◆播磨地方某所におけるウラナミジャノメとヒメウラナミジャノメの棲み分け調査

はじめに

 ヒメヒカゲ生息地である当播磨地方の乾燥草原にはヒメヒカゲの他に、ジャノメチョウ、ヒカゲチョウ、ウラナミジャノメ、ヒメウラナミジャノメのジャノメチョウ科5種が高密度で生息している場所がある。今回このなかで近縁であるウラナミジャノメとヒメウラナミジャノメの成虫の発生に関する調査を行なった。各種出版物、文献のなかに両者は生息環境において棲み分けている、すなわち陰性な環境にはヒメウラナミジャノメが発生し、陽性な環境にはウラナミジャノメが発生するとの記述があるが、実際に野外で観察してみると、棲み分けている要因は陰性・陽性の生息環境だけではないように感じられ今回より詳しく調査してみることにした。

調査地の概要

 小高い丘の斜面に広がっている乾燥草原とその周辺の湿地、低木の松、植林されたが土壌不良によりまったく成長しない杉、ハリエンジュやクロバナエンジュといった外来植物樹林で構成された植物相および地形である。簡単に表現すれば、クヌギやコナラが生える雑木林ではなく、酸性土壌で高木が生えない乾燥草原とその周辺のブッシュということになる。

調査方法

 歩くルートを設定し、そのルート上で確認・目撃した両種の頭数をカウントする手法を用いた。調査の幅を持たせるためと、カウントし易いように、ルートを明るさや地形の変化によって8分割したうえで調査を行なった。調査日は極力一週間以上空けないように心掛けた。調査開始時間については毎回一定時間のスタートが望ましく、その方がより公平なデータ採取になるとは感じつつ、実現できなかった。

調査日

2002年4月21日  12:00〜
2002年4月29日  13:30〜
2002年5月6日  17:00〜
2002年5月11日  15:00〜
2002年5月18日  12:00〜
2002年5月26日  9:00〜
2002年6月1日  18:00〜
2002年6月8日  16:00〜
2002年6月16日  17:00〜
2002年6月22日  15:00〜
2002年6月23日  16:00〜
2002年6月28日  *観察データ紛失
2002年7月6日  13:00〜

◆基礎データ

◆調査結果1:目撃数の推移

◆調査結果2:累計目撃数

◆調査結果3:目撃場所の明るさ

◆今後の課題


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