもスレ個体ばかり、なかにビークマーク付きの大破個体が混じる。脚も2本欠損し、まともにとまれない哀れな状況、それでも他の♂に果敢に挑んでいた。撮影のためずっと追っていたスレ♂が姿を消したと思い探したところ、超新鮮♀と交尾が成立していた。腹部だけ大きく折り曲げ、並ぶ形での変則交尾姿勢。時間をかけて撮影する。午後3時撤収〔但馬・播磨〕

6月23日(曇り一時小雨、のち晴れ) 休暇を取って早朝から但馬に向かう。午前8時半、ゼフのテリ場にジョウザンミドリシジミが現れる。一瞬陽が差すとどこからともなく湧くように出てきて、卍や追尾飛翔を見せる。1頭のみ黄緑色に輝くゼフが登場したが、アイノミドリシジミかどうか確認する前に飛び去った。ヒサマツミドリシジミ♀を期待してテリ場に移動するが、あいにく先着の採集者が陣取り、これでは撮影できず、やむなく移動する。麓の沢にメスアカミドリシジミを探すが、雲が厚く暗いため、これでは姿を見せない。更に移動する。一週間前のヒサマツのテリ場では、期待にたがわず、今日も1頭活動している。時に他のオスが侵入し、卍、追尾飛翔を見せる。撮影した画像をその場でチェックしたところ、オオスレ個体と大破個体であった。ヒサマツ撮影中にコナラの枝の先端に産卵するアカシジミを見る。遠目ながら連続して撮影する。腹部を折り曲げ、腹部の先端でコナラの“うぶ毛”をそぎ落とし、産み付けた卵の表面にこすりつけ、絶妙のカムフラージュを施しているのであろう。トラフシジミ夏型、ルリシジミ、ウラクロシジミが視界を横切る。午後4時撤収。〔但馬〕

6月18日(晴れ) 昨日の疲れが残るため今日は遅めのスタート。午前8時半、自宅発で但馬に向かう。シカの食害の進行状況を確認するため、林道を流しながら、今日は別のポイントを目指す。午前11時半、現地着。すでにヒサマツミドリシジミ♂が占有行動を始めていた。次々とヒサマツ♂がやってくるが、微妙に翅がスレている個体が多い。なかに鳥に啄まれた痕跡(ビークマーク)付きの個体も混じる。目の前で開翅したり、地上スレスレで卍飛翔したりと大忙しで撮影する。炎天下の撮影で集中力が切れ、やむなく午後3時で撤収。〔但馬〕

6月17日(晴れ) 早朝から但馬に向かう。先週の日曜日に訪ねたナラガシワの樹、ひとたび叩けばさぞかしたくさんのウラジロミドリシジミが飛び出すかと思えばさにあらず、ポツリポツリと姿を見せるが気温が高いため、上に舞上がるばかり。それもメスばっかり、残念!気を取り直し、ヒサマツミドリシジミ♂の集まるピークを目指す。午前8時着。時間的にまだ早いためヒサマツは現れない。ブナの樹冠をルリシジミがチラチラ舞う。スレたウラクロシジミが飛び出す。夏型のトラフシジミを見る。モンキアゲハ、カラスアゲハ、キアゲハ各♂のパトロール飛翔を見る。ヒョウモンが猛スピードで通過するがミドリか?正午過ぎ、ようやくヒサマツ♂が姿を見せる。最初はブナの高枝にとまり、占有行動を見せる。見下ろす角度で撮影できないため、ポイントを移動する。こちらは見下ろす角度を確保できるが、被写体までの距離が4~10mとやや遠い。基本的に新鮮個体が多いが、なかに1頭スレが激しい個体が混じる。入れ替わり立ち代わりだが、この空間で活動しているのは常時2~3頭か?ここで粘ること5時間、撮影枚数は2000カットを超える。午後6時撤収、疲労困憊の一日。〔但馬〕

6月11日(曇り時々晴れ) 東播磨は朝から雨が降り続くが、梅雨前線は太平洋側。このような気圧配置では天気予報はどうであれ、但馬は晴れていることが多い。友人からの連絡もあり、9時過ぎ急いで但馬に向かう。ポイント着11時半、やや風は強いものの薄曇りで時々晴れ間がのぞく。フジミドリシジミ♂が高所を渡っていく。ウラクロシジミ♂もポツポツと飛び出してくる。ルリシジミも次々に現れるので、フジミドリと紛らわしい。ヒサマツミドリシジミは姿を見せず。ヒオドシチョウの新鮮個体を見る。撮影地を移動する。平地の山際の小さな草地に生えるナラガシワに多くのウラジロミドリシジミを見る。午後2時前と早い時間ながら時々飛び立ち、樹冠をなめるように飛ぶ。残念ながら見上げる角度でしかも結構距離があるため、心ときめくシャッターチャンスは皆無。アカシジミを見る。午後3時撤収。〔但馬〕

6月10日(晴れのち曇り) 早朝から西播磨各地を巡る。一週間前、叩いても何も飛び出さなかったナラガシワの高木、今日はひと叩き毎に多数のゼフが飛び出す。こと西播磨のゼフは例年に比べ発生が数日遅れていたことがこれで判明した。飛び出したゼフを注意深く観察すると、圧倒的に多いのがウスイロオナガシジミ、それに少数のヒロオビミドリシジミ、ウラジロミドリシジミが混じっている状態か。アカシジミ、ウラナミアカシジミは1頭も飛び出さない。少し離れたポイントでミズイロオナガシジミを見る。ナラガシワの枝中を注意深く見ていくとヒロオビミドリシジミ♀が静止していた。午前10時半を過ぎる頃からヒロオビミドリシジミ♂の占有行動が始まる。2ヶ所のテリ場を確認するが、残念ながらいずれも撮影できる位置ではなかった。ナラガシワの葉の茂みの奥にとまるウラジロミドリシジミ♂を見る。オオチャバネセセリ♂をササ原を延々と飛び続けている。たぶん探雌飛翔であろう。午後1時半撤収。〔西播磨〕

6月7日(晴れ時々曇り) 所用のため休暇を取り朝から但馬へ向かう。道端のアザミの花で蜜を吸うウラギンヒョウモン♂を見る。所用を大急ぎで終了させ播磨へ戻る。夕刻、キマダラルリツバメ♂の占有行動を見る。本日は2頭確認したが、2頭とも尾状突起を失った破損個体であった。いったいいつから現れたのだろうか?ルリタテハが高速で飛ぶのを見る。ミズイロオナガシジミ、アカシジミを見る。〔但馬、播磨〕

6月4日(晴れのち曇り) 西播磨のゼフィルスの発生状況を確認するため、早朝からナラガシワ林を回る。9mの叩き棒を使ってナラガシワの高所を確認していくが何も飛び出さない!まったく何も出て来ない!時々現れるのはルリシジミのみ。アカシジミやミズイロオナガシジミすら出て来ない。クリの開花が始まっていないため、時期的に早いのかもしれないが、いつもならウツギの花に来ている、ミドリヒョウモン、メスグロヒョウモン、ヒオドシチョウも姿を見せない。こんなに何もいない年は過去30年で初めてかもしれない。黒系アゲハも飛んでいない。仕方がないので路上に広がる水の染み出し個所に集まっているルリシジミを撮影する。早々に東播磨に戻り、これまで気になっている場所を訪ねる。小ピークでモンキアゲハ♂のパトロール飛翔を見る。アカシジミを見る。午後1時撤収。〔西播磨、東播磨〕

6月3日(曇り時々晴れ、のち晴れ) 遠方から来訪の友人と早朝から東播磨各地を回る。満を持して、先週、事前調査した半世紀前のオオミドリのテリ場を訪ねるがあいにく今日は曇り空、風も強く何も飛んでいない。今後調査を継続するか判断に迷うところ。早々に南下する。明るい草地にウラギンスジヒョウモン♂を見る。不活発個体ですぐに草むらに潜り込んでしまうことが多い。アザミで蜜を吸うモンキアゲハ♂を見る。目の前に舞い降りたアカシジミはすでにスレ&破損していた。撮影場所を移動する。畑の土手のヒメジオンで蜜を吸うキアゲハ♀を見る。池の土手の草地にウラギンスジヒョウモンを見るが、折からの強い風に流され撮影チャンスを逃す。さらに移動する。満開の栗の花の周辺を飛ぶメスグロヒョウモンを見る。吸蜜してるメスグロヒョウモン♂に求愛(?)するベニシジミ♂を見る。極端に大きさが違う別種に求愛するものかどうか判断が付かない。畑の植栽の柑橘植物周辺にアゲハチョウ多い。求愛行動を撮影する。各地でツマグロヒョウモン♂、ヒメアカタテハを見る。ツバメシジミの第2化個体を各地で見る。〔東播磨〕

5月28日(曇りのち晴れ、のち曇り) 早朝から岡山県境近くの西播磨各地を回る。ドン曇りで天候はイマイチだが、各地でウツギが満開、通常であればいろいろなチョウの吸蜜シーンを見られるところだが・・・。何もいない、全くいない、わずかにヒメウラナミジャノメ、アサマイチモンジを見るのみ。本日の目的種であるクモガタヒョウモンは気配すら感じない。ノアザミも開花の時期を迎えているが、何も花に来ていない。ナラガシワを叩いてみるが何も飛び出さない。クロヒカゲだけは新鮮。ないない尽くしの西播磨ではらちが明かないので早々に東播磨に戻る。昨日の延長戦でコムラサキを狙う。今日は10頭以上が活動しているようだ。産卵シーン確認。新鮮なヒメジャノメを見る。午後2時撤収。〔西播磨・東播磨〕 *昨日、ヒメヒカゲ保全エリアに無断で侵入し、採集行為を行った2名、しっかり姿を撮影している。特に午前9時に引き揚げた女性の採集者は悪質と判断し、機会があれば画像の公開を検討中。

5月27日(曇りのち晴れ) 早朝から近場を回る。約半世紀前にオオミドリシジミがテリを張っていたポイント情報を入手。時期的にまだすこし早い気もするが、とにかく行ってみる。それなりに環境は整っているように感じるが、残念ながらオオミの姿なし、来週再チャレンジの予定。池の土手や河川敷の法面に咲くノアザミ、この時期くらいから吸蜜にやってくるウラギンスジヒョウモンはまだ姿を見せない。登場は次の週末からか?咲き始めたクリの花に新鮮なテングチョウ、メスグロヒョウモン♂を見る。メスグロヒョウモン♂の吸蜜時間は短く、もっぱら探雌飛翔を繰り返す。樹冠を速いスピードで飛び回るため、撮影は四苦八苦、まあまあ見られる写真を撮るのに40分もかかってしまった!農業用ため池の周囲に生えるヤナギにコムラサキ多い。テリを張るオスはすでに破損している。撮影地を移動する。ウラゴマダラシジミ♂は先週に比べ一段と破損が進んでいる。アカシジミ、ナガサキアゲハ♂、ホシミスジ、夏型キタテハを見る。ルリシジミ♂は大きく、新鮮。午後3時撤収。〔東播磨〕

5月21日(晴れ) 「兵庫ウスイロヒョウモンモドキを守る会」・NPO法人「こどもとむしの会」の行事、ハチ高原ウスイロヒョウモンモドキ生息地を囲むシカの侵入防止柵の補修作業を行う。積雪による支柱の倒壊、破損が発生するためこの時期の恒例作業となる。午前10時から現地に向かい10:30から作業スタート、14:00まで計3個所の補修を行う。急斜面を上がったり下がったりで結構疲れるが、好天にも恵まれ予想以上に作業ははかどる。作業開始前に別宮の棚田でウスバシロチョウ(ウスバアゲハ)を撮影、作業中に新鮮なギンイチモンジセセリを見る。作業終了後にあたらめてギンイチモンジセセリを探し、何とか発見!集中して撮影する。〔但馬〕

5月20日(晴れのち曇り) 早朝から西播磨最深部に向かう。現地着9:30、天気予報は大きく外れ、小雨混じりのドン曇りの天気。仕方がないので天気の回復まで仮眠する。10:30、曇り空ながら廃屋前のツツジの植栽にオナガアゲハがやってくる。太陽は顔を出さないのに、気温が上がったためか黒系アゲハが次々登場。クロアゲハ♂、♀、カラスアゲハ♀、ミヤマカラスアゲハ♂、♀が姿を見せる。カラス♀は超新鮮。約1時間半、集中して撮影する。撮影場所を変える。渓流沿いのタニウツギに吸蜜にやってくるオナガアゲハ、ミヤマカラスアゲハを上から狙う。ややぼかした渓流を背景に広角で飛翔撮影を試みるが期待した位置に来てくれず撮影は失敗!清流のよどみから岩を登れないヘビを発見、シマヘビかと思ったらヤマカガシであった。大きく移動する。加古川河岸段丘の森にウラゴマダラシジミを見る。イボタの花は今が最盛期、ウラゴ♂が次々現れるが、すでに破損個体も混じっているようだ。今日はメスは未確認。エノキの樹冠を舞うゴマダラチョウを見る。イボタの花で蜜を吸うアオスジアゲハを見る。センダンも満開。17時撤収。〔西播磨、東播磨〕

5月14日(雨時々曇り) 職務上の出張で確保できた時間を利用して長野県北部に滞在する。天気さえよければクモマツマキチョウ狙える時期であるが、いつもは当たらない天気予報が今回は大当たり、冷たい雨が降り続く。宿にいても仕方がないので雨の中、クモツキポイントまで歩く。降り続く雨もさることながら、気温は10℃に達せず、これでは何も飛び出さない。しかし、淡い緑の中、しっとり濡れた森の小道はすがすがしく、心が洗われるような気持ちになる。午前11時宿に戻る。〔長野県〕

5月6日(曇り時々小雨、のち晴れ、午後から曇り、夕刻より雨) “朝からドン曇り、のち雨”を予想していたのに、青空が広がる。湿度が高く、夏のような一日。午前9時から近場を回る。池の土手のヤナギを見て回るが、コムラサキは未発生。雑木林の縁、神社の裏のツツジは最後の花がチラチラと残っている状態。残り花のある株を高速で次々にチェックしていくのはクロアゲハ♂とナガサキアゲハ♂を見る。明らかに吸蜜しているメスを探している飛び方。あまりに速いため、花にピントを固定し、花に近づいた瞬間を連写で撮影するが、うまくいかない。ますます風が強くなり、これ以上の撮影は困難と判断、10時半撤収する。〔東播磨〕

5月5日(午前・曇り:但馬、午後・曇り一時雨、のち晴れ:東播磨) 早朝からチョウ撮影とは別の用向きで但馬へ向かう。天気が良ければ撮影もと考えていたが、雲厚く、風強く、撮影できる状況にはない。所用終了後、早々に東播磨へ戻る。池の土手はミヤコグサで黄色の絨毯が広がっている。すこし歩いただけでも足元からシルビアシジミが飛び出す。撮影を続けたかったが、雨が落ちてきたため早々に撤収。自宅に戻ったとたん青空が広がる。〔但馬、東播磨〕

5月4日(晴れ時々曇り) 今日も遅めのスタート。ウスバシロチョウ撮影のため北に向かう。現地着は正午。さっそく多くのウスバシロが出迎えてくれる。多くの個体が棚田を優雅に舞うが、ひとたび日が陰ると一斉に活動を休止する。サンショウの残り花を探し、何とか蜜を吸っている個体がいる一方、サンショウの樹冠を飛び回り、メスを探すオスがいる。シキミの白い花にもよく吸蜜にやってくる。同種のオスは当然として、スジグロシロチョウやツマキチョウ、コミスジ、テングチョウを相手にした追尾飛翔を見る。この集落にこれほど多くのウスバシロが舞っている理由は、集落全体を大きく囲むようにシカ避けネットが張られていて、そのネットの内側にムラサキケマンが残っているため。民家一軒づつ、あるいは田んぼや畑を一枚づつ、狭く個別にネットが張られている集落のウスバシロは西播磨、但馬全域でほぼ壊滅状態。午後2時撤収。〔西播磨〕

5月3日(晴れ時々曇り) 朝、所用をこなしたため今日は遅めのフィールド出撃。西播磨最深部から但馬南部を巡る。山間部の廃屋、庭にかろうじて残っているキリシマツツジに期待通りミヤマカラスアゲハ♀が吸蜜に来ていた。スレや欠けは見られない新鮮個体。ただし、人の気配に敏感でなかなか近寄らせてくれない。遠目から約10分撮影するが、もうあと10分撮影したかった。同じ庭に生えているグミの花で吸蜜するオナガアゲハ♂を見る。渓谷沿いに生えるミツバウツギにアオバセセリを見る。吸蜜することはほとんどなく樹冠を盛んに飛び回っていた。しばらく観察しているうちにこれは探雌飛翔であることに気が付く。吸蜜は10分に一度程度、吸蜜時間は長くて10秒かくらいか。同じミツバウツギにコツバメの超スレ個体を見る。撮影地を移動する。ヤマトスジグロシロチョウが見られるポイントでは数頭が活動していた。但し、吸蜜源であるナガバノモミジイチゴの花期が終了しているため、飛んでいるばかりでシャッターチャンスはやって来ない。更に移動する。高標高地の集落上部の棚田にウスバシロチョウが舞う。今日は下見、明日の本番に備える。〔西播磨、但馬南部〕

5月2日(晴れ) 早朝から岡山県境近くの西播磨奥地の集落を回る。今回数年ぶりに訪ねたが、廃屋が一気に増え、確実に限界集落から消滅集落に向かっていた。かつて民家の庭先に咲いていたサツキやツツジは良い撮影ポイントだったのに、シカに食われたためかツツジの花株自体が無くなっている。車で流していても黒系アゲハは1頭も横切らない。ここ4~5年このような状況が続いている。個人的な感覚で言えば、10年前の1/10以下に数を減らしているように感じる。人が住まなくなった山里の集落、下草が無くなった山の斜面、爆発的に増えたシカ、激減している虫たち・・・、これらはたぶん一つにつながっているのであろう。私の生きているうちには元に戻らないことは確実であり、西播磨や但馬に行くたびに暗澹たる気分になる。昨日訪ねた渓谷沿いのポイントでトラフシジミを狙う。タニウツギが幼虫の食樹らしく、成虫もタニウツギから離れようとはしない。満開のグミで吸蜜するミヤマカラスアゲハ♀を見るが、高所ばかりで吸蜜を繰り返し、撮影できる高さまで降りて来ず。ミツバウツギにやってきたミヤマカラスアゲハ♂を狙うが、こちらは逆光の条件下でストレスが溜まる撮影となる。午後2時半撤収。〔西播磨〕

5月1日(晴れのち曇り、午後一時雨) 朝から西播磨の各地を回る。狙いはミヤマカラスアゲハ♀。午前9時、最初のポイントに到着するがまったく何も飛んでいない。ミツバウツギは今が適期、タニウツギはつぼみが膨らみ始めているが、開花にはあと一週間程度かかりそう。移動する。先々週ミヤマカラスを撮影したポイントでは、今日は登場するメンバーが代っていた。ミヤマカラスアゲハ、クロアゲハ、キアゲハは姿を見せず、盛んに追尾飛翔を見せていたのはアオスジアゲハ。モンキアゲハ、カラスアゲハ、アゲハチョウを見る。更に谷を代える。ヤマツツジにミヤマカラスアゲハ♂の吸蜜を見るが、すでに翅は破損していた。撮影中に雨雲襲来、今にも降り出しそう、急いで南下する。最後に訪ねたのは自宅近くのお気に入りの場所。サツキに代り、咲き始めたヒラドツツジにジャコウアゲハを見る。吸蜜より探雌飛翔に忙しい。カラスアゲハ、ナガサキアゲハもやってきたが、モロ逆光のポジション取りしかできず、撮影はイマイチ。今シーズン新たに導入した撮影機材を我の不注意から喪失する。金銭上も精神衛生上もダメージが大きく、ブルーな一日となる。〔西播磨、東播磨〕

4月30日(雨のち曇り、夕方から晴れ) 雨があがって数時間後、正午からフィールドに出る。今日は撮影目的ではなく、昨日回収できなかったギフチョウ保全看板の片付け作業。アクセスの悪いところばかり残したため、3時間アップダウン繰り返して疲労困憊!成虫が活動していた時期から約一ヶ月、木々の芽吹きは終わり、緑が濃さを増している。ピークで活動するアゲハチョウを見る。田んぼの土手のツバメシジミはオス、メスとも新鮮。ネギ坊主で蜜を吸うアカタテハを見る。〔東播磨〕

4月29日(晴れのち曇り、のち雨) 本日から9連休、今年は遠くに出掛ける予定もなく近場でじっくり撮影するつもり。「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」の恒例行事、ギフチョウの産卵調査を行う。例年に比べ今年は発生が早かったためか、すでに孵化している卵塊もある。合計5個所、じっくり3時間、ひたすらヒメカンアオイの葉を返し、卵塊の有無、卵数を調べる。越冬明けのクロコノマチョウが飛び出す。作業は昼過ぎに終了、午後は各地に設置してあるギフチョウ保全看板の回収にあたるが降雨のため作業開始早々撤収を余儀なくされる。〔東播磨〕

4月23日(晴れ) 昨日に比べ気温は上昇、この季節らしいさわやかな一日。大阪の箕面公園昆虫館の大温室で放チョウされたツシマウラボシシジミを見に行く。このチョウ、個人的に良い思い出がなく、苦い過去がよみがえる。当日、子供向けの昆虫イベントと重なり、温室内は大混雑。人工的な建物の中での撮影のため、背景をぼかして撮影する必要があり、300㎜望遠レンズを中心にカメラポジションを慎重に選ぶ。放たれた個体はすべて交配作業が完了した個体なので鮮度は良くない。おまけに個体識別のため裏面に黒点が追加されているため興覚めこの上ない。1時間半集中して撮影するが次第に飽きてくる。午前11時半撤収。〔大阪府〕

4月22日(晴れ) 天気は良いものの風強く、気温が上がらない一日。最高気温は20℃まで達しなかったもよう。早朝7時半から西播磨に向かう。現地には9時前に到着するが、気温が低く活動しているチョウはいない。咲き始めたツツジを見て回ると、体温を上げるため翅を広げ日光浴中のアゲハチョウが目に入る。10時頃からようやくチョウが飛び始める。キアゲハ2頭、アゲハチョウ2頭、テングチョウといったところが登場。10時半になりようやくミヤマカラスアゲハ♂が飛来する。残念ながら右後翅を大きく破損していた。撮影地を変える。時間の経過とともに、満開のヤマツツジに多くのアゲハが集まるようになる。モンキアゲハ、クロアゲハ、カラスアゲハ、キアゲハなどであるが、一番数多くやってきたのはミヤマカラスアゲハ。とは言いつつ、同じ個体が何度もやってくることから、個別個体数としては総数4頭前後と思われる。メスはボロボロが1頭、オスはバラエティーに富んでいた。後翅裏面の白条が太く、表面は真っ青個体、通常タイプながら超新鮮個体など。午後2時までの3時間、連写連写の連続で合計1500カット撮影する。午後2時を過ぎるとパタッとやってこなくなり止む無く撤収する。*本日撮影したクロアゲハ、無尾型個体の可能性があり、同行者の画像を含めて詳細チェック中。〔西播磨〕

4月16日(晴れ時々曇り) 上空に寒気が入ったらしく晴れ間が続かない不安定な一日。早朝8時、南向きの畑の土手にベニシジミ、ヤマトシジミ多い。ベニシジミはあちこちで求愛行動を見せている。丹念にシルビアを探すがなかなか見つからない。ようやく1頭発見、新鮮な♂、追いまわすうちにキンポウゲの花にとまり蜜を吸い始めた。ツマグロヒョウモン♂、ジャコウアゲハ♂を見る。栽培種のクサフジにとまるのはモンシロチョウ♂。撮影地を変える。いつもギフチョウ♀が産卵するヒメカンアオイ自生地で友人と合流する。まもなく1頭のメスが現れ、産卵を始める。結局9卵しか産まなかったが、思った以上に時間をかけていた。一連の行動を静止画ではなく動画で撮影する。雲が厚くなり一旦休憩、再び晴れ間が続くようになった30分後、2頭目のメスが現れ、産卵を始める。今度は広角レンズの静止画での撮影。再び雲が続くようになったのを契機に撮影地を変える。いつもの谷では今日もギフチョウが多い。ただしスレ&欠けメスばかりで、新鮮個体はいない。芽吹き途中のコナラの葉と青空をバックに飛翔を狙うがスカ写真の山を築く。更に移動する。雑木林の奥のギフチョウ発生地でコバノミツバツツジで蜜を吸うメスを見る。残念ながらここでも破損個体ばかり。この時期では仕方のないところ。ルリタテハ多い。サトキマダラヒカゲを見る。休耕田に生えるセリに産卵するキアゲハ♀を見る。〔東播磨〕

4月9日(晴れ) 友人の提案で東播磨以外のギフチョウを見に行く。積極的に保全活動が行われている生息地ではあるが、生息地の詳細状況の表現は割愛する。気温が上がり始めた9時半頃から姿を見せる。日向と日蔭が微妙なバランスでまだら模様になっている個所を好み、盛んにパトロール飛翔を繰り返す。広角レンズで飛び立つ瞬間を狙うが例によってスカ写真の山を築く。正午過ぎから訪花が始まるようで、コバノミツバツツジやアセビでの吸蜜を見る。アセビでの吸蜜を目撃したのは今日が初めて。田んぼの畔にベニシジミ、ツバメシジミ、モンキチョウ、モンシロチョウ、ツマキチョウが多い。エノキの新芽に産卵するテングチョウ♀を見る。コバノミツバツツジで蜜を吸うベニシジミ、アゲハチョウを見る。ベニシジミのコバノミツバツツジでの吸蜜を目撃するのも今日が初めて。所用のため午後2時撤収。〔兵庫県某所〕

4月8日(曇りのち晴れ、一時雨) 午前10時半頃から晴れ間が広がるが、寒気が一時的に入っているため、北風強く、この時期にしては肌寒い一日。先週に続き、今シーズン2回目の「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」観察会に参加する。先週に比べ参加者は多いが、天気が安定しないためなかなかギフチョウが登場しない。晴れる時間が続くようになってようやく1頭姿を見せる。一時間後、観察地を移動する。麓のヒメカンアオイ自生地で産卵のために低く飛ぶメスを見る。数分後に腹を曲げ、産卵を始めるが、産卵中に一気に雲が厚くなり、雨が落ちてくる。メスは産卵を中断し、静止状態に入り活動を再開せず。産卵はすでに始まっているようで複数個所で卵塊を見る。観察会は午前中で終了し、いつものピークに向かう。先週に続き山頂では多くのチョウが入り乱れて飛んでいる。ギフチョウ、アゲハチョウ、ヒオドシチョウ、ルリシジミ、ミヤマセセリとメンバーは変わっていない。ギフチョウはスレ&破損個体が多くなっているため、撮影に気合が入らない。帰り道、シルビアシジミを探すが未発生の模様。午後2時半撤収。〔東播磨〕

4月2日(晴れ) 遠方から来訪の友人と合流し、早朝からギフチョウ生息地を回る。晴れとは言え空全体に薄く雲がかかり、やや風が強い。一昨日に比べ数が少ないながら、ピークでは朝からオスがテリを張っている。今日は日曜日、予想通りチョウの数よりカメラマンの数の方がずっと多くなる。たまにコバノミツバツツジに吸蜜にやってくると、皆一斉に移動し、シャッター音が響く。正午前に別のピークに移動する。このピークは更に風が強く、活動しているギフチョウは1頭のみ。早々に場所を変える。ヒメカンアオイ自生地ではメスを探すオスが多いが、風が収まらず、撮影チャンスは少ない。友人の時間の関係で2時半撤収する。

4月1日(晴れ) この時期恒例の「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」成虫観察会に参加する。朝から快晴、気温はぐんぐん上昇し、朝9時半でもギフチョウは飛び回っている。ソメイヨシノは満開、しかし風が吹くたびに散り始める。今日もアゲハチョウ、キアゲハ、ヒオドシチョウが集まり、ギフチョウ含め追尾飛翔を繰り返す。一度だけ、ギフチョウ、アゲハチョウ、キアゲハ、1頭づつの3頭による追尾飛翔を目撃するが撮影は失敗。観察会の終了とともに撮影地を変える。森の中の陽だまりにコツバメ♂のテリ張りを見る。モミジイチゴの白い花で蜜を吸うのはトラフシジミ。牧草地を飛ぶのはツマキチョウ♂。更に移動する。ヒメカンアオイ自生地にはギフチョウが多いが、ギフチョウに負けず劣らずそれを狙うカメラマンも多い。探雌飛翔のオス、産卵するメス、コバノミツバツツジで蜜を吸うオス、今日もギフチョウはいろいろなシーンを見せてくれる。スレ個体や尾状突起なし個体も増えつつあるようだ。午後3時撤収。〔東播磨〕

3月31日(曇りのち晴れ) 年度未処理の有給休暇の消化のため今日は休み。薄曇りの中、午前9時半からフィールドに出る。目的は満開の桜でのギフチョウ吸蜜シーン、しかし一向に現れない。青空が広がり始めた午前11時、ようやく登場する。しかし地表スレスレの低い位置を飛ぶばかり、おまけにすぐに地表に舞い降りてしまい、なかなかうまく写せない。正午を回り、地面のスミレで蜜を吸うが、“葉かぶり”で写真の出来はイマイチ。午後1時前、やっとソメイヨシノの花で蜜を吸ってくれる。ピークではヒオドシチョウ、アゲハチョウ、キアゲハが入れ替わり立ち代わり現れ、同種、別種の区別なく追い駆け合う。午後2時、ギフチョウは姿を消す。撮影地を移動する。雑木林で舞うギフチョウを見る。時にコバノミツバツツジで蜜を吸う。午後3時撤収。〔東播磨〕

3月25日(朝は雨のち曇り、一時晴れ、のち曇り) 曇りがちの一日、最高気温は16℃。別の所用をこなしていたところ、11時ころから青空が見えだし急遽フィールドに向かう。ピークでは今日もアゲハチョウやルリシジミがパトロール飛翔を繰り返す。時にテリを張るヒオドシチョウともつれ合う。ミヤマセセリは地表近くを低く飛ぶ。ギフチョウは今日も姿を見せず。雲が厚くなり、午後1時撤収。〔東播磨〕

3月20日(晴れ) 昨日より気温は上昇、最高気温は20℃を超えたようだ。昨日訪ねたピークに今日は9時半から陣取る。10時前からミヤマセセリが飛び始める。10時半を過ぎるころからアゲハチョウ、ルリシジミが増えてくる。一番遅い登場は11時を過ぎて現れたヒオドシチョウ。本日、ピークに集まっていたのは、ミヤマセセリ数頭、アゲハチョウ3頭、ヒオドシチョウ5~6頭、ルリシジミ5~6頭といったところか。ヒオドシチョウ、アゲハチョウがお互い近づくと激しく追い駆け合う。ヒオドシ同士の場合は卍飛翔、猛スピードの追尾飛翔となり、上空高く舞い上がることもある。葉を落としているイヌザンショウの枝の先端に産卵するアゲハチョウ♀を見る。雑木林の中ではテングチョウ多い。今日もギフチョウは現れず。午後2時撤収。〔東播磨〕

3月19日(晴れ) 朝はやや冷え込んだが、午前9時を過ぎると気温は上昇し、春のような一日となる。加古川市内、小野市内のギフチョウ保全エリアで「ギフチョウ採集禁止」の看板設置の手伝いをする。すれ違うハイカーから「ご苦労様です」との声をかけていただくことが多い。10年近くこの時期に看板を設置しているため、多くの方がギフチョウのことを知っておられた。明るい雑木林にテングチョウ多い。卍飛翔を見せることも多いが、もう1頭加わり3頭になると卍飛翔は一瞬にして解消する。明るい尾根筋で活動するミヤマセセリを見る。ピークには多くのチョウが集まっている。数が多いのはルリシジミとアゲハチョウ。ときどきキアゲハが1頭加わる。この時期いつも数が多い越冬明けヒヨドシチョウはそれほど多くない。ルリタテハも姿を見せる。さすがにギフチョウはまだ早いようで見かけない。コツバメも姿を見せない。ヒサカキの花は今が満開、芳香が漂う。コバノミツバツツジも花株によってはすでに花をつけている。看板設置作業は午後2時終了、気温も下がり始めたため撤収する。〔東播磨〕

3月11日(晴れのち曇り一時雨、のち晴れ) 八重山遠征最終日、今日も朝8時半からフィールドに出る。2日前に同じく公園に向かう。なぜか今日はチョウが少ない。サンゴジュの花にオオゴマダラ、イシガケチョウが多い。青空をバックにオオゴマダラの飛翔シーンを狙うが思った位置に来てくれない。センダングサでウスキシロチョウ♂♀の吸蜜を見る。公園内の各地でアカタテハとルリタテハを見る。撮影地を移動する。次第に雲が厚くなり、ポツポツと雨が落ちてくる。こうなると大半の蝶は活動を停止する。撮影場所を変える。竹藪のそばのデイゴの大木の下でシロオビヒカゲを見る。この場所での本種の確認はこれで3回目。今日の個体は人の気配に敏感でなかなか近寄らせてくれない。山際の草地に今日も多くのチョウが群れている。センダングサ&ランタナにヤエヤマカラスアゲハ、アオスジアゲハ、ミカドアゲハ、ジャコウアゲハ、クロアゲハ、オオゴマダラが蜜を吸っている。そのなかに2頭のアオバセセリが混じっている。強烈な日差しの中、最後の気力を振り絞り、集中して撮影する。午後2時、すべての撮影を終了する。今回の遠征で初めて出遭った種はなかったが、5日間と日程に余裕があったため、ワンシーンごとに丁寧に撮影できたような気がする。〔石垣島〕

3月10日(晴れ) 朝から西表島に渡り、友人のレンタカーで各地を回る。少し山に入った遊歩道でさっそくリュウキュウウラボシシジミが登場する。白い小さな花(種名不明)にまとわりつき、吸蜜を繰り返す。このポイントでは、リュウキュウアサギマダラ、リュウキュウヒメジャノメ、マサキウラナミジャノメなど普通種が多い。移動する。パイナップル畑と林の境の明るい草地、センダングサの白い花に多くのチョウが群れている。ナミエシロチョウ、タイワンキチョウのなかにタイワンキマダラが混じる。さらに移動する。県道から山に入り込んだ道を進むとシロオビヒカゲが飛び出す。周囲を見渡せばお規模の大きい竹林(リュウキュウチク)が広がっている。道を進むと次々に現れてくる。真っ昼間でこの調子なら夕刻はどれだけの数が舞うのか空恐ろしくなってくる。さらに移動する。タイワンキマダラで有名なポイント、鮮度は様々だが複数の個体が次々現れる。いつもことながらこの種を撮影しているとすぐに飽きてくる。早々に移動する。薄暗い沢筋にリュウキュウウラボシシジミ♂を見る。極めて新鮮、狭い範囲を固執しているようで数mと離れない。たまに森の奥に消えても数分すれば必ず戻ってくる。撮影すること1時間、突然別の個体が現れ、白い花で吸蜜を始める。この個体どうやらメスらしく、一回り大きい。メスを見つけたオスはすぐ求愛行動に移る。初めは交尾を渋っていたメスだが、頭上3mの枯れ枝でついに交尾が成立する。お相手もメスも超新鮮!新鮮ペアの交尾を時間をかけて撮影する。移動を続ける。活動時間の違いもありテツイロビロウドセセリは姿を見せない。昨年秋にはあれほどいたルリモンジャノメにも出遭わない。田んぼの土手に生えるセンダングサで蜜を吸うヒメイチモンジセセリを見る。石垣島では見かけなかったベニモンアゲハ、タイワンアオバセセリを見る。午後4時半の渡し船で石垣島へ戻るが、行きと違って帰り便はサンゴ礁の外側に設定された航路を通るため、船は大揺れ、船酔いの一歩手前、気分が悪くなる。〔西表島〕

3月9日(晴れのち曇り、のち晴れ) 石垣島滞在3日目、朝9時から公園を歩く。朝の強烈な光の中、次々にチョウが現れる。リュウキュウヒメジャノメ、ヒメウラナミシジミ、ヤエヤマイチモンジ♀を撮影する。植栽のリュウキュウアセビにも多くのチョウが群れている。アオスジアゲハ、ミカドアゲハ、ヤエヤマカラスアゲハ、クロアゲハ、コウトウシロシタセセリ、ヤエヤマイチモンジ、イワサキタテハモドキがそのメンバー。その中に1頭、マルバネルリマダラが混じっていた。道端の草にとまるツマベニチョウを見る。陽が当たっていても午前9時はまだ活動時間ではないようだ。オキナワルリチラシ(蛾)の飛翔を見る。何度かの挑戦でやっとファインダーに捉えることができた。植栽のツツジ(ヒラドツツジ?)にクロアゲハ、ヤエヤマカラスアゲハを見る。黒系アゲハの撮影は背景の選択含め、注意すべきことが多い。クロボシセセリをみる。撮影場所を変える。3日連続で訪ねる草地では今日もヤエヤマカラスアゲハが多い。今日は早々に切り上げ、次へ向かおうとしていたところ頭上からシジミが舞い降り、センダングサで蜜を吸い始める。よく見ればイワカワシジミ♂、尾状突起も2本残り、比較的新鮮な個体。花を移動するタイミングを捉えての飛翔シーンを狙う。ところがこの判断が大間違い!10分経っても、20分経っても、30分経ってもこの花から動かない。こちらの集中力も限界に達し、カメラを持つ腕も震えがくる。やむなく人為的に刺激を与え花を揺らしたところ、瞬時に飛び立ち、二度と戻ってくることはなかった。最高速で連写を掛けながら花を揺らすべきであったと後から思いいたっても“後の祭り”の大失態!友人からの連絡があり、撮影場所を移動する。小さな谷のポイントでテリを張るコノハチョウ♂を見る。翅の破損はなく、美しい個体。翅を開くまで待つが、開く翅の角度がイマイチであった。昨日に続き訪ねた小ピークでは今日もスミナガシがテリを張る。ヤクシマルリシジミは昨日より数が多い。今日もアカタテハも姿を見せる。ヒメアサギマダラ、スジグロカバマダラの両種に今回の遠征で今日初めて出遭う。各地でリュウキュウムラサキのテリ張りを見る。午後4時撤収。〔石垣島〕

3月8日(晴れ時々曇り) 朝8時からフィールドに出る。日本列島の最西端&最南端に位置しているため、とにかく朝が遅い。横浜とは1時間くらい時差がある。気温は20℃を下回り、活動するチョウは少ない。9時を過ぎるとようやく気温が上昇し、チョウに限らず多くの虫が活動を始める。トベラの大木で蜜を吸うアサギマダラ、リュウキュウアサギマダラ、オオゴマダラ、ナミエシロチョウを見る。撮影場所を変える。山際のランタナの花壇にミカドアゲハやアオスジアゲハ、ヤエヤマカラスアゲハが次々やってくる。薄暗い茂みのなかでわずかに飛ぶ黒いチョウを発見、そっと近寄り慎重に確認すれば、シロオビヒカゲ♀であった。頭上から舞い降りてきたのはイワカワシジミ♂、数分の静止ののち、何の前触れもなく飛び去る。従って翅表の撮影は失敗!公園のサンダンカの生垣に来ていたのはクロアゲハとシロオビアゲハ、シロオビの方は超新鮮♀。昨日に同じく草地を訪ねる。新鮮なヤエヤマカラスアゲハにターゲットを絞り、集中して撮影する。水場で活動するヤエヤマイチモンジ♂を見る。次に訪ねたのは小ピーク、情報通りスミナガシがテリを張っていた。近くを通る同種のオスは当然のこととして、ヤクシマルリシジミにも反応して飛び立ち、追尾する。大きさが違うのに良く反応するものだ。逆に人間には反応せず、撮影には好都合。最多でスミナガシ3頭、アカタテハ2頭が追い駆け合っていた。午後4時半撤収する。〔石垣島〕

3月7日(晴れ時々曇り) 転勤休暇を使って本日から八重山遠征。関西空港発7:30、新石垣空港着10:00、レンタカーを借りて撮影を開始する。気温は20℃を少し超えたくらいで本土の5月のような気候。秋に比べ、活動しているチョウは少ない。オオゴマダラを除き、他のマダラはほとんど見かけない。いつもなら撮影の邪魔になるくらいに数が多いスジグロカバマダラやツマムラサキマダラ、リュウキュウアサギマダラがこれほど少ないとちょっと拍子抜けする。シロチョウも少ない。有名ポイントの公園を散策する。ヒメウラナミシジミが多い。日蔭の暗い場所を飛ぶクロテンシロチョウを見る。スミレで蜜を吸っていた。咲き始めたトベラで蜜を吸うのはイシガケチョウ。テリを張るリュウキュウムラサキを見る。ミカドアゲハ新鮮、翅表は明るいブルー、翅裏はクリーム色だが、見る角度によって黄金色に輝く。森の中をチラチラ飛ぶシジミ、追っていけばクチナシの高所にとまり翅を開く。予想通りのイワカワシジミ、残念ながら翅の破損が見られるメス。撮影場所を変える。山際の草地にチョウが多い。センダングサで蜜を吸うヤエヤマカラスアゲハを集中して撮影する。ボロから新鮮まで鮮度は様々。クロアゲハ、アオスジアゲハ、ミカドアゲハも次々やってくる。ナミエシロチョウ♂はボロ、イチモンジセセリ、クロセセリ、コウトウシロシタセセリを見る。車の運転中、ハイビスカスの生垣を飛ぶオオシロモンセセリを見る。すぐさま車を止め集中して撮影する。午後4時撤収する。〔石垣島〕

3月7日~11日 今年初めての八重山(石垣島・西表島)へ遠征する。

3月6日(快晴) 先週末、7年間の単身赴任に終止符を打ち、兵庫県に戻る。荷物の整理が一段落した正午からフィールドに出る。気温は14℃、4月初旬の陽気。雑木林の中ではテングチョウ多い。時に追尾飛翔を見せる。コナラの幹にコゲラ(キツツキ)の活動を見る。雑木林を歩いていても、個人的に強烈に春を感じるヒサカキの花の芳香はまだ漂っていない。南向きの畑の土手は暖かいを通り越して暑いくらい。土手の法面にベニシジミを見る。モンキチョウ多い。ざっと数えても10頭はいるようだ。越冬明けのキタテハは活動が盛ん。モンシロチョウを見る。満開の梅の花で蜜を吸うアカタテハを探すが見つからず。代わって蜜を吸っていたのはメジロのペア、被写体をチョウから鳥に代えて撮影を楽しむ。〔東播磨〕

2月4日(晴れ時々曇り) 久しぶりにフィールドに出る。正午を過ぎると気温は10℃に達し、春のように暖かい。モンキチョウなら出ているかも?と期待したが姿を見せず。畑の土手の法面、スイバの株でベニシジミの幼虫を探す。まず見つかったのは日向ぼっこ中のナナホシテントウの幼虫、同じ株の根元でベニシジミ幼虫を見る。〔東播磨〕

1月8日(晴れ) 午前10時から11時までの1時間のみフィールドに出る。無風快晴、10時の時点で8℃しかないが春のように暖かい。いつもの斜面の陽だまりにベニシジミの活動を見る。タンポポで蜜を吸っていたメスにオスが近づく。おのオス、よく見れば1月3日に確認したビークマーク付きのオス。交尾拒否するメスを追い立て、アベマキの落ち葉に移動、執拗に求愛するが交尾は成立せず。この2頭のほかにも更に1~2頭活動していた。時間的にまだ早いのか、今日はモンキチョウを確認できず。〔東播磨〕

1月3日(晴れ) 午前11時の時点で気温は9℃しかないが、風弱く、日差し強く、春のような日。いつもの斜面にモンキチョウ♂が活発に飛び回っている。今日は5~6頭いる感じ。枯芝の上に咲くタンポポで蜜を吸う新鮮なベニシジミ♂を見る。翅の縁に白い縁毛が残っていたが、後翅には見事なビークマークを付けていた。新鮮度から推測するとここ数日のうちで羽化した個体かもしれない。今日はチョウより鳥に出遭う日。コウノトリが上空を円を描いて舞う。同じく、ハイタカ、ノスリの飛翔を見る。水を落とした溜池にコサギ、チュウサギ、アオサギが集まる。アオサギが捕えた魚が大きいため容易に呑み込めず四苦八苦、10分経ってももがいていた。〔東播磨〕

1月1日(晴れ) 年が変わり、気温が上がった午後1時から初撮影のためフィールドに出る。西寄りの風は強いが風の影に入ると暖かい。タンポポで吸蜜中のキタキチョウを踏みつけそうになる。越冬中であっても越冬を一時中断し、活動する姿を時々見る。いつもの斜面に今日もモンキチョウが飛ぶ。今日は2~3頭が活動しているようだ。今日は広角で飛翔を狙う。午後2時撤収。〔東播磨〕


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