◆2024年フィールド日誌


12月30日(雲り時々晴れ) 朝は氷点下まで冷え込み、日中も陽光弱く、気温が上がらない寒い日。年末の所用をこなしたのち、10時半からフィールドに出る。風は弱いものの、気温は8度しかない。畑の土手を歩くが、何も姿を見せない。土手を行ったり来たりしているうちに、ようやくモンキチョウ♂が飛び出す。タンポポで蜜を吸う以外は、飛び回ることなく、斜面の法面で翅を倒し、日光浴を繰り返す。ベニシジミを探すが見つからない。正午撤収。〔東播磨〕

12月22日(晴れ時々曇り) 冬型の気圧配置で肌寒い日。新たに導入した撮影機材の機能確認を兼ねて、午前11時からフィールドに出る。直接北風が当たらない畑の土手は暖かい。陽が差している時間帯はモンキチョウが活発に飛び回る。ベニシジミも活動盛ん。ひとたび陽が陰ると一斉に活動を停止する。ヤマトシジミ、ウラナミシジミ、モンシロチョウは姿を見せず。12時半撤収。〔東播磨〕

12月21日(晴れ) 天気予報は外れ、朝から青空が広がる。所用をこなしたのち、午前10時からフィールドに出る。市街地の中の神社、郊外の畑、2箇所を回りエノキの根元に降りていると思われるゴマダラチョウの越冬幼虫を探す。神社境内のエノキの大木、期待通り根元の落ち葉の裏に幼虫を見る。短時間ながら4頭が見つかった。郊外へ移動する。5月に樹冠をゴマダラチョウが舞っていたので、ここでも簡単に見つかると思っていたが、見つからない。ケヤキの樹皮の裏で集団越冬するヤノナミガタチビタマムシ(甲虫)を見る。午前11時半撤収。〔東播磨〕

12月15日(晴れ時々曇り) 冬型の気圧配置で西風強く、肌寒い日。この冬2回目の「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」の野外作業。今日は雑木林の中で、ギフチョウ生息地の環境整備に汗する。具体的には、ヒメカンアオイの自生を促すために、ヒサカキ、ソヨゴ、イヌツゲの常緑樹の枝打ち、切り倒しを行う。本日の参加者は少なかったものの、ひんやりした森の中の空気もすがすがしく、作業は思った以上にはかどる。作業は昼前に終了。そのあと単独で南向きの畑の土手を歩く。昼前でも気温は7℃しかないため、活動するチョウは少ない。わずかにベニシジミ、ウラナミシジミ、モンキチョウ、モンシロチョウを見るのみ。ヤマトシジミを探すが姿を見せず。雲が広がり始めたため12時半で撤収。〔東播磨〕

12月8日(晴れ) 昨日より一段と寒い一日。正午でも車外温度計は9℃を指す。西寄りの風が強い冬本番の日。所用をこなした後、午前10時半からフィールドに出る。アラカシの南向きの縁でムラサキシジミを探すが姿を見せず。代わりに出てきたのはキタキチョウ。いつもの畑に移動する。シロバナセンダングサの群落では今日はチョウが少ない。数頭のヤマトシジミとウラナミシジミを見るのみ。風が遮られた畑にベニシジミ、モンキチョウ、モンシロチョウを見る。正午撤収。〔東播磨〕

12月7日(晴れ) 気温は低く、午前9時時点で8℃しかなかったが、快晴の一日。この時期恒例の「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」野外作業。ヒメヒカゲ生息地の草地保全作業に汗する。巨木になったヤマモモの下枝打ち、マツやイヌツゲ、ヒサカキの除去を行う。参加人数は7人と少なかったが、皆熱心に作業に当たったため、見る見るうちに草地が広がっていく。作業中にキタテハ、キタキチョウを見る。しかし日頃慣れていないノコギリ作業に疲労困憊!正午前に作業は終了。午後からウラゴマダラシジミ越冬卵を探す。今日は探し始めてすぐ見つかった。6卵の卵塊だったが、無傷は1卵のみ、1卵は大きく何かに食い破られ、残り4卵はかじられていた。モンシロチョウを見る。〔東播磨〕

12月1日(晴れ) 快晴の暖かい日。気温が上がった午前10時からフィールドに出る。秋から冬にかけてのお気に入り、南向きの畑の周辺を歩く。各地でヤマトシジミが群れ飛んでいる。ベニシジミ、ウラナミシジミも元気に活動している。シロバナセンダングサで蜜を吸うウラナミシジミを時間をかけて撮影する。ホトケノザで蜜を吸うのはキタキチョウ、モンキチョウ。ツマグロヒョウモン、キタテハを見る。咲き始めたビワの花には何も来ていなかった。正午撤収。〔東播磨〕

11月30日(曇り) 西風が強い肌寒い日。車のバッテリー上がりで、フィールドに出るのが遅れる。午前11時から西播磨へ向かう。目的はウラジロミドリシジミの越冬卵調査。10年ほど前の調査では簡単に見つかったのに全く見つからない。6月の成虫シーズンでは、例年に比べやや少なかった感はあるものの、これほど卵が見つからないとは思ってもみなかった。唯一見つけた卵をルーペを使って確認すれば、明らかにゼフ卵とは違っていた。午後2時撤収。〔西播磨〕

11月23日(晴れ) 北寄りの風が吹くやや肌寒い一日。早朝から近場を回る。まずは畑を取り囲むように広がる雑木林のなかへ。目的はイボタに産み付けられたウラゴマダラシジミの越冬卵探し。しかしまったく見つけることができない。今シーズンは発生した成虫が少なかったため、それが影響しているのであろう。場所を変えて再び探すが、やはり見つからない。次に向かったのは小さな湿地のハンノキ林、イノシシ侵入防止柵が張り巡らされ、中に入ることが出来ず、ミドリシジミ越冬卵調査は断念せざるを得ない。最後に、雑木林の縁に広がる畑の周辺を歩く。完全に北風が遮られ暖かい。シロバナセンダングサの残り花にチョウが多い。数が多い順から、ヤマトシジミ、チャバネセセリ、ベニシジミ、ウラナミシジミ、モンシロチョウ、モンキチョウ、ツマグロヒョウモンなど。今日はキタテハは来ていない。池の土手にシルビアシジミを探すが見つからない。正午撤収。〔東播磨〕

*11月15日から11月18日まで、今年2度目の海外遠征!香港で撮影してきました。近々“海外遠征”コーナーで公開します。しばらくお待ちください。

11月10日(晴れ、午後から曇り) 但馬とは大違いの暖かい日。正午過ぎで車外温度計は23℃を示す。シロバナセンダングサは今が満開!多くのチョウが集まっている。一番多いのはヤマトシジミとチャバネセセリ。その他、ウラナミシジミ、ベニシジミ、モンキチョウ、キタテハ、キタキチョウ、ツマグロヒョウモンといった“普通種”に混じって、今日はツマグロキチョウの吸蜜を見る。当地では数年ぶりの出遭い!以降、この個体に的を絞り、じっくり時間をかけて撮影する。プリキャプチャー(パスト連写)機能を使って撮影したため、不要画像の削除に四苦八苦。正午過ぎ撤収。〔東播磨〕

11月9日(晴れ) やや気温は低いが秋晴れの好天。早朝から但馬に向かう。日本のマチュピチュ:和田山竹田城城址はすっぽり霧に覆われている。向かいの立雲峡には多くのカメラマンがスタンバっていることだろう。渓谷最深部から更に歩き、ウラジロガシの大木に到着。すぐにヒサマツミドリシジミの卵が見つかる。隣に枝にも、その隣の枝にも卵が付いていることから、集中的に産卵されているようだ。更に注意深くヒサマツ母チョウを探すが、さすがにこの時期では見つからない。途中、民家の庭先にフジバカマの群落を発見!気温の低い行き時にはツマグロヒョウモンばかりが集まり、気温が高くなった帰りはキタテハばかりが集まっていた。山道を大移動し、カシワ林に到着。ハヤシミドリシジミの卵を探し始めるが、落葉していないこの時期の卵探しの困難さに気が付き、早々に諦め、撤収する。〔但馬〕

11月4日(晴れ) 昨日に続き秋晴れの良い天気。アサギマダラ目的でフジバカマが見られるところをネットで探し訪ねるが、アサギマダラはおろか何もチョウがいない。早々に転進する。くるまを走らせながら庭先のフジバカマが見つからない。次に訪ねたのはクロツバメシジミの生息地。満開のツメレンゲで蜜を吸うシーンを思い描いてきたのだが、見事に外れる。ツメレンゲ自体の数が少なく、お目当てのクロツバメの数も少なく、やっと見つけてもスレ個体ばかり。結局、吸蜜シーンは一度も見ず。しおれたツメレンゲの花穂にとまったスレ個体を時間をかけて撮影する。アカタテハ、ウラナミシジミ、ツマグロヒョウモン多い。午後1時半撤収。〔東播磨、西播磨〕

11月3日(晴れ時々曇り) 昨日の悪天候が嘘のように、朝から晴れ間が広がるが、森の中は至る所で増水し、道が川になっている。秋のヒサマツミドリシジミ♀の産卵シーンを求めて、西播磨最深部から但馬南部の各地を回る。時期的にやや遅く、しかも気温は20℃に達しない条件での出遭いは厳しい。唯一一ヶ所、ウラジロガシの頂芽付近を舞うそれらしき個体を目撃したが、一瞬のことでもあり、証拠写真すら得られず。ウラジロガシの樹冠で活動するウラギンシジミを見る。ウラジロガシを見て回るなか、新鮮なヒメウラナミジャノメを見る。これほど遅い時期に出遭うのは珍しい。車で移動中、民家の庭先の花畑に多くのチョウが舞っているのを発見。フジバカマの群落に集まっていたのは、多くのキタテハと2頭のアカタテハ。その他にも、モンシロチョウ、チャバネセセリ、ヤマトシジミなどを確認する。ツマグロヒョウモンはキバナコスモスがお気に入りのようで、フジバカマにはやってこない。午後2時撤収。〔西播磨、但馬〕

10月26日(曇り) 加古川市主催のECOフェスタに出展する。会場はショッピングモールの吹抜け大空間。出展内容は毎回同じで、チョウとガの判別クイズ、チョウ塗り絵、チョウ折り紙。買い物に来られた一般大衆向けのイベントなので、いつもとは若干勝手が違う。それでも未就学児童(幼稚園の年長)がチョウとガを正確に判別したことに心底驚く。このような昆虫少年を増やしていかなければならないことを改めて感じる。午後4時終了。〔東播磨〕

10月17日(晴れ時々曇り) 今回の遠征の最終日。午前8時前からフィールドに出る。前日に回ったなかで一番チョウが集まっていたハマセンダンの花が咲くポイントに向かう。少々風は強いものの、信じられないくらいの数のマダラチョウが集まっている。これまで20回以上沖縄&八重山へ撮影に来ているが、ひとつの花株に集まっているチョウの密度としては最も高いように感じる。集まっているのは、ツマムラサキマダラ、スジグロカバマダラ、マルバネルリマダラがその中心となっているが、これにオオゴマダラ、ヤエヤマカラスアゲハ、アオスジアゲハ、クロアゲハ、ジャコウアゲハ、ベニモンアゲハ、ツマベニチョウ、リュウキュウミスジ、ヤエヤマイチモンジが加わる。小さなチョウとしては、コウトウシロシタセセリ、キチョウの類、シジミの類も見かける。逆にいつも多いウスキシロチョウやナミエシロチョウはあまり来ていないようだ。一瞬、風が強くなると、一斉に舞い上がり、実に壮観!時間が許すならばいつまでも見ていたい夢のような光景だ。撮影2時間、後ろ髪を引かれる想いで場所を変える。公園内で見かけるチョウは昨日と変わらない。しかし11時を過ぎると炎天下では猛烈な暑さとなり、ひなたでの撮影は数分が限界となる。暑くなるとハマセンダンで蜜を吸うチョウの数も減ってくる。さらに移動する。小ピークでテリを張るリュウキュウムラサキ♂を見る。この個体、昨日も同じ場所でテリを張っていた。高速で飛び回り、テリを張るのはヤクシマルリシジミ。森の中の道を車で流しながら、時々停車し、周辺を確認する。ヤエヤマウラナミジャノメを見る。雲が厚くなったタイミングでクチナシの周辺を飛ぶシジミチョウを発見、今回の遠征の最終日でやっと出遭ったイワカワシジミだ。光量不足の中、証拠写真程度の出来ではあるが、なんとか飛翔シーンを撮影することができた。午後3時半、すべての撮影を終了し帰途に就く。〔石垣島〕

10月16日(晴れ時々曇り雨) 本日から石垣島。八重山の典型的な天気で目まぐるしく空模様が変わる一日。朝7時半からフィールドに出る。本日出遭った種はどれも当地で見られる普通種ばかりだが、本土と違うのは当然として、沖縄本島とも相当に違っている。以下、種ごとに違いを示す。ツマムラサキマダラは石垣島でも多いが、爆発的な数が見られた沖縄本島ほどではない。同じようにシロオビアゲハも沖縄本島ではウジャウジャ湧いていたが、石垣島ではそれほど目立たない。本島北部では発生の最盛期だったナガサキアゲハ、基本的に石垣島には棲息していないのでここで見かけることはない。マルバネルリマダラは本島では5~6度見かけたが、石垣島では普通に見られる。カバマダラは本島、石垣島とももともとそれほど多くない種だが、今回の遠征では両者各地でそこそこの数が見られた。クロアゲハは石垣島の方が多い。ミカドアゲハは本島では一度しか見なかったが、石垣島ではポツポツ飛んでいた。本島ではもともと棲息していない、あるいは、棲息していても今回見かけなかったが、石垣島では結構普通に見られた種としては、イワサキタテハモドキ、スジグロカバマダラ、ヒメアサギマダラ、ベニモンアゲハ、ヤエヤマカラスアゲハ、ヤエヤマムラサキ、タイワンアオバセセリ、コウトウシロシタセセリ、ウスアオオナガウラナミシジミなど。吸蜜源として、石垣島では、カラスザンショウは今が終盤、ハマセンダンは満開か、少し前の段階。午後4時撤収。〔石垣島〕

10月15日(曇り時々雨、一時晴れ) 大急ぎで朝食を済ませ、昨日、ナガサキアゲハ有尾型♀を撮影したポイントに向かう。現地着8:30。強烈な朝陽が差したかと思えば、時を同じくして猛烈な蒸し暑さが襲ってくる。湿度は相当高いと思われる。天気は目まぐるしく変わり、曇ったと思えばスコールがやってくる。雨脚が強くなければ、晴れでも、曇りでも、少々の雨でも、天候に左右されることなくナガサキアハは蜜を吸う。視界に入る範囲でも、10頭以上のナガサキが活動中。その中からひたすら尾のないメスを探す。数分後、あっけなく見つかる。以降、20分から30分おきに別の有尾メスが次々飛来し、蜜を吸う。どのメスも交尾済らしく、求愛のため寄ってくるオスをいなしながら、花を移っていく。(*あとで撮影した有尾メスの画像を詳細に確認すれば、前日撮影した個体は混じっておらず、完全に入れ替わっていた) ナガサキに加え、今日もツマベニチョウ、モンキアゲハ、オキナワカラスアゲハ、シロオビアゲハが次々やってくる。ハイビスカスで蜜を吸うことはないが、アオスジアゲハ、ジャコウアゲハが目の前を通過する。一度だけミカドアゲハも通過した。11時頃からまったく陽が差さなくなり、曇りと雨が繰り返すようになる。次第に雨の時間が長くなり、やがて本降りに。ナガサキの撮影を終了し移動する。車で山道を流してみるが、昨日あれほど活動していたツマムラサキマダラもシロオビアゲハも見かけない。それでも、よく見れば、センダングサに翅を閉じてとまり、雨をやり過ごしているようだ。県北部ではこれ以上、天気の回復は見込めないと判断、那覇に向かって南下する。午後1時半、今回の遠征をスタートさせた市内の公園に到着。雨は降っていないが、強烈な蒸し暑さの中、公園内を歩く。明るいところに咲くハイビスカスにツマベニチョウがまとわりつく。オオゴマダラ、カバマダラ、タテハモドキ、アオタテハモドキ、ウスキシロチョウ、ウラナミシロチョウを見る。午後3時、沖縄本島での撮影を終了し、夕刻の便で石垣島に向かう。〔沖縄本島北部、南部〕

10月14日(晴れ) 今日も名護をベースに周辺を回る。朝9時、小さな集落の中の道沿い、ハイビスカスの生垣にナガサキアゲハとツマベニチョウが舞っている。人慣れしているのかどうか分からないが、警戒心がなく、どれだけ近寄っても逃げない。時々モンキアゲハがやってくる。遠目にクロアゲハ♀らしきチョウを確認したが、間に合わず同定はできなかった。ナガサキアゲハ♀を撮影中、オキナワカラスアゲハ♀が飛来するが、なんとナガサキ♀と同じ花にやってきた。結局ナガサキの陰になり、カラスは撮影できず。新鮮なメスだっただけに残念!破損の少ないナガサキ♀を物色しながら撮影していると、尾状突起のある個体を発見!いわゆる有尾型だ!以前から数が少なく、撮影はたいへんと聞いていただけに、これ以降はこの個体を執拗に追い掛け撮影する。後翅の白紋はよく発達していたが、翅の各所に破損があり、羽化から時間が経っていることは明か。更に30分後、別の有尾型メスが現れる。先刻のメスとは明らかに別、後翅の白紋の発達は悪いが、翅の破損がまったくない、いわゆる“完品”メス。追い掛け回し100カット以上撮影する。約2時間、ナガサキ♀を中心に撮影する。太陽の方向が悪くなったのを契機として撮影地を変える。やや暗い林道に入り、イワカワシジミを探すが現れない、と言うか気配すら感じない。別の場所に転戦すべく、車に戻る途中、小さな白いシジミが路肩のセンダングサの周りをチラチラ舞っている。もしや?と思い確認すれば、予想通りリュウキュウウラボシシジミであった。慎重に撮影する。さらに移動する。これ以降は昨日と同じコースを巡る。頭上2mを高速で飛び回るのはオキナワビロウドセセリ。気温が高いためか、直射日光を避けるためか、静止するのは決まって葉の裏だ。今日もセンダングサで蜜を吸うツマムラサキマダラ、シロオビアゲハが多い。午後4時撤収。〔沖縄本島北部〕

10月13日(晴れ時々曇り一時雨:沖縄本島) 早朝から北に向かい、名護、本部、今帰仁の各地を回る。まず訪ねたのはリュウキュウウラナミジャノメの生息地。取り立てて特徴のない疎林の中にある車道の道沿いのポイントだ。車を降りて数歩も歩かないうちにセンダングサの蜜を吸うリュウキュウウラナミジャノメを確認する。やや鮮度が落ちていたため、20~30カット撮影したところで次のターゲットを求めて歩を進める。結果的にこれが大失敗!次の個体が現れない!仕方がないので先刻の個体を探すが見当たらない。ポイントと呼ばれる約100mの範囲を行ったり来たり、1時間後にやっと次の個体が現れる。状況が状況だけに、今度はじっくり時間をかけて撮影する。移動する。次に訪ねたのはシークワーサーの果樹園が広がる斜面の小道。車の運転中、大木のトックリキワタの花に多くのチョウが集まっているのが目に入る。ナガサキアゲハとシロオビアゲハがおのおの約20頭、ツマベニチョウとアオスジアゲハも5~10頭、これほど集まると実に壮観。ナガサキアゲハ♀を中心に時間を掛けて撮影する。道沿いの明るい草地に咲くセンダングサの群落にはおびただしい数のツマムラサキマダラとシロオビアゲハが集まっている。両種の数を数えたら50頭は優に超えていた。さらに移動する。次に狙うはイワカワシジミ。事前に友人から得ていた過去の撮影地を訪ねるが、イワカワの気配を感じない。おまけに降雨もあり、早々に車に戻る。20分もすれば晴れ間が戻る。雨上がりのアスファルトの路面に多くのシロオビアゲハ♂が舞い降り、吸水する。さらに移動する。山頂にある展望台、アオスジアゲハが風に流されていく。ここでは見慣れたツマグロヒョウモン♂がテリを張る。午後3時を過ぎるころからスミナガシが現れテリを張る。午後3時半撤収。〔沖縄本島北部〕

10月12日(晴れ:沖縄本島) 前日の夜、那覇入り。朝からレンタカーを借り、早々に撮影に向かう。まずは那覇市内の公園へ。駐車場の脇の小さな花壇にチョウが集まっている。ヘクソカズラに似たつる性植物の花に来ていたのはタテハモドキとクロマダラソテツシジミ。ざっと見てタテハモドキは5~6頭はいたようだ。民家の庭先に咲くハブソウ(マメ科)にシロチョウがまとわりついている。じっくり見ればすべてウラナミシロチョウのようだ。石垣島では時々見かけるチョウだが、本島で見るのは今回が初めて。産卵するメスに2頭のオスがまとわりつくが、メスはオスをかわしながら産卵を続ける。高所を飛ぶウスキシロチョウがときどき地表近くまで急降下してくるのを見る。草地を確認すれば、今抜け出したばかりの蛹の殻につかまり翅を延ばしているウスキシロチョウを見つける。この個体、どうやらオスらしく、確認に降りてくるオス達もオスと判断したとたん、早々に舞い上がるようだ。見上げれば本種の食樹であるナンバンサイカチ(?)の大木。シロチョウは食樹で蛹化するものと思っていたが、一部のゼフのように地表に降りて蛹化することもあるのかもしれない。明るい草地に占有行動中のアオタテハモドキ♂が多い。占有面積は2~4㎡くらいか。同種のオスが近づくと、すばやく飛び立ち、もつれるように舞い上がる。明るいところに咲くサンダンカに来ていたのは、ナガサキアゲハ、オオゴマダラ、ツマベニチョウ、シロオビアゲハ。やや暗いところではツマムラサキマダラが活動している。移動する。次に訪ねたのも街中の公園。ところどころに木陰がある遊歩道を歩く。木陰のセンダングサの群落に集まっていたのは多くのツマムラサキマダラ。20頭くらいはいただろうか。路肩のセンダングサで蜜を吸う黒系のマダラチョウ、ツマムラサキとはちょっと違う感じがあり、よく見ればマルバネルリマダラであった。八重山では普通種に成り下がるほど数が多いが、ここ本島にもいるとは驚いた。この遊歩道で、アカタテハ、ルリタテハ、テングチョウ、アゲハチョウ(ナミアゲハ)を見る。リュウキュウミスジ多い。さらに移動する。次に訪ねたのは世界遺産の古城史跡。遊歩道から外れた道に踏み込めばそこかしこに各種マダラチョウやシロオビアゲハが群れている。最も多いのはツマムラサキだが、リュウキュウアサギマダラ、カバマダラも混じっている。ここでもマルバネルリマダラに出遭う。チョウが多いことは大いに結構だが、やぶ蚊の多さも半端ではない!ここやぶ蚊は攻撃性が高く、少々の防虫ジェルの塗布では効果が薄い。高所を猛スピードで飛び回るセセリ。よく見ればオキナワビロウドセセリ、テリ張り中のオスらしく、同種のオスは当然として、近づくハチやアブなどにも反応し盛んに追尾していた。各所でアオスジアゲハ多い。午後3時撤収。〔沖縄本島南部〕

10月5日(曇り時々晴れ) 天気予報では兵庫県全域で終日晴れ、天気予報を信じ、西播磨北部へヒサマツミドリシジミ♀を求めて車を走らせるが、北上するにつれ次第に雲が厚くなり、目的地到着時にはドン曇り、しかも気温は19℃しかない。これではヒサマツは飛ばない。早々に次へ移動する。ここでも順調にウラジロガシの休眠芽は発達しているが、活動しているのはウラギンシジミのみ。ヒサマツ♀は今日は不発の模様。路肩に生えるヒメアザミは今が満開、あちこちでミドリヒョウモンが蜜を吸っている。昨年見かけたウラギンヒョウモンは1頭もいない。ヒメアザミに来ていたクロホウジャク(蛾)を相手にカメラの試し撮りを行う。更に北上に但馬南部まで達するが、一向に天気が安定しない。各地でヒガンバナ(曼殊沙華)が満開、例年より10日遅れ。午後1時撤収。〔西播磨北部、但馬南部〕

9月29日(曇り) 昨日より更に気温が下がり、日中でも車載温度計は28℃しか上がっていない。午前中に所用をこなし、午後からフィールドに出る。昨日、ウラギンスジヒョウモン♂を撮影した湿原に急ぐ。現地に到着後、キセルアザミを丹念に見ていくと、今日はメスが蜜を吸っていた。しかもそれほど破損が見られない美麗個体。前翅先端の白紋も鮮やかで、堂々たる大きさのメス。じっくり時間をかけて撮影する。今日は気温が低いためか、あちこちのキセルアザミにメスグロヒョウモン♀が蜜を吸いに来ていた。イヌザンショウの幼木に産卵するアゲハチョウ♀を見る。午後2時半撤収。〔東播磨〕

9月28日(曇り) 朝晩はやや涼しくなったが、日中は気温30℃前後まで上昇し、蒸し暑い日が続いている。今日も近場の撮影ポイントを回る。出だしからカラスアゲハの飛翔を見る。東播磨低地では、春は時々見る機会があるが、夏型は大変珍しい。たわわに実った稲穂にとまるキタテハ夏型を見る。アラカシにムラサキシジミが多い。撮影地を移動する。雑木林の中に広がる湿地、満開のヒヨドリバナやハギで蜜を吸うメスグロヒョウモン♀を見る。キセルアザミ(マアザミ)で蜜を吸うのはウラギンスジヒョウモン♂、ミドリヒョウモン♂。例年より半月遅れでやっと夏眠明けの各ヒョウモンが現れたことになる。ミドリヒョウモンは当地で発生したわけではなく、この時期になって県中央部の高原から降りてきた個体であろう。雑木林の縁に舞う黒い影、クロヒカゲかと思ったらムラサキツバメであった。当地では見かける機会は少なく、数年に一度くらいしか遭遇する機会はない。この個体、一瞬しかとまらずシャッターチャンスなし。最後に訪ねたソバ畑、今日はモンシロチョウ、モンキチョウ、キアゲハ♂、アゲハチョウ♀、メスグロヒョウモン♂♀、ツマグロヒョウモン♀が集まっている。ツマグロヒョウモン♀、メスグロヒョウモン♀にターゲットを絞り集中して撮影する。午後1時撤収。〔東播磨〕

9月23日(東播磨:晴れ、西播磨北部:曇り時々雨) 前線が南に下がったのに伴い、カラッとした秋の空気に入れ替わる。この時期のライフワークとしているヒサマツミドリシジミ♀の秋の活動調査のため、西播磨最深部の渓谷に向かう。渓谷に近づくにつれ、雲が厚くなり、ついに雨粒が落ちてくる。しかも気温は19℃しかない。これではヒサマツは飛ばない。偶数年に休眠芽をつけるこの渓谷のウラジロガシ、今年も順調に大きくなっているのを確認できたのが唯一の成果。大急ぎで東播磨に戻る(=往復180km、所要4時間が無駄となる)。1週間前に新たに発見したソバ畑はちょうど今が満開。運よくアゲハチョウ2頭、キアゲハ2頭、キタテハ1頭が蜜を吸いに集まっている。比較的翅の破損が少ないキアゲハ♀に狙いを定め、静止画、動画と時間をかけて撮影する。2日前に訪ねた池の法面の湿地へ移動する。お花畑は満開だが、今日もツマグロヒョウモン、キタキチョウ、ツバメシジミしか見かけない。車の運転中、後翅の白紋が鮮やかなナガサキアゲハ♀の飛翔を見る。午後2時撤収。〔西播磨、東播磨〕

9月21日(曇り) 日差しはないが湿度が高く蒸し暑い一日。午前9時から近場を回る。田んぼと雑木林の境目のクズにキマダラセセリ、ウラギンシジミを見る。アラカシで活動するのはムラサキシジミ。池の土手にヤマトシジミがウンカのごとく飛び回っている。よく見れば地表はカタバミがびっしり。移動する。池の法面の湿地草地は秋の花々が咲き誇っている。サワヒヨドリ、ツリガネニンジン、ワレモコウ、キセルアザミ、オミナエシ、オトコエシ、シロサワギクなどお花畑状態。残念ながら、花に比べチョウは少ない。ツマグロヒョウモン、キアゲハ、アゲハチョウ、ツバメシジミ、キタキチョウくらいしかいない。さらに移動する。雑木林の中の湿地に咲くキセルアザミにアゲハチョウの吸蜜を見る。畑の土手に咲くニラの花にキタテハを見る。最後に訪ねた雑木林に囲まれた畑、溝に咲くニラの花にメスグロヒョウモン♂を見る。探し回ってようやく出遭った夏眠明けのヒョウモン第1号。アサマイチモンジ♂のテリ張りを見る。正午撤収。〔東播磨〕

9月16日(晴れ時々曇り) “夏はいつ終わるのだろう”と思う一日。今日の車外温度計はMAX36℃を示す。午前11時から近場を回る。各地でニラの白い花が咲いているのに蜜を吸っているチョウはいない。里山の湿地でもマアザミ(キセルアザミ)やサワヒヨドリが咲き始めているのにここでも蜜を吸っているチョウはいない。例年なら、そろそろ夏眠明けのメスグロヒョウモン、ウラギンスジヒョウモンが姿を見せる時期なのだが、今日のような気温の高さでは、まだ活動しないのだろう。池の土手のではオミナエシが満開、ところどころでアゲハチョウが蜜を吸う。キタキチョウの交尾を見る。池の法面の草地にツバメシジミが多い。計6箇所を回る予定だったが、あまりの暑さに3箇所回ったところで終了する。〔東播磨〕

9月14日(晴れ) 車外温度計はMAX34℃を示す真夏のような一日。西播磨北部、但馬南部、東播磨の各地を回る。西播磨の渓谷でスミナガシを見るが、とまっている角度が悪く、横に動いたとたん飛び去られ、それっきり戻らず。ちょうど1年前、ミヤマカラスアゲハとミドリヒョウモン、ウラギンヒョウモンが群れていたアザミはまだつぼみか、咲き始めの状態、従って何もいない。車の運転中、まったく黒系アゲハを見ないということは、どこへ行ってもいない証拠。満開のソバ畑にチョウを探すが何もいない。そんなことはないだろうと根気よく探すと、遠くにアカタテハ、モンキチョウが見つかった。車を運転しながら、民家の庭先に咲くヒャクニチソウやキバナコスモスを丹念にチェックしていくが何も来てない。東播磨北部の棚田の空地、咲き始めたニラの花で蜜を吸うミドリヒョウモン♂を見る。石垣に舞うクロツバメシジミを見る。2週間前に比べ、やや数を増しているか?新鮮なメスの産卵行動を見るが産卵はせず。直射日光で熱くなった石垣の石にはとまることが少なく、葉の上にとまることが多い。東播磨を南下する。畑の土手にツマグロヒョウモン♀を見るが、遠目にも違和感を覚える。近寄って確認すれば、両翅とも翅表の先端部がやや白化していた。午後2時撤収。〔西播磨、但馬、東播磨〕、

9月7日(晴れ) 所属する“加古川の里山・ギフチョウ・ネット”の作業日。早朝からギフチョウ生息地の環境整備作業に汗を流す。具体的には、地表に生えるササの刈り取りの他、ヒサカキ、イヌツゲなど常緑木の除去を行う。日蔭と言えども、蒸し暑く、少し動いただけでも汗がしたたり落ちる。併せて、マムシにも注意を払いながら作業を進める。しかし、今日はあまりにも暑く、作業は2時間で終了する。以降、単独行動となり、2週間前に訪れた東播磨最深部のソバ畑に向かう。2週間前は咲き始めの時期だったが、今は満開、ソバの花の独特の芳香が強烈に漂っている。気温が高いためか、今日は集まっているチョウが少ない。飛び回っているヒョウモンはすべてミドリヒョウモン♂のようだ。ソバの花で吸蜜する時間は短く、ちょっとでも近寄ればすぐに飛び立ってしまう。どうやらメス探しが今日の活動の中心らしい。結局、一度もシャッターチャンスなし。廃屋の庭先に生えるヒャクニチソウにクロアゲハ♀の吸蜜を見る。残念ながら左後翅は大きく破損していた。キアゲハ♀、アカタテハ♀を見る。午後2時撤収。〔東播磨〕

9月1日(晴れ時々曇り) 台風一過、朝から晴れ間が広がる。午前10時より近場を回る。池の土手の草地にシルビアシジミを見る。オス、メス両方見かけるがオスの方がやや数が多い。鮮度は様々。数m離れた道沿いはヤマトシジミばかりで、明らかに棲み分けている。コマツナギの花で蜜を吸うメスを見る。池のほとりに生えるヤナギのコムラサキを見る。畑の法面のアレチハナガサの花で蜜を吸うのはアゲハチョウ、イチモンジセセリ、キマダラセセリ。畑の柑橘類の新芽に産卵するアゲハチョウを見る。炎天下で活動するナガサキアゲハ、アオスジアゲハ、ルリタテハを見る。〔東播磨〕

8月25日(晴れ) 昼にかけて溜まった所用をこなし、午後1時半から炎天下のフィールドに出る。車外温度計は37℃を示す。この夏、行きそびれていたコムラサキの撮影に向かう。池の土手のヤナギに4頭、5頭と停まっている。いずれの個体も直射日光を避けて、日蔭に停まる。新鮮個体からボロまで鮮度は様々。撮影地を移動する。別の池の土手のヤナギにもやはりコムラサキが停まっていた。静止画、動画と撮影する。さらに移動する。車を運転しながらヒャクニチソウの花株をチェックしていくが、アゲハ、キアゲハは来ていない。数カ所目でやっと見つけたキアゲハだったが、カメラをセットする前にアゲハにつられ飛び立ち、戻ってこなかった。炎天下の撮影は1時間が限度!早々に撤収する。〔東播磨〕

8月24日(晴れ) ソバ畑を求めて東播磨最深部の棚田まで車を走らせる。期待通り、棚田にはソバ畑が広がっていた。しかし、どの畑も花をつけ始めたばかりらしく、ソバ畑特有のむせ返るような芳香は漂っていない。それでもチョウはそこそこ集まっている。アカタテハ、ベニシジミ、イチモンジセセリ、キマダラセセリ、モンキチョウ、ツマグロヒョウモンなど、取り立ててめぼしい種はいないが、カメラアングルに注意しながら時間をかけて撮影する。期待したアゲハチョウやキアゲハは来ていなかった。撮影地を移動する。民家の石垣に棲息するクロツバメシジミを探すがなかなか見つからない。たぶん、今は端境期なのであろう。やっと2個体を確認する。カラムシに産卵するアカタテハが多い。車の運転中、クサギの花に黒系アゲハが来ていないか注意深く見ていくが、今日は1頭も確認できず。正午撤収。〔東播磨〕

8月18日(晴れ) 猛暑の中、自宅近くで良い写真が撮れないかと車で流す。果樹園のフェンスに絡みついたノブドウ(?)の花にアオスジアゲハが集まっている。その数4頭、暑さをものともせず、蜜を求めて花から花へとせわしなく移動する。イヌザンショウの新芽にアゲハチョウ♀を見るが、期待した産卵はせず飛び去る。これから秋にかけて多くのチョウが集まると思われるソバ畑を探すが見つからない。例年ソバ畑だったところは、今年は休耕田だ。民家の庭先や畑の一角に植えられているヒャクニチソウの群落も今年は良いものがない。車外温度計は36℃から37℃を示し、撮影は中止、早々に撤収する。〔東播磨〕

8月17日(曇り一時雨) 県北部の天気はイマイチとの予報を気にせず、朝から但馬に向かう。標高800mでは、午前10時でも気温は低く、20℃をやっと超えたところ。ドン曇りのなか、この気温では何も飛び出さない。シカ侵入防止策が張り巡らされた暗い森の中でヤマキマダラヒカゲを見る。この森の中はマムシが多いらしく、短時間で二度遭遇する。ヒメキマダラセセリ多い。ゲンノショウコ(?)で蜜を吸う。撮影地を移動する。高原のカシワ林で高枝を叩くとハヤシミドリシジミが飛び出す。最初に飛び出したボロ個体、薄日が差したと思ったら、葉の先端に移動し翅を開いた。何と!オス!この時期までオスが生き残っているとは思ってもみなかった。破損の少ない個体は例外なくメスのようだ。開翅するメスを二度目撃する。カシワの高所からはミズイロオナガシジミも飛び出す。翅裏は擦れているものの、翅に大きな破損は見られない。ジャノメチョウ多い。草地に降りているもの、カシワの葉に潜んでいるもの、様々だがこの時期とにかく数が多い。更に、いつものことだが、カシワ林に踏み込めば、衣類に大量のダニが付く。車に乗る前に慎重に払い落す。さらに移動する。小ピークは雲の中、気温は22℃、小雨交じりの状況では何も活動していない。やや明るくなると、カラスアゲハ、モンキアゲハ、キアゲハが活動を始める。ここで期待したスミナガシは姿を見せず。アカタテハを見る。麓の民家裏の法面に咲くクサギで蜜を吸うモンキアゲハ、クロアゲハを見る。午後4時撤収。〔但馬〕

8月14日(晴れのち曇り) 二日前に撮影しそこなったスミナガシを求めて、早朝から西播磨に向かう。渓谷は涼しく午前9時でも25~26℃しかない。路上で吸水中のミヤマカラスアゲハ♂を見るが、この個体、人の気配に敏感でまったく近寄らせてくれない。ここ数年のことだが、この渓谷はシカのすさまじい食害により、ディアライン(シカが首を上げて食べられる高さ)より下層では、シカが忌避する植物しか残っていない。従って、見かけるチョウは極めて少ない。何とか今でも見られるのはミヤマカラスくらいだが、それでも20年前と比べると激減している。二日前にスミナガシらしき影を見た曲がり角を注意深く確認すると、予想通り黒い影が舞っている。このスミナガシ、落ち着きがなく、パットと飛んではとまり、数秒後またパッと飛び立ち、数m移動してとまる。大きな石にとまったところを連写で撮影する。いつものミヤマカラスのポイントでは今日は4頭集まっていた。新鮮なサカハチチョウを見る。午前11時撤収。〔西播磨〕

8月12日(曇り一時晴れ) 少し遅めのスタートで西播磨最深部に向かう。渓谷沿いの遊歩道で吸水するミヤマカラスアゲハ♂を狙うが、第一ポイントに姿なし。第二ポイントでようやく吸水中のオス1頭を発見。今日は新たに導入したカメラでの初撮影、しかし、手探りの初撮影ではカメラの“癖”を掴むまでには至らない。今日はあちこち移動せず、この1頭のみを被写体として、いろいろ試してみることに心が決まる。残念ながら左後翅尾状突起の先端をわずかに欠損していた。動画含めて約400カット撮影する。薄暗い路上から飛び立った黒いタテハはスミナガシか?午前10時半撤収。〔西播磨〕

8月10日(曇りのち晴れ) 今日から9連休、3年振りに岡山県北部へゴマシジミを見に行く。自宅発午前4時、現地着6時、いつものことながら草地はしっとり朝露に濡れている。草地に踏む込んだ瞬間にずぶ濡れになる。ほうほうの体で斜面の草地に這い上がっても何も飛び出さない。探すこと30分、やっとボロメスを発見、翅は大破のスレスレ個体、最後の1卵まで産卵を完了してくれることを願うばかりだ。急斜面で破損のない2個体を近接して発見、陽を浴びて翅を開くまで動かないことを決める。気温は25℃に届いていないようで、それほど暑くない。陽は差さず、曇りの天気が続く。待つこと1時間半、晴れ間が続くようになり、ようやく1頭が翅を開き始める。新鮮なメスのようだ。もう1頭は飛び去ったらしくいつの間にか姿を消していた。撮影を続けること30分、水平まで翅を開くことはなく、開翅の最大角度は90℃くらいか。気温の上昇が感じられたころ、不意に飛び立ち斜面上部へ飛び去る。本日は気温が低かったためか、活動している個体はまったく見られず。それにしてもゴマシジミの少なさに比べ、採集者の多さには心底ウンザリ。斜面で待機している間に見かけたネットマンは7~8人。現在当地のゴマシジミが受けている採集圧はすさまじく、採り尽くされないことを祈るばかり。このままこのような状況が続けば、姿を消す可能性が高く、今のうちに何とか規制できないものかとまたしても考えさせられる一日となる。ツマグロキチョウの飛翔を見る。午前9時半撤収。〔岡山県北部〕

8月3日、4日(晴れ) 夏休みの週末、この時期の恒例行事、兵庫県青少年科学の集い・東はりま会場へ「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」から出展する。 例年通り、フエルアルバム上に翅のみの展翅をさせるコーナー、標本箱にチョウとガをランダムに並べチョウとガを当てさせるコーナー、未就学児童向けのチョウ塗り絵コーナー、デフォルメされたチョウ折り紙コーナーを設置する。小生の担当は、チョウとガを当てさせるコーナー、自分で言うのも何だが、毎回順番待ちができるほどの人気コーナーだ。言葉で表現すれば何ということなく簡単にできそうな感じがするが、これが超難関!正解率は50%を少し超えたくらいで、見た目の美しさでは判断できないことを実物を前に説明する。また、“チョウとガはどこが違うのか?”との質問に対しては、“チョウとガは明確には区別できず、広義のガの仲間(鱗翅目)のなかのわずかなグループをチョウと呼んでいるだけ”、との説明も欠かさない。例年のことだが、どのコーナーも大盛況!年々顔見知りの子供も増え、和気あいあいと時間が過ぎる。この行事への出展を10年以上続いていることもあって、最初のころ小学生だった参加者の一人は、今では立派な社会人23歳となり、こちらスタッフ側での参加となっている。もはやチョウ以上に絶滅危惧となった昆虫少年少女、少しでも昆虫に興味を持つ子供が増えることを願って止まない。〔東播磨〕

7月27日(晴れ) 猛暑日のため炎天下のの撮影は困難。例年に比べ時期的にやや早いが、早朝から西播磨奥地の渓谷に向かう。予想通り鬱蒼とした渓谷の林道は涼しい。狙うはミヤマカラスアゲハの集団吸水シーン。ポツポツと路上で吸水しているが、集団吸水には程遠く、単独か多くても2頭、しかもムチャクチャ人の気配に敏感で良い写真が撮れない。一旦飛び立てば、なかなか戻ってこない。10,000歩歩いて吸水していたのは4箇所のみ。その他見かけたのは、コムラサキ、ヒメアカタテハ各一度のみ。正午撤収。〔西播磨〕

7月26日(晴れ時々曇り) 急遽、休暇を取って鈴鹿に向かう。狙うはキリシマミドリシジミ。はるか昔のガキの頃、多くの本種を採集した報いか、執念を持ってここ15年狙っているも、まともな写真が撮れていない。自宅発午前2時半、ポイント着5時半。一番乗りかと思っていたが、2番目の到着だ。30分も経たず、陽が差し始めるが何も飛び出さない。オスの最初の飛翔は6時半。以降30分に一度のペースで飛来し、結構近くまでやってくるが、とまることなく飛び去る。晴れと曇りが交互にやってくる絶好の天気、しかも気温はそれほど高くなく、爽やかな風が吹き抜けていく。午前10時半、3~4mの距離ながら、ついに撮影可能なアカガシの葉に静止し、間髪おかず翅を開いてくれる。全開翅になれば、翅表が強烈に輝くため、露出を大きくマイナスに補正する。翅に欠けやスレもなく、この時期にしては珍しい完全個体。集中して撮影する。その後も二度三度と飛来し、近くにとまってくれるが翅を開くことはなく、翅裏面のみの撮影となる。このポイント上部では最多で3~4頭がテリを張っているようだが、他から侵入してくる個体が少ないためか、追尾飛翔へ移行するシーンは少ない。久しぶりに、日本産ゼフのなかで最速の飛翔スピードと最も機敏なターンを堪能する。その他、夏型トラフシジミ、ムラサキシジミ、イチモンジチョウを見る。午後2時撤収。〔三重県鈴鹿〕

7月20日(雨のち曇り、時々晴れ) 遠征二日目。上高地ではオオイチモンジに出遭う可能性なしと判断し、谷ひとつ西側、岐阜県北部の山岳林道に入る。豪雨の影響で朝から行動にうつせず。ようやく林道を歩き始めたのは雨が小降りになった午前9時過ぎから。しかし、雲厚く、気温は20℃以下では活動するチョウはいない。午前11時半、薄日が差し、気温が上がると、ようやくチョウの活動が始まる。渓谷に掛かる橋の空間で卍巴飛翔を繰り返すジョウザンミドリシジミを見る。コムラサキ、コチャバネセリ、ヤマキマダラヒカゲが多いのは上高地に同じ。テリを張るヒメキマダラセセリ♂を見る。ヤナギの高所に飛来したオレンジ色の影、望遠レンズを通して確認すればジョウザンヒトリ(蛾)であった。咲き始めたヨツバヒヨドリで蜜を吸うコヒョウモンを見る。この個体、触角を1本欠損していた。ここでひそかに期待していたオオゴマシジミは姿を見せず。時期尚早か?今日もオオイチには出遭えず。ここでも気配を感じることはなかった。午後2時撤収。〔岐阜県飛騨〕

7月19日(曇り) 友人の希望に沿う形で、オオイチモンジ撮影のため12年振りに上高地へ向かう。現地着8時、あいにくのドン曇りの空の下、遊歩道を歩く。天気が悪い影響もあるだろうが、悲しくなるくらい見かけるチョウの数は少ない。コチャバネセセリ、ヤマキマダラヒカゲ以外はほとんど何もいない状態。気温の上昇とともにようやくコムラサキがポツポツ現れる。獣糞などに集まっていたとしてもその数はせいぜい10頭以下。コンクリート壁にとまるシータテハを見る。咲き始めたヨツバヒヨドリに来ていたのはスレスレのウラゴマダラシジミ♀。クガイソウで蜜を吸うツマジロウラジャノメ♀を見る。人の気配に敏感で、撮影のため少しでも近寄ると、すぐ移動してしまう。河原に続く砂地にとまるヒメシジミ♂を見る。ササの葉にとまるのはゴイシシジミを見る。クガイソウで蜜を吸う黒い影、近づき確認すれば、“オオイチ”ではなく、“ダタイチ”(イチモンジチョウ)であった。フタスジチョウを見るがとまらず、シャッターチャンスなし。クロヒカゲ多い。アザミで蜜を吸うウラギンヒョウモンを見る。結局お目当てのオオイチに出遭うことはなく、その気配さえまったく感じられず。午後4時撤収。〔長野県上高地〕

7月13日(晴れ時々曇り) 梅雨前線の位置から、県南部の播磨より県北部の但馬の方が天気が良いと判断!早朝から北に向かう。本日の目的は数年前から姿を見せていない各種の生息確認。最初はクロシジミ、かつての有名生息地を訪ねる。最後に撮影したのは2018年。丹念に探すが、残念ながら生息している雰囲気がまったく感じられない。見られなくなった原因は複数あると思われるが、とどめを刺したのは過度の採集であることに間違いない!スジボソヤマキチョウも姿を見せない。兵庫県内でのもっとも最近の撮影は2015年。姿を消した原因ははっきりしていて、シカの爆発的な増加による生息環境の破壊以外に考えられない。次はオナガシジミ。長野県などでは普通種だが、兵庫県内での撮影はもともと容易ではない。もっとも最近の撮影は2014年。見られなくなったのはマイポイントのみの可能性が高く、それほど心配することはないのかもしれない。最後に探したのはホシチャバネセセリ、2017年を最後に見ていない。以前は2箇所で観察・撮影していたが、いずれの生息地もピンポイントであり、2箇所ともいなくなった可能性が高い。生息環境に変化は感じられないため、減少の原因は不明。その他の目撃・確認したのは・・・。森の中で舞い降りてきたのはオオミドリシジミ♀。高原のカシワ林でハヤシミドリシジミを見る。オス、メスとも数はそれほど多くない感じ。カシワの高枝を叩き、落ちてきたのは、キマダラルリツバメ、ミズイロオナガシジミ、アカシジミ、ウラミスジシジミ。キマルリは産卵時期のメス。ウラミスジは落ちたススキの葉で翅を開いたが、カメラの準備に手間取り、あえなく飛び去られ、撮影は失敗!満開のノリウツギのヒョウモンが多い。蜜を吸っていたのはオオウラギンスジヒョウモン、ウラギンヒョウモン。2種ともオスはすべて破損個体だが、メスは新鮮。スキー場で活動するキチョウのなかにポツポツとツマグロキチョウが混じる。この時期、草原で普通に見られるコキマダラセセリ、なぜかほとんど見かけない。時期的な問題なのか、今年の発生個体数の問題なのかは不明。ジャノメチョウ、ホソバセセリ多い。午後2時撤収。〔但馬〕

7月6日(晴れ) 早朝から西播磨の最も西側を、岡山県に入ったり出たりしながら、南から北に向かう。2015年を最後に9年間姿を見せていないクロシジミを探すが見つからない。鶏舎を建てるべく重機を入れて造成に掛かったが、すぐ計画中止、しかしこのほんの少しの造成が致命傷になったらしく、これ以降姿を見せない。北に向かう。ナラガシワ系ゼフが多産する雑木林、ナラガシワの高枝を叩くが何も飛び出さない。時期的にオスはいないにしても、メスもいないとは!今年は近年稀に見ないほどの超不作年だったもよう。濡れた地面で吸水するコチャバネセセリ多い。さらに移動する。オオムラサキが来ていないかと“樹液食堂”を回るが、何もいない。いたのはスレたキマダラモドキのみ。高標高地のカシワ林にハヤシミドリシジミ多い。やっとまともな数のチョウを見て、ざわついていた心が落ち着く。ただ、樹冠を移動するばかりで撮影可能な下部まで降りて来ない。鮮度は確認できず。午後1時撤収。〔西播磨、岡山県東部〕

6月29日(雨のち曇り、午後から晴れ) ヒサマツミドリシジミ♀の撮影に誘われ、早朝4時自宅発で滋賀県に向かう。小生の出身地である滋賀へは久しぶりの“里帰り”、懐かしい山々を見ると感慨深い想いがこみ上げる。午前8時、ポイント着。折から降り続く小雨に、辺りはしっとり濡れ、湿度100%。9時を過ぎるころから雨は止み、気温の上昇が感じられるようになる。ウラジロノキの葉にとまるヒサマツミドリシジミを見る。葉の表面に付いた黒っぽい分泌物を盛んに舐めとっているようだ。ヒサマツだけでなく、ハエやハムシ、小さな蜂(?)、アリ、コメツキムシなども集まっている。この汁、余程おいしいのだろうか?残念ながらこのヒサマツ、狙っていたメスではなくオス。ウラギンシジミが次々飛来するが、一見、ゼフに見え、紛らわしい。銀白のシジミが飛来、これは間違えようのないウラクロシジミ♂。この時期の個体にしては比較的破損が少なく、じっくり時間をかけて撮影する。兵庫県では数が少ないミスジチョウやイチモンジチョウも姿を見せる。天気予報通り昼前から晴れるが飛来するチョウは少なく、わずかにヒサマツ♂が一度飛来したのみ。産み付けられた卵と近くで静止するモリアオガエルを見る。午後2時撤収。〔滋賀県〕

6月22日(晴れのち曇り、夕刻から雨) 午前のみ晴れ間が出ると判断し、早朝から但馬に向かう。大急ぎでゼフが見られるマイポイントを巡る。朝8時、高標高地の小さな谷にアイノミドリシジミの活動を見る。ただし、例年に比べ数は少ない。いつも混飛しているジョウザンミドリシジミは確認できず。フジミドリシジミも下草に降りていなかった。移動する。ハルニレの大木の高枝を叩くとカラスシジミが飛び出す。すでに気温が上がっているため、樹冠を高速で移動するばかりで、撮影可能な位置まで降りて来ない。撮影できずイライラしていたところ、ふと下草を見れば交尾するカラスシジミのペアが鎮座していた。時間をかけて撮影する。さらに移動する。高原のカシワ林ではハヤシミドリシジミが出始めたようだ。しかしまだ数は少ない。ウラミスジシジミ、ミズイロオナガシジミ、キマダラルリツバメは姿を見せず。午前10時半撤収。〔但馬〕

6月19日(晴れ) 早朝から歩いてヒサマツミドリシジミのテリ張りポイントを目指す。途中のゼフポイントではフジミドリシジミが多い。残念ながらどの個体も見るも無残な破損個体ばかり!ボロフジ撮影中にヒサマツ♂が降りてくる。地面に舞い降りたら即、吸水を始める。しかし吸水は長く続かず、数分後前触れもなく飛び立ち、頭上高く消える。更に、別のゼフが舞い降りる。皆の意見を確認すれば、“これはエゾミドリシジミだ!”と意見の一致をみる。地表での吸水シーンばかり撮影していたため、上方に配慮がなく、ふと見上げれば、ジョウザンミドリシジミのテリ張り、追尾飛翔、卍飛翔が始まっていた。しかし、例年より活動している個体が少なく、多くとも10頭くらいか?アイノミドリシジミも混じるようになるが、こちらも少なく、せいぜい1~2頭しか確認できない。ウラクロシジミ♂も登場するがこちらも大破個体であった。午前10時、ヒサマツのテリ場に向かって移動する。途中、尾根筋でテリを張っていたのはオオミドリシジミ。路上で吸水しているアイノミドリ♂を見る。一日の活動の最後に地表から吸水する行動のようだ。午前11時、ヒサマツのテリ場に到着。待つこと1時間、正午過ぎからヒサマツが姿を見せる。次第に数を増し、複数個所で追尾飛翔、卍飛翔を繰り広げる。目の前の葉先にとまっても、カメラのレンズを気にしている様子は伺えない。しかし友人のストロボには敏感に反応する個体がいる一方、まったく気にしていない個体がいて興味深い。一度だけ、ヒサマツのメスらしき個体が飛来するが、静止した時間が短く、しっかり確認できず。炎天下でかつ、集中しての撮影が続く。のどが乾いているのに、持参したお茶はすでに飲み干していることもあって、次第に疲れを感じるようになる。“熱中症”が頭をよぎる。午後2時半、同じ状況下にあった友人たちと意見が一致し、下山を決意する。下山途中に確認したのは、フジミドリ♀(午前中の♂に比べ、まだ新鮮)と、ミズイロオナガシジミ。沢筋でテリを張っていたのはメスアカミドリシジミか?遠方でのテリ張りだったため確認できず。路上の水たまりで吸水するミヤマカラスアゲハ夏型♂を見る。午後4時完全撤収。〔但馬〕

6月18日(雨のち晴れ) 遠方からの友人をピックアップし、雨の中、早朝から但馬に向かう。午前9時半、ナラガシワの高枝をたたくとウラジロミドリシジミが飛び出す。確認できたオスはどれもオオスレ個体。その他にもゼフがパラパラ飛び出すが、樹冠に舞い上がることが多く、同定できず。更に遠方からの友人と合流し、ヒサマツミドリシジミ♂のテリ張りポイントに向かう。午前11時ポイント着。時間的に活動にはまだ早く、姿を見せるのはムラサキシジミ、ルリシジミ、トラフシジミ(夏型)、テングチョウ辺りが精一杯。午後1時、最初のヒサマツが現れる。翅を閉じて葉先で静止することが多く、翅を開いたとしても45度V字がMAX。数回、他のオスが現れ、追尾飛翔を見せるが、大半の時間は1頭のみの活動となる。午後2時半、テリ場からいなくなったオスは結局戻らず。以降この場ではヒサマツは現れなかった。原因として考えられるのは、晴れてはいるものの気温は17℃~18℃くらいしかなく、活動が活性化しなかったのかも?別のテリ場へ移動する。ここでは1頭が活動中。ただし頭上高い位置なので、撮影には適さない。同じ場所ではスミナガシ2頭が盛んに追い駆け合っていた。アカシジミが飛ぶのを確認する。本種の他に、ミドリシジミ、ミズイロオナガシジミとも今年の兵庫県下東播磨、但馬全域で極めて数が少なく、ほとんど見かけることはない。ミドリシジミは例年の1/100以下の発生個体数ではないかと思われる。ウラナミアカシジミに至っては、今日現在で未確認。午後5時撤収。〔但馬〕

6月15日(晴れ) ゼフ撮影のため、早朝から但馬に向かう。午前8時前、ナラガシワの中木を叩くと、ウラジロミドリシジミが飛び出す。飛び出したオスはスレ、欠け個体ばかり。羽化後一週間以上、時間が経過している感じ。オスに比べメスは新鮮。翅裏も翅表も大きなスレは見られない。更に飛び出したこげ茶色のチョウ、じっくり見れば、ウラミスジシジミ、数年ぶりの確認となる。標高を上げ、ヒサマツミドリシジミのポイントに向かう。ポイント着は9時半、南風が強く、ヒサマツはおろか何も飛んでいない。吹く風は心地よく、太陽が出ていてもそれほどの暑さは感じないが、とにかく何も出て来ない。たま~に、通過するのはルリシジミとムラサキシジミくらい。待つこと5時間、午後2時半になってようやくヒサマツ♂が現れる。翅表にキズひとつない個体。数十カット撮影後、飛び去り、それっきり戻ってこない。またしても待機に戻る。次にやってきたのは1時間後の午後3時半、以降、ようやくこのテリ場で安定して活動が続く。ただし活動する個体は2頭のみ、一瞬3頭になったが、すぐ2頭に戻る。ときに卍飛翔を見せる。卍の径は小さく、回転は速い。本種の飛翔能力の高さをよく表している。追尾飛翔も見ごたえ充分!スピードと言い、枝葉の中をすり抜ける敏捷性と言い、ほろぼれするような飛翔能力である。午後5時までの1時間半、静止画600カット、動画10カット以上撮影する。撮影終了時には疲労困憊。雲が出てきたこともあり撤収。〔但馬〕

6月9日(雨時々曇り) 加西市の“あびき湿原保存会”のご招待により、自衛隊青野ヶ原演習場内の生物調査に参加する。今回は自衛隊のご好意による調査であり、日頃は一切一般人の立ち入りが許されなていない場所である。しかし、あいにくのドン曇り空で時々雨も降る始末、気温20℃と低く、調査日として恵まれた日とは言えない。一般的な景色としては、手つかずの湿地草原があちこちに残り、多様な生物が棲む環境としては申し分がないように思えたが、実際調査してみると姿を見せるチョウやトンボの種数、目撃数とも極めて少ない。唯一めぼしい成果としては、ウラギンスジヒョウモンの新鮮なオスが確認できたことくらいか。池の周辺の草地にはヒメヒカゲが多産しているのでは?!と淡い期待を抱いていたが、1頭も見かけることなく、見事に期待は裏切られた。とは言いつつ、好天でも同じ状況なのか?この時期に再度調査したいところである。〔東播磨〕

6月8日(晴れ時々曇り) 早朝から西播磨のゼフ発生確認に向かう。現地着午前8時。ナラガシワの高枝を叩けば、ウスイロオナガシジミ、ウラジロミドリシジミが飛び出す。ヒロオビミドリシジミはそれらしい姿を目撃するが、とまることがなく飛び去ったため確認できず。休耕田の草地にオオチャバネセセリを見る。黄色の小さなセセリを発見するが、期待したヘリグロチャバネセセリではなくヒメキマダラセセリであった。日蔭の湿った路上にルリシジミが集まる。アカシジミ、ウラナミアカシジミは姿を見せず。東播磨に向かって車を走らせながら、かつての撮影地を巡る。湿地のハンノキ林でミドリシジミを探すがまだ出て来ない。満開の栗の花で蜜を吸うアゲハチョウ、ベニシジミを見る。池の土手にシルビアシジミ♂を見るが、目下本種は端境期らしく、見かけたのはこの個体のみ。最後に訪ねたキマダラルリシジミ生息地、午後4時を過ぎてようやく姿を見せる。最多で3頭確認。尾状突起は4本揃っているものの、ピカピカ個体はいなくて、ややスレ個体ばかり。午後5時過ぎまで撮影に集中する。〔西播磨、東播磨〕

6月1日(晴れ) 早朝から近場を回る。まず訪ねたのは池の縁に生えるヤナギの並木。しかし期待したコムラサキは現れず。次に回ったのは、10年以上前に調査したヒメヒカゲの小規模生息地。それほど環境は変わっていないように感じるのだが、残念ながらどこもヒメヒカゲは確認できず。ヒメヒカゲ調査は終了。移動する。コナラの枝を叩けば、期待通りミズイロオナガシジミが飛び出す。移動する。ウラギンスジヒョウモン生息地を丹念に見て回るが、一度だけ飛翔個体を見るのみ。さらに移動する。畑の奥のクリの花は今が満開。メスグロヒョウモン♂が3~4頭と飛び回っている。撮影の準備を始めたところ、同種のメスが飛来。メスの飛来を見つけたオスがすぐに求愛飛翔に移行する。オスはメスの背後から盛んに求愛するが、メスは交尾済みらしく一向に応じない。この求愛飛翔の継続時間は何と33分!最後はメスもオスを疲れたのか、羽ばたきは緩やかになった。途中、他のオス2頭が加わり、計4頭がもつれるようにシーンも確認。またアサマイチモンジ&ホシミスジがこの騒動に近づいたところ、メスグロヒョウモン♂はアサマイチモンジにも、ホシミスジにも関心を寄せ、求愛するしぐさを見せた。さらに移動する。湿地ではまだミドリシジミは姿を見せない。午後3時半撤収。〔東播磨〕

(*今シーズンにおいても、ヒメヒカゲ採集目的で生息地でネットを振っている不心得者がいる。地権者の許可を得て調査や保全に取り込んでいる我々に対する敵対行為と言わざるを得ない。特に最近の採集者は年配ではなく、大学生が多いと聞いている。採集者自身の姿も撮影しているので、悪質な場合は公開することも考慮中)

5月21日~5月29日まで、チョウ撮影目的で台湾に遠征してきました。現地は梅雨の真っ最中で、連日曇り&雨ばかりでしたが、思いのほか多数の種を撮影することができました。詳細について、近々“海外遠征”と称する新コーナーを開設しますので、そこで写真を含め紹介したいと考えています。しばしお待ちください。

5月18日(晴れ) 早朝から西播磨最深部を目指す。お気に入りの廃屋ポイント着は午前8時過ぎ。二週間前、満開だったキリシマツツジは花を落としたが、花をつけている別の種類のツツジに次々と黒系アゲハがやってくる。やってくるクロアゲハ、カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハの鮮度は様々。超美麗のミヤマカラス♀がやってきたが、残念!両尾状突起の先端がわずかに欠損していた。同じ花株で蜜を吸っていたのは、ボッロボロのミヤマセセリ♀と新鮮なヒメキマダラセセリ♂。渓谷沿いの白い花で蜜を吸うウスバシロチョウ(ウスバアゲハ)を見る。サカハチチョウの飛翔を見る。撮影地を移動する。民家の前、せせらぎの畔に咲くアザミで蜜を吸うオナガアゲハ♀を見る。オスに比べメスに出遭う機会は少ないので、じっくり時間をかけて撮影する。さらに移動する。明るい大きな渓流沿いに咲くタニウツギの花株に黒系アゲハが群れている。ここでもクロ、カラス、ミヤマカラスがそのメンバー。ここでも個体の鮮度は今一つ。タニウツギのの花で蜜を吸っていたセセリを注意深く見れば、ミヤマチャバネセセリであった。兵庫県内での本種の撮影は2016年以来の8年振り。さらに大きく移動し、東播磨に戻る。加古川河岸段丘に広がる森(ブッシュ)のイボタはどこも今が満開。イボタに新鮮なウラゴマダラシジミ♂を見る。天気が良すぎたためか活動する個体は少ない。イボタで蜜を吸っていたのはアオスジアゲハ、ヒメウラナミジャノメ、アゲハチョウ。アサマイチモンジの活動は盛ん。テリを張るコミスジ♂は強気でゼフ♂のように何にでも突き掛っていく。エノキの樹冠を舞うゴマダラチョウを見る。センダンは満開。〔西播磨、東播磨〕

5月11日(晴れ) 朝一番の新幹線で出張先の横浜から戻る。午前10時、本日実施のギフチョウ幼虫調査に合流する。先月末の産卵調査の“不調”を裏付けるように、見つかる幼虫の数は極めて少ない。近年まれに見る少なさだ。来春の成虫発生が危惧されるが、生息環境さえ維持していれば、数年で必ず元に戻ると信じたい。調査終了後、東播磨最深部に向かう。狙いはウスバシロチョウ(ウスバアゲハ)だが、思っていたほど飛んでいない。例年であれば、そこかしこに舞っているのに、今日はポツンポツンとしか姿を見せない。かろうじて川沿いに生えるモミジイチゴの花に2~3頭が蜜を吸うのを目撃する。ウスバシロ撮影中に、アオバセセリ、トラフシジミ、サカハチチョウ、ヤマトスジグロシロチョウ、モンシロチョウ、ベニシジミが同じモミジイチゴの花で蜜を吸うのを確認する。午後2時撤収。〔東播磨〕

5月5日(晴れ) 前日撮影したミヤマカラスアゲハの数多くの写真、予想に反しロクなものがなく、ダメ写真ばかり!がっかり!!ツツジの開花時期から考えて、今日が今シーズン最後のチャンスとばかりに、早朝から同じポイントに向かう。午前8時、すでにミヤマカラスは吸蜜にやってきている。幸いにも今日はクロアゲハがいなくて、ミヤマカラスのみ。しかしメスは1頭のみ、他はすべてオス、しかも半数は翅が破損していた。カメラ2台を駆使して、90分間集中して撮影する。次第に飽きてきたのと風が強くなったのを契機にミヤマカラスの撮影を終了する。チョウ撮影とは別の用向きで但馬に向かう。山間部の水田は今が田植えの真っ盛り。車の運転中、たまにウスバシロチョウ(ウスバアゲハ)が視界を横切って行く。クロアゲハやカラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハも見かける。但馬の高原では低地より約半月ほど季節の巡りが遅いようだが、ウスバシロは飛んでいた。所用をこなしたのち、高原を散策しようとするが、あまりにも風が強いため断念、午後1時半撤収。〔西播磨、但馬〕

5月4日(晴れ) ウスバシロチョウ(ウスバアゲハ)の発生状況の確認のため東播磨北部から西播磨北部の各生息地を回る。合わせて、この時期恒例の撮影対象であるミヤマカラスアゲハを狙う。東播磨北部ではすでに田植えが始まっているが、ウスバシロはポツリポツリとしか飛んでいない。訪花シーンも見かけず。早々に峠を越えて西播磨北部に移動する。渓谷の奥、廃屋の庭のキリシマツツジが満開。ミヤマカラス♂、♀、クロアゲハ♂、♀が吸蜜にやってくる。クロアゲハ♂は同種♀を見つけると、すぐさま求愛活動に移行するが、ミヤマカラスアゲハ♂は同種♀を見つけても無関心!吸蜜を続ける。気温が高いためか、吸蜜の合間に林道に舞い降り、地表の水を吸う。サカチチョウ、アカタテハを見る。車道わきの水路で吸水していたのはカラスアゲハ♂。さらに峠を越え、西へ移動する。ここでもウスバシロはパラパラとしか飛んでいない。カラスアゲハやミヤマカラスアゲハが視界を横切って飛ぶがシャッターチャンスなし。ガマズミの花で蜜を吸うサカハチチョウを見る。標高の高いところではまだツマキチョウが活動している。咲き始めたアザミで蜜を吸うキアゲハを見る。午後2時半撤収。〔東播磨、西播磨〕

5月3日(晴れ) 今日もミヤマカラスアゲハ撮影のため転戦する。まずは先々週の土曜日に訪ねた兵庫県下NO1のキリシマツツジの群落がある神社へ。2週間前はつぼみばかりだったのに、すでに花は終わっていた。残念!大急ぎで昨日訪ねたポイントに向かう。午前10時半、民家の庭先のツツジポイント着。期待通り今日も黒系アゲハが群れ飛んでいる。カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハが多いが、なぜか今日は破損個体ばかり。オナガアゲハ♂は昨日確認した個体に同じ。クロアゲハ新鮮、このクロアゲハ、花株にやってきた他のアゲハを確認するや、背後から追いたて、花株から追っ払ってしまう。午後1時半まで撮影を続けるが、以降どの種もパタッと姿を見せなくなる。たぶん活動温度帯を超えて気温が上がったためだと思われる。サカチチョウを見る。日向でも活発に飛び回るクロコノマチョウを見る。午後2時撤収。〔丹波、東播磨〕

5月2日(晴れ) 久しぶりの晴天。早朝から四日前にミヤマカラスアゲハを撮影したポイントに向かう。現地着8時半。数日前ミヤマカラスアゲハ♀を撮影したヤマツツジはすべて花を落としている。植栽のツツジの花ももはや終盤。黒系アゲハが多い。クロアゲハとカラスアゲハが目立つが、ほとんどの個体が破損している。モンキアゲハはどの個体も新鮮。四日前に比べミヤマカラスは少ない。しかもオスの破損個体ばかり。吸蜜するアオスジアゲハを見る。薄暗い林の中を飛ぶのはアサギマダラ。正午過ぎに当地を撤収し20㎞移動する。渓谷の奥、民家の裏の斜面に咲くヤマツツジにミヤマカラスアゲハが群れている。カラスアゲハ、オナガアゲハ、クロアゲハも加わり、小さな花株は大混雑!しかし見上げる角度のカメラポジションではうまく撮影できない。コミスジ多い。午後3時撤収。〔西播磨、東播磨〕

4月30日(雨のち曇り、時々晴れ) 降雨の心配がなくなった午後1時から、一昨日に完了できなかった「ギフチョウ採集禁止」看板の回収作業を行う。気温25℃、湿度90%以上の野外では、少し歩くだけでも汗が噴き出る。看板は1枚の紛失や破損もなく、すべて無事回収となった。森の中でボッロボロのクロコノマチョウとオオトモエ(蛾)の飛翔を見る。さらに今日は珍しい動物に出遭う。まずはノウサギ、ここ10年見た記憶がない。次にホンドキツネ、こちらは年に一度くらい出遭っている気がする。東播磨の里山の自然の豊かさを実感する。午後3時撤収。〔東播磨〕

4月28日(晴れのち曇り) ミヤマカラスアゲハの撮影のため朝から西播磨北部に向かう。ポイントに到着すると、すでに植栽ツツジの生垣のあちこちで黒系アゲハが舞っている。早速撮影開始。翅が破損していないミヤマカラス♂をターゲットに精神を集中して撮影する。生垣の側面で吸蜜する際には、背景の“抜け”が確保できず、良い写真にはならない。背景が“抜けた”写真となる、生垣の頂点に来る瞬間を待つ。ヤマツツジで蜜を吸うミヤマカラス♀を発見!こちらも翅に破損はない。しかも動きが鈍く、♂のように常に翅をバタつかせることがない。ときに羽ばたきをやめ、花にぶら下がって蜜を吸う。ミヤマカラスに混じって、カラスアゲハ、クロアゲハ、ナガサキアゲハ、モンキアゲハ、アオスジアゲハ、ジャコウアゲハも続々登場し、大賑わいとなる。ナガサキ♀は新鮮個体、しかし第2化以降のような後翅白紋が発達していない地味なメス。アゲハチョウ、キアゲハは明るい日向の花を好むようだ。モンキアゲハは吸蜜せず、探雌のためのパトロールに忙しい。広角レンズを用いて背景まで入れ込む撮影を試みるがうまくいかない。被写体の動きが速いため動画撮影もうまくいかない。雲が出だした午後1時半、当地での撮影を終了し、東播磨に戻る。やや気温が下がってきたため、連休中に行う予定の「ギフチョウ採集禁止」看板の回収に回る。時間的にすべてを回収できず、約3割分を残す。尾根の遊歩道では、クロアゲハ、アゲハチョウ、モンキアゲハが活動する。本日、東播磨~西播磨を車で移動中、黒系アゲハを飛ぶのを頻繁に見かける。ひょっとしたら、約10年振りの黒系アゲハ豊作年か?。各地でコミスジを見る。ヒメウラナミジャノメ、サトキマダラヒカゲ多い。低山とはいえ、アップダウンを繰り返したため疲労困憊!午後5時撤収。〔西播磨、東播磨〕

4月27日(曇り時々小雨、のち曇り、夕方から晴れ) 朝から、この時期恒例のギフチョウの産卵調査に参加する。昨晩からの降雨で山の中は歩きにくい。下草刈りや枝打ちなど保全作業を継続しているヒメカンアオイ自生地計6箇所を回る。各自生地では、参加者皆で、ヒメカンアオイをひと葉づつひっくり返し、卵が付いていないかを確認、付いていれば卵数をカウントすると言う地道な作業を繰り返す。自生地ごとにバラつきはあるが、全体的には数が少ない“不調”の年のようだ。ここ数年の内ではもっとも少ないような気がする。最大面積をほこるヒメカンアイオイ自生地では昨年の1/100以下しか卵が見つからない。たぶん明日孵化すると思われる卵塊や、すでに孵化し行儀よく並んでいる初齢幼虫も確認する。森の中で大きく翅を破損したクロコノマチョウを見る。厄介な生き物として、マムシに二度遭遇。さらにオオスズメバチの女王バチの巣作りの様子を目撃する。午後1時撤収。〔東播磨〕

4月20日(晴れのち曇り) 野生のヤマツツジおよび植栽のキリシマツツジの開花状況を確認するため、西播磨から丹波各地を回る。狙いは開花時期に合わせるように姿を見せるミヤマカラスアゲハ。毎年撮影しているお気に入りのポイントではやっと咲き始めたばかりで、黒系のアゲハは飛んでいない。わずかにアゲハチョウの活動を見るのみ。西播磨最深部ではどこもまだつぼみの状態、従って何も飛んでいない。わずかに白い花(種名不明)で蜜を吸うコツバメを見る。昨年に比べ4~5日ほど季節の進みが遅れているようだ。一気に丹波まで移動、キリシマツツジの大群落がある神社到着。残念ながらここもつぼみの状態。移動中、飛翔中のジャコウアゲハを三度目撃。たぶん近くにウマノスズクサが生えているのであろう。早々に東播磨へ戻る。ここではキリシマツツジはほぼ満開。クロアゲハ♂とアゲハチョウの吸蜜を見る。薄暗い森の中の小道へクロコノマチョウが飛び出す。落ち葉の上にとまれば、まず分からないほど、見事な保護色となる。サトキマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ多い。午後3時撤収。〔西播磨、丹波、東播磨〕

4月14日(晴れ) 朝9時、ギフチョウ♂がテリを張るピークに到着。気温が高いため、今日はこの時間から複数のオスがバンバン飛んでいる。残念ながら翅を破損している個体ばかり。正午までに、最多で6頭を確認する。ギフチョウに加え、アゲハチョウ4頭、キアゲハ1頭が入り、目まぐるしく追尾飛翔を繰り広げる。たまたま、モチツツジのつぼみにとまったギフチョウ♂、飛び立とうとするが脚部がつぼみのネバネバの表皮につかまって、そのまま飛び立てなくなりその場で翅をバタバタさせる。これを目視確認した他のギフチョウ♂が次々飛来し、メスかどうかを確認していく。絶好のシャッターチャンス到来、20分間で合計1000カット撮影する。ギフチョウ、最多で4頭がファインダーに入る。モチツツジのつぼみにつかまった哀れなギフチョウ♂は、20分後死力を尽くして脱出に成功する。正午過ぎに麓に移動、産卵シーンとコバノミツバツツジでの吸蜜シーンの動画撮影を試みるがことごとく失敗!今日の運は午前中で使い果たした模様。午後3時撤収。〔東播磨〕

4月13日(晴れ) 「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」、今シーズン2回目の成虫観察会に参加する。一週間前にいなかったピーク、今日は2頭が飛んでいた。残念ながらすでに翅は破損していた。キアゲハやアゲハチョウも次々にやってくるが、今日は活発な追尾飛翔に至らない。散り始めたサクラで蜜を吸うの確認する。突然、ミヤマカラスアゲハ♂は現れ、サクラで蜜を吸う。動きが早くシャッターチャンスなし。すでに後翅を大きく破損していた。ルリシジミの交尾を見る。コナラの新芽からにじみ出ているらしい汁を吸うのはミヤマセセリ♀。撮影地を移動する。いつもギフチョウの産卵シーンが見られるポイントだが、今日は姿なし。イノシシの餌探しのため至る所を掘り返していることが影響しているのかもしれない。さらに移動する。開けた草地をギフチョウが横切っていく。スレ個体ばかりだが、なかに未交尾の超新鮮メスが混じっていた。さらに移動する。最後に訪ねたポイントにて、コバノミツバツツジで吸蜜するシーンを動画で狙うが、なかなかチャンスがやって来ない。数度のトライでやっと撮影成功。各地でルリタテハを見る。畑の土手にキタテハ多い。森の中で越冬明けクロコノマチョウを見る。午後2時半撤収。〔東播磨〕

4月7日(晴れのち曇り) 早朝から、昨日ギフチョウを撮影したピークに向かう。最初のギフチョウは9時12分に登場。以降、気温の上昇とともにギフチョウの数が増す。なぜか今日の撮影者は小生を含めてたったの3人だけ。逆にハイカーは多く、ひっきりなしにやってくる。ほとんどの皆さんがギフチョウをご存じなのに驚く。ギフチョウは最多で5頭が集まったところへ、更にアゲハチョウ3頭が加わり、目まぐるしく追い駆け合う。どの個体もコバノミツバツツジでの吸蜜はなし。3時間あまり撮影を続けるが、4月初旬と言えども日差しは強く、ばててしまった。午後12時45分、雲が出始めるとギフチョウは一斉に姿を消す。残っているのはアゲハチョウとヒオドシチョウ。ヒオドシチョウの今日の戦いの相手はチョウではなく、クマバチのオス。ミヤマセセリ、ルリシジミ多い。今日はキアゲハは姿を見せず。午後1時半撤収。〔東播磨〕

4月6日(晴れのち曇り) 所属する保全団体「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」のこの時期恒例のイベント、ギフチョウ観察会に参加する。やや気温が低いながらまずまずの天気。最初に訪ねたピークでは1時間以上粘るも結局ギフチョウは現れず。アゲハチョウやキアゲハも姿を見せないため早々に移動する。次に訪ねたピークでは2~3頭のギフチョウ♂が活動中。多くのカメラマンが集まり、皆和気あいあいと撮影する。昼近くになると、アゲハチョウやキアゲハ、ヒオドシチョウも登場し、大混雑、いろいろな組み合わせで追尾飛翔を繰り広げる。ギフチョウは最多で3頭確認。午後1時を過ぎるとギフチョウは一斉に姿を消す。麓のヒメカンアオイ自生地でギフチョウ♀の産卵シーンを見る。今日もミヤマセセリ多い。ルリタテハの大型個体を見る。移動する。畑の脇の草地でヤマトシジミ♀、ツバメシジミ♀を見る。午後2時撤収。〔東播磨〕

4月2日(晴れのち曇り) 午前9時から各地のギフチョウポイントを回る。最初に訪ねた小ピーク、気温が低いためかまったく何も飛んでいない。午前10時半まで粘るが状況は同じ。やむなく移動する。明るい緩やかな谷筋にコツバメを見る。狭い範囲に4~5頭がテリを張っていた。次第に薄雲が広がってくる。次に訪ねたピークではギフチョウ♂1頭が活動していたが、残念ながら尾状突起は2本ともなし。他にピークで活動していたのは、ヒオドシチョウ、ルリタテハ、アゲハチョウ、ルリシジミ、ミヤマセセリ。午後1時撤収。〔東播磨〕

3月31日(曇り時々晴れ、のち曇り) 遠方からの友人とともに早朝からギフチョウ生息地を回る。午前9時半、小ピークでテリを張るギフチョウ♂を見る。昨日羽化した個体か超新鮮。時々枝にとまって休息しながら、パトロール飛翔を繰り返す。40分後に姿を消し、以降いくら待っても戻って来ず。ギフチョウが姿を消した後、入れ替わるようにアゲハチョウが登場する。ルリシジミやヒオドシチョウもやってくるが、雲が出ている時間も長く、昨日ほど活発に活動しない。ミヤマセセリ多い。移動する。モミジイチゴの葉にとまるトラフシジミ♀を見る。しばらく粘っているとやがて期待通り翅を開き始める。翅表の深い藍色がたいへん美しい。午後1時撤収。〔東播磨〕

3月30日(晴れ) 朝9時からフィールドに出る。カタクリの花は今が盛期。残念ながらギフチョウは現れない。明るい森の中でテングチョウ、キタテハ、ルリシジミを見る。小ピークに移動する。山頂に陣取っているのはカメラマンばかり、ここでもギフチョウは姿を見せていない。越冬明けヒオドシチョウ♂の占有行動、同種他のオスとの追尾飛翔を見る。アゲハチョウ新鮮、山頂付近でオスがパトロール飛翔を見る。ミヤマセセリ多い。メスもすでに現れている。サクラやコバノミツバツツジでの吸蜜を見る。越冬明けルリタテハを見る。車の運転中、畑ではモンシロチョウが数多く舞う。午後1時撤収。〔東播磨〕

3月20日(曇りのち晴れ) 石垣島3日目&今回の遠征の最終日。朝から強風が吹き荒れ、しかも朝の気温は17~18℃しかない。これでは何も飛ばない。今回の遠征で初めて山頂(ピーク)を回るが、予想通り北よりの強風が吹いていた。南斜面で北風がさえぎられている箇所を選び撮影する。当地で普通に見られる種ばかりだが、どの種もじっくり観察するとなかなか趣深いものがある。クロセセリ、オキナワビロウドセセリ、ルリモンジャノメ、ヤエヤマイチモンジ、クロテンシロチョウ、ジャコウアゲハ、リュウキュウアサギマダラ、ヒメアサギマダラ、ナミエシロチョウ、タイワンクロボシシジミ、ヒメウラナミシジミ、イワサキタテハモドキがその対象となる。午後から、一昨日昨日と訪ねたセンダングサが生える道路わきを見て回る。一昨日に出遭ったウスコモンマダラ♂に再び出遭う。翅の破損個所から同一固定なのは明か。なぜか今日はヤエヤマカラスアゲハは少ない。逆に今日多いのは、スジグロカバマダラとナミエシロチョウ、ミカドアゲハ。午後3時、すべての撮影を終了し帰途に就く。〔石垣島〕

3月19日(雨のち曇り) 石垣島2日目。“終日曇り”との天気予報は外れ、午前中から本格的な雨となる。北よりの風が強く、気温は20℃に届かず、撮影には厳しい一日。8時からフィールドに出る。小雨の中、ヒメウラボシシジミの活動を見る。採集者がウロウロするなか、ヤブに分け入り、静かに撮影する。次第に雨が強まり、撮影は中断、結局雨が止んだのは正午を過ぎていた。雨上がりに、当たりの草葉を注意深く見ていくといろいろな種が静止している。ネッタイアカセセリ、ヒメウラナミシジミ、タイワンクロボシシジミ、ルリモンジャノメなど。これらをじっくり撮影する。その後気温が上がり、空が明るくなると一斉にチョウが飛び始める。今日もセンダングサにやってくるヤエヤマカラスアゲハを狙い、気持ちを集中して撮影する。風が強まり、今日は早めの午後3時撤収。〔石垣島〕

3月18日(晴れ時々曇り) 石垣島での撮影初日。朝8時からフィールドに出る。山裾の公共施設のランタナにヤエヤマカラスアゲハが多い。ときにミカドアゲハ、アオスジアゲハが混じる。一通り撮影した後、バンナ公園に移動する。ここのランタナも同じく、ヤエヤマカラスアゲハを集めている。オオゴマダラやリュウキュウアサギマダラも蜜を吸っている。ルリモンジャノメは多く、各所でオスがテリを張る。薄暗い森の中でせわしなく動くチョウを発見、慎重に近寄ればシロオビヒカゲであった。明るい日溜りに咲く白い花(種名不明)に多くのチョウが集まっている。そのなかで数が多いのがイシガケチョウ。1平方メートルに何頭いるか数えたら10頭を超えていた。コウトウシロシタセセリ、ヤエヤマイチモンジ、ナミエシロチョウ、クロツバメ(蛾)も混じり、“食堂”は大盛況!道路脇に咲くセンダングサにマダラやアゲハが多い。スジグロカバマダラ、アサギマダラが多く、ヒメアサギマダラ、ツマムラサキマダラ、リュウキュウアサギマダラと続く。マルバネルリマダラも確認する。アゲハで圧倒的に数が多いのはヤエヤマカラスアゲハ、これにクロアゲハ、ジャコウアゲハが続く。シロオビアゲハはたまに見かける程度。ヤエヤマカラスは翅の破損が少ない個体を選んで撮影する。オスは結構数が多いが、メスは少ない。帰る間際にやっとピカピカのメスが登場、じっくり時間をかけて撮影する。ナナホシキンカメムシを各所で見る。センダンの高所の花に舞うのはベニモンアゲハ。午後4時撤収。〔石垣島〕

3月17日(晴れ時々曇り) 沖縄本島2日目。天気予報では終日曇り、ときに雨・・・だったが、大外れで朝9時から快晴となる。沖縄、八重山の天気予報は実によく外れる。“信じる者は救われない!”の典型例。昨日の公園に向かう。天気は良いが、蝶影は今日も薄い。待つこと30分、ついに破損がないオキナワカラスアゲハ♀が登場するが、陽の当たる場所に咲く花にはやって来ず、奥まった暗いところに咲く花にばかり執着する。こんなところで光量不足に苦しむとは思ってもみなかった。続いてオスも登場するが、こちらも暗いところに咲く花ばかりを移動する。11時半までの2時間半、ジャコウ♂を除けば、黒系アゲハは20~30分に一度くらいのペースでしかやって来ない。結局、破損の少ないオキナワカラスアゲハはオスもメスもたった一度しかやって来なかった。雲が出始め、更にアゲハの飛来も少なくなったため、那覇に向かって南下する。那覇市内に入り、いつもの公園に向かう。シャリンバイやトベラの花は満開なのに何も来ていない。マメ科のピンクの大きな花(種名分からず)にウスキシロチョウが群れ飛んでいる。ときにツマベニチョウもやってくる。公園内の路上や芝生の上にタテハモドキが多い。ツマムラサキマダラ、リュウキュウアサギマダラ、テングチョウを見る。センダンの開花が始まっている。本土の5月中頃の季節の感じか。午後2時半、撮影終了。夕刻の便で石垣島に向かう。〔沖縄本島〕

3月16日(くもり) 昨晩の便で沖縄県那覇入り、本日から5日間日程で沖縄本島、八重山遠征をスタートする。午前8時の開店と同時にレンタカーを借り、北へ向かう。今回の沖縄本島での撮影目的はオキナワカラスアゲハのメス、一昨年来たときはオスばかりだったので、今回は満を持してのメス狙い。公園の一角、前回来たときはツツジも満開、黒系アゲハもわんさか飛んでいたのに今回は大違い!ツツジもアゲハもパラパラ!しかも空は曇っている。丹念にツツジの花をチェックしていくと、どこからともなく黒系アゲハが姿を見せる。まず現れたのはナガサキアゲハ♀、以降、モンキアゲハ♂、ジャコウアゲハ♂、♀と続く。ようやくオキナワカラスアゲハ♀が登場するが、翅が破損した個体。オスも次々やってくるがどれもこれもボロばかり。比較的新鮮なのはジャコウアゲハのみ。午前10時半まで粘っても、一向に状況が好転しないため、やむなく場所を変える。約40km走り、以前から有望とにらんでいたツツジ公園に到着。折からツツジ祭りが開催中で、花も人も溢れんばかりだが、肝心の黒系アゲハが全く飛んでいない。わずかにシロオビアゲハの大破個体を見るのみ。早々に移動する。これまで何度も訪れている山頂に向かう。しかし風強く、何も飛んでいない。午後2時半、ようやくスミナガシがテリを張り始める。最多で4頭が追い駆け合う。目前を通過するモンキアゲハ、アカタテハ、ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモン、アオバセセリに反応して飛び立ち、追尾する。スミナガシ同士だと、追尾の他に直径約1mで二重螺旋状に空高く舞い上がることもある。リュウキュウヒメジャノメ多い。本日は1頭もマダラに出遭わず。午後4時撤収。〔沖縄本島〕

3月10日(晴れ時々曇り) 日差しは強いが北風が吹く肌寒い一日。最高気温は10℃。11時半からフィールドに出る。越冬明けのヒオドシチョウ、春一番のルリシジミを期待して小ピークに登るが、山頂には何もいない。雑木林の中の日溜りにはテングチョウも姿を見せていない。いつもなら咲き始めて、春の香りを漂わせるヒサカキも全く花を付けていない。例年より春の訪れは遅れ気味か?〔東播磨〕

3月3日(晴れ) 昨日より若干気温は高いがそれでも肌寒い一日。昨日完了しなかったギフチョウ採集禁止看板の残り分を設置する。今日の設置枚数は少ないが低山のアップダウンの繰り返しで脚が疲れる。すれ違うハイカーから、「ギフチョウに出遭える春の山歩きをいつも楽しみにしています」、と嬉しい言葉をかけていただく。作業終了後、いつもの畑に向かう。やや風は強いものの日差しは力強い。南向きの斜面にベニシジミ、モンキチョウの活動を見る。〔東播磨〕

3月2日(晴れのち曇り) 冬型の気圧配置の寒い一日。気温は午前10時で5℃、正午で8℃しか上がらない。今月末からのギフチョウシーズンに備え、小野市来住町・下来住町両自治会から依頼されているギフチョウ採集禁止看板を設置する。広範囲のギフチョウ生息地に数多く設置するため、いつもこの作業は疲労困憊!今日も3時間かかっても終了せず、残りは後日設置となった。気温は低いものの、里山の尾根歩きは実に爽快、すれ違うハイカーの皆さんもギフチョウのことは良くご存じで、“ギフチョウとの出遭いは春の山歩きの楽しみ”と言っていただく。低い気温のため、チョウは一種類も姿を見せず。〔東播磨〕

2月24日(曇りのち晴れ) 午前10時から晴れ間が広がるが、西風強く、全般的に肌寒い一日。11時過ぎからフィールドに出る。ウメの開花は早や終盤。何か吸蜜に来ていないかと丹念に探すが見つからず。竹藪に囲まれた日溜りにムラサキシジミを見るが、翅を広げてくれず、従ってシャッターチャンスなし。畑の土手の法面を飛ぶキタキチョウを見る。車で移動中、風に流されて飛ぶキタテハを見る。モンキチョウ、ベニシジミは姿を見せず。正午の気温は10℃。〔東播磨〕

2月18日(曇りのち雨、夕方から晴れ) 昨日より気温は高いが、またしても天気予報は外れ、11時過ぎから雨となる。太陽が顔を出さないと、気温が高くても活動するチョウはいない。わずかにキタテハの飛翔を見るのみ。二日連続で一度もシャッターを切ることなし。正午時点での気温は14℃、早々に撤収する。〔東播磨〕

2月17日(曇りのち晴れ) 晴れて暖かくなるとの天気予報は外れ、午前中はドン曇り、正午でも気温は10℃に届かない。これでは何も活動しない。ダメもとでいつものコースを回るが、一度もシャッターを切ることなし。車の運転中、一瞬出た晴れ間にモンキチョウ♂の飛翔を見る。〔東播磨〕

2月12日(晴れ時々曇り) 南西の風がやや強く、思ったほど気温が上がらない肌寒い一日。花をつけているウメの樹にテングチョウやアカタテハが来てはいないかと畑の縁を巡る。チョウよりも低温で活動するハナアブやミツバチを探すが、風が直接当たる樹にはまったく見られず、風が完全に遮られた場所に咲く花でポツポツと見るのみ。こんな状況ではテングチョウやアカタテハはやって来ない。モンキチョウ、ベニシジミも今日は姿を見せない。撤収した正午時点でも気温は9℃までしか達せず。〔東播磨〕

2月10日(曇りのち時々晴れ、一時雨、のち晴れ) 目まぐるしく変わる天気の一日。午前10時半からフィールドに出る。午前11時時点で気温は9℃、気温のわりに暖かく感じる。畑の法面の草地でキタテハを見る。撮影のため近寄ると敏感に反応して飛び立つ。モンキチョウ、ベニシジミは姿を見せず。モンシロチョウ幼虫はキャベツで活発に食餌する。正午撤収。〔東播磨〕

2月3日(晴れのち曇り) 北よりの風が吹くが、南斜面は意外に暖かい日。午前11時からフィールドに出る。気温は7℃、天気は良いがモンキチョウ、ベニシジミとも姿を見せない。スイバの根元にベニシジミ終齢幼虫を見る、体側と背に赤いラインのあるタイプ、スイバの葉の色合いに実によく似ている。収穫されずに残ったキャベツにモンシロチョウの幼虫を見る。静止しているのではなく、盛んに食餌のため活動していた。撮影地を変える。雑木林のなかのイボタにウラゴマダラシジミの卵を探すが見つからず。正午の気温は10℃、雲が出始め撤収。〔東播磨〕

1月28日(晴れのち曇り、のち雨) 午前10時半からフィールドに出る。思った以上に日差しは強く、春の気配を感じる一日。午前11時時点での気温は9℃。南向きの畑の土手にモンキチョウ♂を見る。1月末時点での目撃は初めてかもしれない。モンキチョウを確認でき驚いていたところへ、更に新鮮なベニシジミが姿を見せる。それも2頭。鮮度から想像すれば、ここ数日に羽化したもよう。今日の陽気に誘われたのか、越冬中のキタテハも飛び出す。畑の土手のスイバの根元にベニシジミ幼虫を見る。図鑑によればベニシジミの越冬は1~3齢の幼虫とあるが、今日確認したのはひょっとしたら4齢幼虫かも?池の土手のヤナギの根元でコムラサキ幼虫を探すが見つからず。ウメの開花始まる。〔東播磨〕

1月14日(晴れ) 朝は放射冷却現象で氷点下まで冷え込んだが、日中は日差しも強く、暖かい一日。午前10時からフィールドに出る。いつもの畑の土手でモンキチョウ♂を見る。翅の縁毛も綺麗に残る新鮮個体。どう見てもここ数日のうちに羽化した感じ。一旦飛び立つと飛翔時間も長く長距離を飛ぶ。セイヨウタンポポで蜜を吸うシーンを撮影する。畑の法面のスイバの株の根元にベニシジミ幼虫を見る。成虫は今日も姿を見せず。正午撤収。〔東播磨〕

1月13日(晴れのち曇り) 西寄りの風が強く、冬型の気圧配置だが、日溜りは結構暖かい日。展望台からの風景撮影のあと、河岸段丘に広がるイボタの茂みにウラゴマダラシジミの卵を探すが見つけられず。先シーズンは見かける成虫の数が少く、これが影響しているのかもしれない。湿地のハンノキ林でミドリシジミの卵を探す。こちらはいとも簡単に見つかる。しかし、産み付けられているのは、直射日光の当たらない位置ばかり、逆光下での撮影に苦労する。〔東播磨〕

1月6日(曇り時々晴れ) 終始曇りがちだが暖かい日。正午での気温は13℃。南向きの畑の土手では、陽が差すとモンキチョウが飛び出す。1月1日に確認、撮影した個体と同一個体のようだ。翅の破損は激しく、この生息地で生き残っているのはこれ1頭だけかもしれない。丹念にベニシジミを探すが見つからず。〔東播磨〕

1月1日(晴れ時々曇り) やや西風は強いが穏やかな日。正午前の時点で気温は10℃。11時過ぎからフィールドに出る。南向きの畑の法面で活動するモンキチョウ♂を見る。陽光が差すと飛び回るが、ひとたび陰ると活動を停止する。タンポポで蜜を吸うベニシジミを見る。12月29日に撮影した個体と同じか。モンキチョウとベニシジミのツーショットを撮影する。そのあと、モンキチョウの飛翔シーンを狙うが、なかなかうまくいかず。12時半撤収。〔東播磨〕


TOPに戻る